2017年7月に、寺島しのぶが主演する注目作『OTHER DESERT CITIES(アザー・デザート・シティーズ)』が東京と大阪で上演される。アメリカの劇作家ジョン・ロビン・ベイツによる本作は、長い間隠されてきた家族の秘密が、各々の政治観と個性を織り混ぜながら語られる家族劇。2012 年にはトニー賞で5部門にノミネートされた。
【あらすじ】
2004年のクリスマスイブ―。
遠く離れた砂漠の国では、イラク戦争が継続していた。
そして、カリフォルニア州にある砂漠の街・パームスプリングスでは休暇に集まった家族が、ある危機を迎えていた。
「これは小説じゃない。回想録なの」
数年ぶりに帰郷した娘の宣言は、家族に投げつけられた爆弾だった。ずっと昔に封印し、お互いに語らずに来た過去を、赤裸々に書いた回想録を出版するというのだ。有名人の両親は、体面を守るために娘と激しく対立する。お互いを理解出来ないまま、家族はそれぞれの真実によって、相手を打ち負かそうとする。
やがて事態は、修復不能なまでに壊れて行き・・・。
この傑作戯曲の翻訳に、映画『紙の月』(2014年)の脚本でアカデミー賞優秀脚本賞を受賞した早船歌江子が挑戦。演出は、『おそるべき親たち』(2010年)で第13回千田是也賞を受賞した熊林弘高が手掛ける。出演者には、寺島のほか、中村蒼、麻実れい、中嶋しゅう、佐藤オリエという顔ぶれが揃った。
この度、本作のビジュアル公開にあたり、出演者5名からコメントが届いている。
【出演者コメント】
◆寺島しのぶ(ブルック役・・・作家、NY在住。うつ病を患い、長らく作品を発表していない)
戯曲を一読して「これ、私!」って思ったんです。「今、私がやる意味がある」と思いました。このよく出来た戯曲で、熊林(弘高)さんの演出で、しびれる共演者の方たちがいて、やらない理由がなかったです。
◆中村蒼(トリップ・・・TVプロデューサー、LA在住。姉と両親の対立に挟まれ、中立を貫こうとする)
海外の戯曲の出演経験はまだありません。自分ではまだ早いかなと思っていたので嬉しいです。聞くところによると、役者以外は稽古場に入れないルールで稽古をやるんですってね。どんな感じになるのか、楽しみ。
◆麻実れい(シルダ役・・・元脚本家アル中。姉夫婦のやっかいになっている)
最初に台本を読んでみて、自分の中で可能性が見つからず、迷って迷って、演出の熊林(弘高)さんに電話で相談したほど。例え大変な役でも、熊林さんの演出には、できる限り関わりたいと、決意を新たにしました。
◆中嶋しゅう(ライマン役・・・元映画俳優共和党員で、レーガン政権時代には大使を務めた)
アメリカの共和党の政治家の役です。政権の内幕を描いたアメリカのTVドラマなどを観ていても、それはすさまじい世界のようですが、家族の前ではオロオロしているだけの、ただのお父さん。女性の強さには適いません。
◆佐藤オリエ(ポリー役・・・元脚本家共和党支持者。攻撃的な性格で、娘の動向に目を光らせる)
今まで演じてきた母親の役は、わがままで子どもを犠牲にする役ばかり。今回は逆で、家族を必死に守る役。できるかしら、とも思いますが、自分の母に似ていて「母の色んなトコロ、活かせる」と密かに思っています。
『OTHER DESERT CITIES(アザー・デザート・シティーズ)』は、7月6日(木)から7月26日(水)まで東京・東京芸術劇場 シアターウエストにて、7月29日(土)から7月31日(月)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演される。チケットは、4月16日(日)より一般発売開始。