2018年3月8日（木）に、ミュージカル『少女革命ウテナ～白き薔薇のつぼみ～』が東京・CBGKシブゲキ!!にて開幕した。1997年に放送された人気TVアニメが今年で放送20周年を迎えることを記念し、脚本・演出に吉谷光太郎、アニメの生みの親である幾原邦彦監督をスーパーバイザーに迎え、製作されることとなった本作。初日前にはゲネプロと囲み会見が行われ、能條愛未（乃木坂46）、山内優花、戸谷公人、横井翔二郎、立道梨緒奈、大崎捺希が登壇した。
王子様に憧れる男装の少女・天上ウテナを演じる能條は、今回の見どころについて「それぞれの役が守りたいものや、貫きたいもののために戦う姿が描かれる決闘シーンです」と力強くコメント。
“薔薇の花嫁”の宿命を背負った姫宮アンシー役の山内は「漫画やアニメの原作の世界観を崩さないように、照明や音響、所作にいたるまで意識をして作り上げました」と、原作ファンも楽しめるものになっていることをアピールした。
「とにかく華やかですね」と口を開いたのは、生徒会長・桐生冬芽役の戸谷。「役者の空気感だったり、アニメでは体感できないような感覚を味わうことができると思いますので、ぜひ劇場に足を運んでくださればと思います」と、原作とは一味違った舞台としての『少女革命ウテナ』になっていると太鼓判を押した。
西園寺莢一役の横井は「本気で命削って（作品に）向かっていますので、楽しみにしてくださっている方、支えてくださった方に最上の愛を届けたいと思います」と意気込んだ。また、稽古の思い出について「西園寺が姫宮に辛く当たるシーンがあるのですが、始めて共演させていただいた山内さんにきちんと挨拶ができないまま、その場面の稽古が始まってしまい･･･。しばらく”怖い人”だと思われていたみたいです（笑）」と稽古を振り返った。
優美で余裕のある男装の麗人の顔を持つ反面、誰もが恐れる不良としての性格を持つ有栖川樹璃。演じる立道は「アニメでお馴染みの色々なシーンが詰め込まれており、演じている側としてもワクワクする部分がたくさんあります」と、本番への興奮と共に見どころを語った。
大崎演じる薫幹は、妹と過ごした過去や、姫宮への思いに葛藤する、闇を抱えた役柄。「そんな影の部分を持ちながらも、自分の大切なもののために戦う薫の姿を見てもらうことにより、明日を生きる糧にしてもらえたら思います」と、作品に対する熱い思いを述べた。
お馴染みの「かしらかしら、ご存知かしら？」の影絵少女たちから、姫宮の胸元から薔薇が咲くように出現する「ディオスの剣」まで、原作そのままの世界観が舞台上に広がる。入り組んだ物語をスピーディに展開し凝縮して見せることに長けた吉谷の演出に、『少女革命ウテナ』の生みの親である幾原がスーパーバイザーが加わることで、より色濃く「ウテナ」の世界が持つ要素が細部にまで反映されていた。
薔薇の花嫁を巡り決闘を繰り広げるデュエリストたちはもちろん、鈴木亜里紗が演じる桐生冬芽の妹・桐生七実、竹内夢が演じる篠原若葉の存在も大きい。ウテナやその周りの人物に巻き込まれながらも、自分の大切な人を支えたいという一途な思いを、歌や演技で表現した。鈴木のチャーミングで伸びやかな歌声、竹内の能條との自然と笑みがこぼれる絡みは必見だ。そのほか、学校の生徒たちのダンスもクオリティが高く、バレエやモダン、はたまたロックな振り付けまで華麗かつ軽やかにこなしていた。
出演者が口をそろえて見どころだと語っていた決闘シーンでは、アニメでも使用された「絶対運命黙示録」が流れる中、舞うような美しい殺陣が繰り広げられる。決闘の決着を示す、胸のバラが散る場面では、まるで映画のワンシーンのよう。決闘ごとに変わっていくウテナの衣装も、彼女の心情や覚悟が現れており、世界観の演出に一役買っていた。
会見の最後には能條が「20年前のアニメを舞台化することによって、当時よりもパワーアップしたものを皆様にお届けします。キャスト一同、全力で盛り上げていきます」と締めくくった。
ミュージカル『少女革命ウテナ～白き薔薇のつぼみ～』は、3月18日（日）まで東京・CBGKシブゲキ!!にて上演。
また、千秋楽である3月18日（日）16:30の回は、無料動画サービスGYAO!にて生配信される。さらに、3月20日（火）14：00から3月27日（火）13：59までアンコール配信（再配信）も予定。
【公式HP】http://musical-utena.com/
【公式Twitter】@musical_utena
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