2017年9月に上演される舞台『北斗の拳 -世紀末ザコ伝説-』の制作発表が、7月4日(火)に東京・シアターGロッソにて行われた。上演決定時、来年35周年を迎える「北斗の拳」(原作:武論尊、漫画:原哲夫)がついに舞台化!だけど主役はケンシロウではなく、ザコ!と大きな話題を呼んだ本作。制作発表の冒頭では「ヒャッハー!汚物は消毒だー!」と言いながら、MCの川本成が登場した。実は川本は、この舞台の企画立案者の一人であり、宣伝隊長として本作に関わっていくという。
主人公たちのために、断末魔と共に壮絶な死を迎えるザコたち。そんなザコにも、人生がある・・・。脚本に川尻恵太、演出に村井雄を迎え“一億総ザコ社会におくる至極のヒューマンドラマ”として描くという本作。川本は「俺たちも結局はザコ。世の中はザコが動かしているんじゃないか!そこにスポットを当ててみようというところから始まりました」と本企画の趣旨を解説した。
続いて、出演者の磯貝龍虎、河合龍之介、寿里、花園直道、林野健志、A応Pの水希蒼(50音順)が呼び込まれた。さらにクリスタルキングのムッシュ吉崎がシークレットゲストとして登場。合わせて、本作のOPENING LIVEでA応Pと共にTVアニメのオープニングテーマ曲「愛をとりもどせ!!」を歌うことが明かされた。
磯貝は「本がふやけるぐらい読んでいる作品だったので、お話をいただいた時はすごくドキドキして、震えて立てなくなりました。それぐらい大好きな作品です」と、作品ファンであることを明かし、「ザコの死に様がとても好きです。ザコって、刃物をよく使うイメージがあるので、まずはでっかいノコギリを扱えるようになるところからがんばっていこうと(笑)。いつでも死ねる心がけをしていこうと思います」と意気込んだ。
河合は、自身の生まれ年と「北斗の拳」の連載開始が同時期だったことに触れ「同じ年月を歩んできた作品を、このタイミングでやることになるとは。こんな記念すべき作品はないなと思いました」と感慨深げに話した。また、出演が決定して「身内の役者たちから(出演できることを)うらやましがられました。代表として出るんだから、ちゃんとやってくれよと入れ知恵をすでにいっぱいもらっています(笑)」とすでに準備万端。
一方、寿里は「最初にお話いただいた時は、正直、ちょっと何を言ってるんだろう?と思いました(笑)」と振り返りつつ、「設定自体がすごくおもしろいので、お芝居にして届けられることを、すごく嬉しく思います。選ばれたザコたちですから。ザコ中のザコをしっかりと演じたいと思います」と宣言した。
日本舞踊家である花園は、出演者の中でも一際異彩を放つ。古典からマイケル・ジャクソンまで踊る斬新な感覚を持った“日舞パフォーマー”として活躍する花園だが、今回の出演オファーは意外だったようで「こうやって、公の場に立って皆さんと一緒にお話している今も、まだ信じられないです。不安と、マジか、という感じです」。川本から「すっごくきれいに死ぬんじゃないですか?」とツッコまれると「きれいな歌舞伎の所作で、死にたいと思います」とさわやかに返した。
林野は、発表時のSNSの反応を見ていたそうで「盛り上がるだろうなと思っていたんですけど、ザコの断末魔とかヒャッハー!とか、たくさん反応があったので、このキャストで9月までにどんなものが出来上がるのか、すごく楽しみです」と期待を寄せる。
A応Pの水希は「母が『北斗の拳』がすごく好きで、姉の名前が“ユリア”なんです。小さい頃からすごく馴染みのあった作品にキャストとして出演できること、そして、A応Pとしてムッシュさんと歌わせていただけることがとても嬉しいです」と笑顔いっぱい。「女性のザコキャラって、あまり想像がつかないんですけど、私は男勝りな性格なので、そこを全面に出して舞台に挑もうと思います」と気合いを見せた。
そして、ムッシュ吉崎は「TVアニメの主題歌から、ブレずに歌い続けてきてよかったです。ザコ歌手でよかったなと(笑)。(出演することが)光栄です」と語り、A応Pとのコラボについては「女性とのコラボは、これで4組目です。孫みたいなうら若き乙女たちと一緒に歌えることに、ワクワクしています」と、異色のコラボを楽しみにしている様子。川本も「舞台がムッシュさんの歌で始まる、こんな説得力のあることはないね!」と、ムッシュの参加に喜びを爆発させていた。
このほか、「どうやって死にたい?」「なんて言って死にたい?」などと、作品愛に溢れる“ザコトーク”が繰り広げられる中、自身の“ザコエピソード”を問われると「お酒を飲んだらまっすぐ家に帰れない」(磯貝)、「役者として死ぬ役が多く、いろんな死に方をしたことがある」(河合)、「学生の頃、怖い人たちと遭遇した時に何も言われる前にノールックで財布を差し出した」(寿里)、「小さい頃、野球の優勝パレードの時のようにコーラを鳩に吹きかけてしまった」(花園)、「よく物にぶつかる」(林野)、「A応Pの中で一番私がザコ」(水希)と、様々な“ザコエピソード”が飛び出した。
ここで、もう一つ発表があり、本作のビジュアルアドバイザーをAkemi.S.ミラーが務めることが明らかに。Akemiは、ニューヨークコレクションで約25年間ファンションデザイナーとして活躍し、マイケル・ジャクソンの衣裳なども手掛けてきたトップクリエイター。本作の上演を知り、自ら参加を志願したといい「ニューヨークでの25年間はまさに闘いであり、ニューヨーク自体が“ザコのるつぼ”でした。この舞台で、ザコの世界観を表現したいです。ザコ自体が、魂の闘い。私もニューヨークで魂の闘いをしてきたので、共通点を感じました」と熱弁。さらに「ゴールはブロードウェイだと思います。この舞台の闘いをニューヨークに持っていきたいという気持ちです」と大きな夢を掲げた。
さらに、舞台上には「北斗の拳」のキャラクターが描かれた相撲の懸賞幕が持ち込まれた。これは、5月場所でコアコミックスから横綱・稀勢の里らに提供された化粧回しと同じラオウ、ケンシロウ、トキの絵柄のもの。ジャギがいれば、北斗四兄弟が揃うのに・・・と思っていると、Gロッソの二段舞台の上、光の中からジャギが現れた!その正体は・・・?ジャギは、本公演にも登場するとのこと。お楽しみに。
このほか、すでに発表されていた声優・千葉繁の声の出演に加え、「北斗の拳」芸人なども出演予定だという。続々と、情報が飛び出したザコ舞台。一体どんな作品になるのか、期待が高まる。
舞台『北斗の拳 ‐世紀末ザコ伝説‐』は、9月6日(水)から9月10日(日)まで東京・シアターGロッソにて上演される。
(C)武論尊・原哲夫/NSP 1983, (C)北斗の拳-世紀末ザコ伝説-製作委員会2017 版権許諾証GP-907