2016年12月10日(土)・12月11日(日)の2日間、京都・京都芸術劇場 春秋座にて『繻子の靴―四日間のスペイン芝居―』が上演される。本作は、フランスの劇作家・詩人であり、世界各地で活躍した外交官でもあったポール・クローデルが、大正時代、大使として日本滞在中に書き上げた戯曲。大航海時代の黄金世紀スペインを舞台に、禁じられた恋の“すれ違い”が描かれている。
2008年朗読オラトリオ版撮影:清水俊洋
「1日目」「2日目」「3日目」「4日目」と名づけられた四部構成になっており、上演に半日はかかるため、日本では長い間、上演困難な作品の一つとされてきたが、ついに歴史的な日本初上演を迎える。今回の上演時間は約8時間(途中約30分の休憩が3回入る)。
出演者には、元宝塚歌劇団月組男役トップスターの剣幸をはじめ、吉見一豊、石井英明、阿部一徳、小田豊、瑞木健太郎、狂言・茂山家から七五三、宗彦、逸平などが名を連ねるほか、能楽師・藤田六郎兵衛が笛のライブ演奏を行い、野村萬斎も映像出演で参加。
2014年「二重の影」<『繻子の靴』2日目第13場>撮影:清水俊洋
翻訳・構成・演出は、フランス演劇研究者でもある渡邊守章。渡邊は、これまでにも本作の「朗読オラトリオ版」やマルチメディアパフォーマンスとして「2日目第13場」の『二重の影』を上演。さらに2014年度より、共同利用・共同研究拠点事業テーマ研究として、春秋座での劇場実験、役者との稽古を2年に渡り重ね、満を持して「全曲版」へと挑戦する。
【あらすじ】
アフリカ北西海岸の総司令官であるドン・ペラージュの若い妻ドニャ・プルエーズは、ふとした偶然から出遭った騎士ドン・ロドリッグに激しい恋を抱いているが、結婚の秘蹟に妨げられて、恋を遂げることはできない。年老いたペラージュは、臣下ドン・バルタザールの警護のもと、わざとプルエーズを遠方に派遣しようとするが、プルエーズはまさにその機を利用し、ロドリッグのもとに走ろうとする。だが、ロドリッグは偶発的に起こった戦闘で重傷を負い・・・。
『繻子の靴―四日間のスペイン芝居―』は、12月10日(土)・12月11日(日)の2日間、京都・京都芸術劇場 春秋座(京都造形芸術大学内)にて上演される。チケットの一般発売は、9月28日(水)10:00から開始。