初演から10年を超えた、大人気作品、ミュージカル『テニスの王子様』(通称「テニミュ」)の2ndシーズン9作品の大千秋楽公演がWOWOWにて一挙放送される。DVD未発売のライブビューイング編集版の放送は今回が初めてなだけに、「テニミュ」ファンにとっては待望の、見逃せない放送になりそうだ。今回の放送に先駆け、2015年2月に開幕し3か月の長丁場の不動峰公演を終えたばかりの3rdシーズンのキャストから、越前リョーマ役・古田一紀と手塚国光役・財木琢磨が、自身が出演した公演の感想から、「テニミュ」の魅力、テレビ放送に向けての見どころについて語ってくれた。
関連動画:古田一紀と財木琢磨からスペシャルメッセージが到着!こちらもぜひご覧ください!
――3rdシーズンの1作目、「ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン_青学(せいがく)vs不動峰」の3か月に渡る公演が終了したばかりですね。初ステージを終えた今の心境はいかがですか?
古田:本番が始まるまでは、もっと早く終わるのかなと思ってたんです。でも、一公演一公演を突き詰めてやっていくと、66公演はそうすぐには終わらなかったです(笑)。漠然とやってるだけならもしかしたらあっという間に終わっていたのかも。でも、一公演ごとに突き詰めてやっていた分、すごく長かったですね。
財木:ほんとうに長かったです。
古田:公演を終えて、帰って来て休んで、次の場所へ。どこにいるのか分からなくなってたときも(笑)。
財木:「今どこにいるんだろ」って?(笑)。確かにそうかもね。公演が長かったぶん、習慣になっていたので、公演が終わる実感がなかった。まだ公演をやりそうな感じがする…。
古田:やらないけどね!(笑)
財木:でも、そういうことを千秋楽にちょっと考えましたね。といっても千秋楽は思い残すことなく終えることができたと思います。
――台湾、香港と海外公演も経験されましたが、海外の観客の反応はいかがでしたか?
古田:「なんでそこで笑うんだろう?」と思うことがありました。どうやら翻訳したときに面白かった字幕があったらしくて、それで笑っていたりとか。
財木:「黄金(ゴールデン)ペア」がなんだったっけ?
古田:黄金組合! だからか、日本だと笑いが起きないシーンでも笑いが起きたりしてた。
――海外にも『テニスの王子様』の熱狂的なファンがいるんですね。
古田:すごいですよ。
財木:海外でも『テニスの王子様』のコミックやアニメが人気だから、女性だけじゃなく、男性も多かったよね。
古田:多かった!
財木:公演後のお見送りのとき、僕が演じる手塚の写真を持って手を振ってくれる男性もいたし。日本で公演したときとはまた違った反応だったのも新鮮でした。
――これまでの公演、特に昨年まで上演されていた、2ndシーズンの公演は実際にご覧になっていると思います。初演から10年を超えたこの大人気ミュージカルに自分が出演する、その心境はどうでしたか。
財木:オーディションに参加する前、一観客として会場で2ndシーズンのステージを観ていました。歌って、走って、踊って…舞台上でみんなが笑顔で演じているのを観て楽しんだんですけど、実際に演じてみると、これほどきキツいのかっていう(笑)。2ndのキャストの人たちは、キラキラした笑顔でキツさを感じさせずに、逆に観客に勇気と元気を与えてもらえた。それに続いて僕たちが立つというのが不思議な感じもしますが、僕らもお客さんにパワーを与えられるようになりたいなと。
――実際に舞台に立ってみていかがでしたか?
財木:最初に立ったのは、TOKYO DOME CITY HALLでした。お客さんに圧倒されたというか…。こっち側から見た景色は、こんな感じなんだっていう。
古田:公演が終わって最近時間ができたので、改めて、青学(せいがく)7代目の公演を観ているんですけど、2ndシーズンの試合のラリーシーンは面白いんです。打ち方とかも色々あって。僕たちも次の公演からラリーをさらに頑張りたいなって。
――それぞれ自分の役を演じるに当たって、歴代のキャストで参考にした人はいますか?
財木:小越勇輝さんでしょ? 超ファンじゃん(笑)。
古田:そうだけど…めっちゃ観てます(笑)。僕はこの人を参考にするってことではなく、自分が演じる役とは関係なくいいなと思ったこととか、作品全体の良いところを吸収しようと思って観てますね。
――舞台上には実際にボールはありませんよね。ボールの音に合わせて動くこととか、舞台上での動きは大変だと思うのですが。
古田:照明に合わせて打つことを意識すれば音に合う感じ。来た光に合わせて打つと、音に合うんですよ。
財木:でも稽古中は光がないからね。
古田:そう!劇場入りして初めて「テニミュ」のピンスポットを体験したよね。自分がラケットを振ったらそこから光が出て、っていうことを実際に体験したときは面白かった。
――古田さんは、最近7代目の公演を良く観ているということでしたが、その中でも一番好きな公演は?
