熱狂再び!ミュージカル『黒執事』-地に燃えるリコリス2015- 東京公演観劇レポート

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大阪、宮城公演を経て、2015年11月21日(土)に東京・赤坂ACTシアターにて、ミュージカル『黒執事』-地に燃えるリコリス2015-が幕を開けた。2009年の初演以来独自の世界観とその再現性の高さで人気を博しているミュージカル『黒執事』シリーズ。2014年に初上演された通称『赤執事編』に、新キャストを迎えた新生ミュージカル『黒執事』の模様をレポートする。

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“女王の番犬”の異名を持つファントムハイヴ家の万能執事セバスチャン・ミカエリス(古川雄大)。その正体は、呪われし運命に立ち向かう孤高の若き当主シエル・ファントムハイヴ(福崎那由他)との契約した悪魔。シエルの影となり裏社会の事件を闇で片づける一方、屋敷の使用人、理長バルドロイ(鷲尾昇)、庭師フィニアン(河原田巧也)、家女中メイリン(坂田しおり)らに手を焼きながら執事として取り仕切っている。

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ある日、シエルのもとに女王の秘書武官兼執事、Wチャールズと呼ばれるチャールズ・グレイ(矢田悠祐)とチャールズ・フィリップス(広瀬友祐)が手紙を携えやってくる。そこには、<ジャック・ザ・リッパ-~切り裂きジャック~>による連続娼婦殺人事件を解決せよ、との命があった。

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命を受けたシエルとセバスチャンは、シエルの叔母マダム・レッド(AKANE LIV)、中国の貿易商・劉(荒木宏文)らとともに社交期の倫敦へ。調査の過程で浮上したドルイット子爵(佐々木喜英)の主催するパーティーに潜入し、その悪事を暴いたシエルたち。無事に解決かと思いきや、再び<切り裂きジャック>による事件が起き・・・。

初演からセバスチャンを演じてきた松下優也に代わり、二代目セバスチャンに抜擢された古川。スッとした気品の中にぎらつくような目つきを忍ばせ、新たなセバスチャン像を作り上げた。14歳になった福崎は、視線の強さと心の揺らぎのアンバランスさを見事に表現。

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AKANE LIVのマダム・レッドは、これ以上ないほどのハマり役だ。その歌声で、深い愛情と過ぎる哀しみに浸していく。この1年の間にソロアーティストとしてのデビューも飾った劉役荒木も、その歌声に磨きをかけ、時折見せる曰くありげな視線が物語の未来を予感させた。

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ドルイット子爵を演じる佐々木は、強烈な個性を放ち今回も振り切れている。登場したら最後、観客の視線を釘づけにして離さないだろう。そして、オネエ口調の死神グレル役でお馴染みとなった植原。前回以上に迫力を増したダンスシーンと、原作から飛び出てきたかのような再現性をいかんなく発揮している。

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その他にも、情報提供と引き換えに笑いを要求する葬儀屋アンダーテイカ―(和泉宗兵)とのシーンや、ロンドン警視庁のフレッド・アバーライン役高木俊とシャープ・ハンクス役寺山武志の“アバハン”コンビの掛け合いなどの楽しさも、物語の陰影を一層色濃くしている。楽曲も演出も前回以上にソリッドさを増し、再演以上の仕上がりを見せる本作。これから公演を重ねるにつれ、さらに進化を遂げるに違いない。

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ミュージカル『黒執事』-地に燃えるリコリス2015-東京公演は、2015年11月21日(土)から11月29日(日)まで東京・赤坂ACTシアターにて上演。その後、福岡公演ののち、上海・北京・深川にて中国公演を行う。なお福岡公演では、宮城公演でも行われたマダム・レッドpresents Farewell RED PARTYと称したお見送りが開催される。

◆福岡公演 キャナルシティ劇場◆
12月4日(金) 18時30分公演 赤い執事と死神DEATH☆DAY
12月5日(土) 13時公演 ファントムハイヴのおもてなしDAY
12月5日(土) 18時公演 “切り裂きジャック”大捜査DAY
12月6日(日) 13時公演 スペシャルカーテンコール

※すべてのお見送りはマダム・レッドが取り仕切ります。
※登壇者詳細は、公式HPにてご確認を。

※深川(シンセン)の「川」は、「土」に「川」

(C)2015 枢やな/ミュージカル黒執事プロジェクト

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