ミュージカル『刀剣乱舞』の待望の新作公演となる『～幕末天狼傅～』が、2016年9月24日（土）に開幕した。初日公演前には、新たな編成での出陣を目前に控えた刀剣男士たちを演じる佐藤流司、鳥越裕貴、有澤樟太郎、小越勇輝、高橋健介、伊万里有と、演出を務める茅野イサムが囲み会見に登壇し、公演への意気込みを語った。
本作では、新撰組にゆかりのある刀剣男士たちが、激動の幕末に降り立ち、歴史修正主義者との戦いに挑む姿を描いている。これまでの公演同様、2部形式で第１部ではミュージカル、第2部では刀剣男士たちが舞い踊るライブパフォーマンスという構成になっている。
演出の茅野は、今回の公演について「新撰組の持っていたとされる刀が中心となり、物語が展開していきます。動乱の時代を短く太く駆け抜け、悲劇的な最後を迎える新撰組ですが、彼らの持ち刀がかつての主（あるじ）の傍に行き苦悩する姿が描かれます。僕は、稽古中5回くらい泣きそうになりました（笑）。作っている僕が泣けるので、きっとそれはお客様にも伝わると思います」と説明し、「前作は派手な大作でしたが、今回は心理描写を増やし、彼らの心に迫っていく作りになっているので、全く違う作品として楽しんでいただけるのでは」と自信を覗かせた。
今回登場する刀剣男士は6名。沖田総司の使用したとされる加州清光を佐藤が、同じく大和守安定を鳥越が演じるほか、土方歳三が愛用したとされる和泉守兼定を有澤、脇差・堀川国広を小越、江戸時代に活躍した刀工・虎徹作の蜂須賀虎徹を高橋、虎徹の贋作、そして近藤勇が持っていたと言われる長曽祢虎徹を伊万里が演じる。
佐藤は、「『刀剣乱舞』というゲームのおもしろいところは、隊を組む刀剣男士によってストーリーが変わるところなので、前回観に来た人も、初めていらっしゃる方も楽しめる作品になっていると思います」とアピール。そして「（加州清光にとって、前作『～阿津賀志山異聞～』に出演した）三条派の皆とは親戚のおじさんみたいな（関係）んですが、今回は兄弟や家族のような間柄。その距離感や安心感も、前作とは違っています」と心境の違いを明かした。
鳥越は、自身の役柄について「大和守安定はものすごくかわいいキャラなんです。お分かりの通り、僕もものすごくかわいいので（笑）。そこが共通点です！」とおどけて会場を沸かせつつ、「お芝居に歌、殺陣、ダンスにと、演劇の楽しさが詰まっています」と真摯に見どころを語った。
ミュージカル初挑戦となる有澤は「緊張しておりますが、とてもワクワクしています。大変なこともありましたが、千秋楽まで駆け抜けたいと思います。本番中さらに、役としても自分自身としても、男らしさを追求していけたらいいと思います」と意気込んだ。
一方、ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンの越前リョーマ役や、舞台『弱虫ペダル』シリーズの小野田坂道役などで絶大な人気を誇る小越は「今、久しぶりに舞台に立てる喜びとワクワク、ドキドキが混じっています」と笑顔を見せ、自身の演じる役については「普段のかわいらしさと戦闘の時のクールさを持ち合わせている役柄です」とコメント。
さらに、高橋は「新撰組の刀である5人とは異質な存在の私が、どう化学変化を起こしていくのかを楽しみにしていてください」、伊万里も「60公演ありますが、最後まで怪我なく、皆でいい作品を作っていきたいです」とそれぞれ語った。
仲間との絆や元の主への思いより深く、使命を尊ぶ物語として描かれた本作。公開ゲネプロでも、あちこちで涙を拭う姿が見られ、公演後には感動の溜め息も聞こえた。もちろん、華麗に舞い踊り、歌って戦う、刀剣男士たちの姿も健在！何倍もパワーアップした世界観が、ここに広がる。
ミュージカル『刀剣乱舞』～幕末天狼傳～は、9月24日（土）から10月10日（月・祝）まで東京・AiiA 2.5 Theater Tokyoにて上演。その後、福岡、大阪、東京凱旋公演を行う。日程の詳細は以下のとおり。
【東京公演】9月24日（土）～10月10日（月・祝） AiiA 2.5 Theater Tokyo
【福岡公演】10月15日（土）・10月16日（日） キャナルシティ劇場
【大阪公演】10月21日（金）～10月30日（日） サンケイホールブリーゼ
【東京凱旋公演】11月17日（木）～11月27日（日） AiiA 2.5 Theater Tokyo
（取材・文・撮影／嶋田真己）
(C)ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会