古田:「青学vs比嘉」! 曲が好きですね。キーがヒートアップしていく、短い小節に音がどっと入っている感じが多いんです。ラップみたいな感じ。あと曲でいえば、「青学vs立海」の『執念の焔』も好きです。
財木:歌詞もいいよね。
古田:このままいくと比嘉のDVDも買いそうです。
――では、比嘉公演のなかで好きなキャラは?
古田:菊丸かわいかったなー。
財木:たしかに、菊丸のシーンいいよね!公演が始まる前までは、以前の公演を観るとそっちに寄っていっちゃうから、あまり観ないようほうがいいとアドバイスされてたんですけど、僕もこれから観ようかな。
――ちなみに個人的に好きなキャラクターはいますか?
財木:手塚はもちろん好きなんですけど、立海の丸井ブン太の必殺技が好きなんです。「妙技・綱渡り」とか、ボールがネット上であんな綱渡りしないですよ! カッコ良すぎでしょ、って。
古田:「テニミュ」観て好きになったキャラクターは、はじめ立海の部長・幸村精市はそこまで自分のなかでは意識してなかったんですけど、神永圭佑さんの幸村を観て、最近すごく好きになった。幸村かっこいい!
――これまでの公演を観て、自分の演技に取り入れたいと思った要素、逆に自分のオリジナリティとして変えたい部分はありましたか?
財木:まずは自分のキャラクターを作り上げたい。ヒントとして、ベンチの姿だとか、かっこいいなっていうフォームを真似したいと思うことはありますけど、自分は自分なりの、「3rdシーズンの手塚はこうだ」っていうふうにしていきたいんです。
――では、自分の演技のここを見てほしいとかありますか?
財木:まだ特に、不動峰公演でここを観てほしいっていうところはあげ辛いんですが、けっこうバックフォームは練習しました。バックフォームの止まっているところは、自分では好きです(笑)。観てほしいとかではなく、自分が好きなところですね。
古田:観てほしいところは、移動を全力で走るところ。短い移動でも全力で走ろうと思ってて、その移動の全力加減をぜひ観てほしいです。
財木:一紀の走り方はかわいいんですよ。
古田:人の3倍くらい歩幅が狭いんですね。だから3倍足を動かすんです。
財木:それが超一生懸命に見える。
古田:でもほんと超疲れるから。だって一歩を三歩だよ!
――不動峰公演を終えてみて、お互いのキャラクターについてはどう感じましたか? リョーマと手塚、意外とお二人の普段の姿と役のキャラクターが似ている感じがします。
財木:一紀はずっと生意気だから(笑)。
――手塚は青学(せいがく)の部長ですし、役柄同様、青学のキャストをまとめなくちゃとか。
財木:それはあります。ここぞというところは言わなきゃ、と意識していました。さらに公演を終えて、もっともっと意識しなきゃいけないなって考えるようになりましたね。やっぱり手塚っていう存在は大事。稽古中にもそういった雰囲気がチームに影響を与えられたら。一紀は、作品を良く見ているんですよね。ミュージカルも原作も。そのうえリョーマと似ている部分もある。だから僕が考えるリョーマは、一紀しかいないなと思いますね。
――古田さんから見た、財木さんの手塚はいかがでしたか?
財木:もっと頑張れよ、とかいうんでしょ(笑)
古田:もっと頑張って欲しいですね(笑)。青学テニス部の部長の手塚を演じるためには、稽古しかないと思ってるみたいで、人一倍稽古していましたね。公演前とか、僕は練習しすぎるとコンディションが整わなくなりそうで、本番に入ったら激しく歌の練習をすることを控えているんです。でもこの人はそこでもかなり本意気でやるので。稽古で、役と自分のギャップを埋めていこうとしていたのをすごく感じました。
――青学メンバー同士のチームワークも公演では大事だと思いますが、稽古から心がけていたことはありますか?
古田:話すようにしましたね。納得できるまで話すように。最初は、役はそれぞれのものだって感じで個々にやってたんですけど、せっかく同じラインに立ってる人がこんなにいるわけだし、思っていることを自由に言い合えることもこれからないかもって思って。自分が思ったこととか、良くないと思ったことは、メンバー間で隠さずに全部言うことにしてました。
――それは稽古中から?
古田:本番に入ってからですね。
財木:そうだね。確かに。このまま全力で演じるだけじゃいけないかも、って。
――きっかけがあったんですか?
