2017年3月24日(金)より東京・TOKYO DOME CITY HALLにてハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」〝勝者と敗者〞が開幕した。2015年11月の初演、2016年4月の再演“頂の景色”、そして2016年10月の〝鳥野、復活!〞公演を成功させ、今回はシリーズ3作目の新作公演となる。その初日前に、公開ゲネプロと囲み会見が行われ、須賀健太、木村達成、猪野広樹、遊馬晃祐、小波津亜廉、演出・ウォーリー木下が登壇した。
今回描かれているのは、「墜ちた強豪、飛べない烏」と揶揄されるようにまでなっていた、烏野高校排球部の部員たちも日向翔陽と影山飛雄と一緒に成長し始めた。そして迎えたインターハイ宮城県予選。二回戦を突破した次なる相手は、県内屈指の強豪・青葉城西高校。烏野はどう戦うのか?試合の行方はいかに?!
本公演より会場規模も大きくなり、さらなる進化を遂げる演出で、演劇の“頂”へ挑み続ける本作について、ウォーリー木下は「ハイパープロジェクション演劇という名前が付いて早2年ですが、今まで“ハイ『ハ』ー”ぐらいだったものが、今回“ハイ『パ』ー”へ格上げされました(笑)。それぐらい、大きな劇場でビックリするような演出を色々していますので、ぜひお楽しみください」と冗談を交えつつも、その手応えに自信を覗かせた。
今回は主役校である鳥野高校が、強豪・青葉城西高校との一進一退の大熱戦を繰り広げる。その中でも、鳥野のセッター・影山と青葉城西のセッター・及川のセッター対決が中心として描かれ、それらを通してさらに成長していく姿が描かれている。そんな影山役の木村は「セッターは、常に誰にボールをあげて1点を取るかと考える生き物です。それぞれのセッターの良いところを吸収した影山にも、ぜひ注目してください」と影山の成長していく姿を挙げた。
影山と反目し合いながらも、少しずつ互いを認め合っていく日向役の須賀は「初めて、この作品を日向として冷静にコートの外から見られる瞬間がある作品です」とセッター対決の行方を見守る立ち位置に、今までの公演とは違った魅力を感じ取った様子でコメント。
影山が加入してから初めての公式戦出場となる鳥野の3年生・菅原孝支役を演じる猪野は「コートのセンターにいるという、菅原と僕自身の緊張が相まって、色々な感情が出てきます。墜ちた強豪から復活して、今ここにいるという3年生の強さと、1年生と2年生たちと3年生の絆、そして菅原が試合に出ることで、鳥野と青葉城西にどのような影響を与えるかを楽しみにしてください」と、もう一人のセッターとして、活躍をアピール。
影山の中学時代の先輩であり、ライバルセッターとして影山の前に立ちはだかる青葉城西の及川徹役を演じる遊馬は「僕も青葉城西も、最初は余裕を見せているんですが、菅原の登場で展開が変わり、2幕と3幕の中で・・・」とストーリーの展開を匂わせると、須賀が「びっくりした、(会見で試合の結末を)言うのかと思った」と呟き、会場は爆笑。思わぬツッコミに動揺しながらも、遊馬は「最後まで、どっちが勝つか分からない、その緊迫感を楽しんでください(笑)」と笑顔で見どころを語った。
さらに、及川のチームメイトである岩泉一役を演じる小波津が「今まで語られていなかった過去のドラマも描かれています。岩泉と及川の過去、そして及川と影山の過去、及川のこれまでと違う一面が垣間見えると思います」と言っていたように、本作では試合と回想がテンポ良く交錯し、キャラクターたちのドラマがより深みを増していく。
また、本シリーズでは迫力あるバレーボールシーンだけでなく、音楽も魅力の一つ。その音楽を手掛けているのは、演劇界で超人気の音楽家・和田俊輔。独特の感性で創り上げるサウンドが、作品の世界観をより一層盛り上げている。その魅力について、須賀は「今回は音楽との寄り添い方がさらに強まっています。この作品が、一つの協奏曲のようになっています」と絶賛した。
最後に、須賀は「今、野球のWBC、サッカーのW杯というような熱いスポーツの風が吹いています。僕たちも熱い演劇とバレーボールで、新しいスポーツを生み出して、それをお届けしたいと思っています。ぜひ“劇場”に・・・いや“体育館”に遊びに来てください!」と呼びかけた。
ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」〝勝者と敗者〞は、3月24日(金)から3月26日(日)まで東京・TOKYO DOME CITY HALLにて上演。その後、宮城・大阪・福岡・東京凱旋公演が行われる。日程の詳細は、以下のとおり。
【東京公演】2017年3月24日(金)~3月26日(日) TOKYO DOME CITY HALL
【宮城公演】2017年3月31日(金)~4月2日(日) 多賀城市民会館 大ホール
【大阪公演】2017年4月13日(木)~4月16日(日) 梅田芸術劇場 メインホール
【福岡公演】2017年4月21日(金)~23日(日) キャナルシティ劇場
【東京凱旋公演】2017年4月28日(金)~5月7日(日) TOKYO DOME CITY HALL
(C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会
(取材・文・撮影/櫻井宏充)