2018年9月20日(木)より上演される「DIVE!!」The STAGE!!。厳しい残暑が続く8月下旬の都内稽古場にて、出演キャストとスタッフの顔合わせが行われた。その模様をレポートする。
四角く並べられた机には、キャストの名前と役名が書かれた紙が貼られ、主人公である坂井知季役の納谷健から順番に自己紹介と公演に向けての意気込みが語られた。緊張のせいか真面目なコメントが続く中で「体作りのために、秘密兵器でシックスパックを購入しました」というお茶目なコメントで場の空気を和ませたのは、丸山レイジ役の高橋健介。また、キャストの中には水泳経験者もいて(さすがに高飛び込みの経験者はいなかったが・・・)「その経験を今回の舞台に生かせたら」と、頼もしいコメントを聞くことが出来た。
続いて演出・脚本を担当する伊勢直弘をはじめとするスタッフの紹介と公演概要、現段階での演出プランが説明され、最後に伊勢から「自身の経験からダイエット時の食事のアドバイスができればと思っています。皆さん節制して身体作りをがんばって、公演初日には胸を張ってステージに立てるようにしましょう!」と、文字通り“身”の引き締まる一言があった。
続いて稽古時での諸注意が伝えられると、しばしの休憩を挟んで早速“本読み”がスタート。シーン説明のト書きをスタッフが読み、この場に居ない人の台詞を代わりのキャストが読み上げる中、実際にその役を演じる人が台詞を読むことで言葉の一つ一つに“熱”が込もっていくのが感じられた。
ノンストップで約2時間の本読みが終わり、ピンと張り詰めていた緊張感から解放された後は、残ったメンバーで親睦を深めるためのゲームがスタート。より親しみを持てるように、稽古時の愛称を決めて覚えるために連呼していくのだが、一度に18名もの名前を覚えるのは大変。「りょうた(坂井弘也役:廣野凌大)」「りょうか(野村未羽役:大島涼花)」のように一文字違いの名前もあり、「え~と、え~と・・・」と苦戦するキャストたち。
まずは山手線ゲームで「自分の名前→相手の名前を指名」でひと通り覚え、さらに顔と名前を一致させるためにと伊勢さんが提案したのは・・・なんと、バレーボールの試合。ボールの存在しない“エア・バレーボール”で、まずはチームメンバーの名前を覚えるために慎重にパスでつないでいく。
慣れてきたところでだんだんテンポアップし、2打目で相手コートに返したり、ジャンプしてブロックしたりするキャストも現れるが、中にはスパイク時にチームメイトの名前を叫び「味方に攻撃するなよ~(笑)」と突っ込まれる人も。平山二郎役の宮城紘大は、いつの間にかスリッパを脱いで本気モードとなっていた。
「コウ」という呼びやすい名前のおかげ(?)で集中砲火を浴びていたのは、前原一朗役の光宣。また、誰につなぐか迷っているうちにレシーブの腕が真上に上がり、おもしろいポーズになってしまった富士谷要一役の牧島輝と、後ろで同じポーズをキメる納谷に、一同大爆笑。
身体も気持ちもすっかりほぐれ、稽古場を後にする頃には互いに愛称で呼び合い、「稽古、がんばろうな!」と、固い握手を交わすキャストの姿があった。
開幕まで、1ヶ月を切り、彼らの暑い夏はここからが本番だ。高さ10メートル、時速60キロの中で見せるわずか1.4秒の空中演技。物語の中の少年たちのように、キャストたちが見せる“一瞬のきらめき”に期待が高まる。
「DIVE!!」The STAGE!!は、9月20日(木)から9月30日(日)まで東京・シアター1010にて、10月6日(土)・10月7日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演される。
【公式HP】http://officeendless.com/sp/dive/
(C)森絵都・角川文庫刊/アニメ「DIVE!!」製作委員会
(C)「DIVE!!」The STAGE!! 製作委員会
(取材・文・撮影/近藤明子)