財木:公演を積み重ねる中で、もっともっと自分たちの3rdシーズン、不動峰公演についてもっと考えようってなった。みんなのなかから自然に、「もっと良いものを作っていこう」っていう意識が高まっていったというか。それからは、全員で同じ場所に集まってアップを始めたりして、チーム内で刺激し合ったりとか。それが舞台上でも現れたら良いなと思って。チームで行動することは増やしましたね。
古田:個々でやろうとしていたことを、みんなでやっていこうという方針に変えたって感じですかね。
――チーム内のムードメーカーはいらっしゃいますか?
財木:(大石秀一郎役・石田)隼くんじゃない? でも意外と…
古田:みんながムードメーカーみたいな感じなんだよね。
財木:青学(せいがく)はみんなバラバラの個性なだけに、いろんな強みがあるから。
古田:不動峰だったらね、(石田鉄役・中村)太郎って、分かりやすいんだけどね(笑)。青学はこれといって誰、って感じではない。みんな要所要所でアガってくる感じだから、いつも同じ人がムードメーカーではないかな。
財木:でもそのなかでも、隼くんがなんかよくイジられるというか(笑)。
古田:そう、いじられキャラだね(笑)。
――今回、WOWOWで2ndシーズン9作品がテレビで一挙放送ということで、テレビで観る方に向けての鑑賞ポイントを教えていただければ。
古田:今回放送されるのは、大千秋楽ですよね? みんな悔いの残らないようにやろうっていう感じが観ててすごくわかるんですよ。これってたぶん大千秋楽でならではの芝居だろうなって思うところとかあったり。たとえば、「全国大会 青学vs氷帝」で、忍足が戦っているとき、「いいかげんお前を倒さないと上にいけんわ!」ってセリフを叫んでたところとか。だから「これは大千秋楽」っていうのを念頭に置いて観るのも面白いかなって。でもこれって、演じてる側にしか分からないことなのかな…。
財木:ああ、そうかもしれないね。
古田:でも、そういう見方もあります(笑)。
――そういう意味では、大千秋楽以外の公演を観ている人も、今回の放送を観たら意外な発見があってまた楽しめると。
古田:そうですね。
財木:また、生で観るのと違う映像で観る良さもあると思う。今回の放送を観る姿勢としては、まずおやつを置いて(笑)。あ、すみずみまで見逃さずに観てほしいからトイレは先に済ませておいてくださいね。
古田:夜9時からでしょ? 長丁場になるので、昼間ちょっと寝だめしといてください(笑)。
財木:冷蔵庫にいくスキもないと思いますので、ご準備を。
――さらに、6月10日から東京と京都で、新たな試みとなる、学校別のライブ公演「ミュージカル『テニスの王子様』TEAM Live SEIGAKU/TEAM Live FUDOMINE」が開催されますね。
古田:楽しんでいただけるように、毎日できることを稽古場で探しています。自分を追い詰めれば追い詰めるほど、きっといいものができると思っているので…楽しいステージにします!
財木:本公演と違って、学校ライブということで、ペンライトや声援でなく、参加してほしい。一緒に楽しみましょう!!
<プロフィール>
古田一紀(ふるた・かずき)11月29日生まれ、東京都出身。主な出演作に、映画『映画版 PRECIOUS STONE プレシャス・ストーン』、舞台『流れる雲よ~未来より愛を込めて~』、ミュージカル『Go!Go!パンダ’72』、CM「明治エッセルスーパーカップ」など。
財木琢磨(ざいき・たくま)10月15日生まれ、福岡県出身。出演作に、映画 東宝Vシネマ25周年記念作品『25NIJYU-GO』。
ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズン9作品、各タイトル大千秋楽公演がWOWOWでテレビ初放送!
ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンオールナイト
6月19日(金)~第一夜~
夜9:00 #1 青学(せいがく)vs不動峰
夜11:45 #2 青学(せいがく)vs聖ルドルフ・山吹
深夜2:15 #3 青学(せいがく)vs氷帝
6月26日(金)~第二夜~
夜9:00 #4 青学(せいがく)vs六角
夜11:15 #5 青学(せいがく)vs立海
深夜2:15 #6 青学(せいがく)vs比嘉
7月24日(金) ~第三夜~
午後3:00 #7 全国大会 青学(せいがく)vs氷帝
夜6:00 #8 青学(せいがく)vs四天宝寺
夜9:15 #9 全国大会 青学(せいがく)vs立海
学校別のライブを初開催!
ミュージカル『テニスの王子様』TEAM Live SEIGAKU
【東京】2015年6月10日(水)~14日(日)AiiA 2.5 Theater Tokyo
【京都】2015年6月27日(土)、28日(日)京都劇場
ミュージカル『テニスの王子様』TEAM Live FUDOMINE
【東京】2015年7月29日(水)~8月1日(土)AiiA 2.5 Theater Tokyo
【京都】2015年8月8日(土)、9日(日)京都劇場
☆ミュージカル『テニスの王子様』WOWOW特設ページではプロモーション動画も公開中!ぜひお楽しみに!!
(C)許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト(C)許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会