2024年12月20日(金)に東京・こくみん共済coopホール/スペース・ゼロにて舞台『7SEEDS~春の章~』が開幕。初日当日に囲み取材と公開リハーサルが行われ、相楽伊織、國島直希、山本涼介、田口涼、仲田博喜が登壇した。
「7SEEDS」とは
「7SEEDS」は、2017年まで「月刊flowers」(小学館)で連載されていた田村由美による近未来サバイバルストーリー漫画。2006年度(第52回)小学館漫画賞少女向け部門受賞、2019年にはアニメ化され、2024年7月時点で電子版を含めた累計発行部数は800万部を突破している。
その舞台化第1弾となる本作では、脚本・演出・プロデューサーを務める西田大輔によって、「春のチーム」を中心に物語が幕を開ける。春のチームの主人公・末黒野花役には元乃木坂46の相楽伊織、雪間ハル役には國島直希、角又万作役には山本涼介。
さらに、百舌役は仲田博喜、新巻鷹弘役は田口涼、新草ひばり役は澤田理央、鯛網ちさ役は元Berryz工房の須藤茉麻、野火桃太郎役は西山蓮都、甘茶藤子役は藍染カレン、柳踏青役は村田洋二郎。そして、オリジナルキャラクターの村上役で佐藤たかみち、柴田役で久保侑大が出演する。
舞台『7SEEDS~春の章~』は2024年12月20日(金)から12月29日(日)まで東京・こくみん共済coopホール/スペース・ゼロにて上演される。
相楽伊織「私と一緒に全キャストの思いを受け取ってもらえたら」【囲み取材レポート】
囲み取材に立った相楽は、原作の印象について「田村由美先生の漫画が原作になっていまして、近未来SFサバイバルストーリーということで、描かれたのは20年ぐらい前の作品なんですけど、すごく今とリンクしているような感じがしています」と語ると、舞台版の見どころとして「隕石がぶつかると言うと現実味がないように思うんですけど、この世界を生きると現実味を感じますし、その生きるという熱量やスピード感が見どころだ思います」とアピール。
さらに、末黒野花という役柄について「みんなを引っ張っているように見えるんですけど、実はみんなにたくさん与えてもらっていると感じます」と説明し、「すごく難しい塩梅ではあるんですけど、皆さんにも私と一緒に全キャストの思いを受け取ってもらえたらと思います」と訴えた。
國島は「西田さんとご一緒するのは初めてなんですけど、音や照明、演出がすごく美しくてセンスがあって、迫力が満点な舞台です。壮大な物語なんですけども、それに負けない演出がついてますので、ぜひ楽しみにしていてください」と呼びかけ、雪間ハル役について「大人数でいると結構つんけんしちゃうんですけど、花にだけ少しずつ心を開いていくという役なので、花との2人きりのシーンを僕は1番大事にしています」と力を込めた。
山本は「本当に素敵な照明、音の中で僕らは必死に生きているので、その姿をぜひ観ていただけたらなと思います」と訴えながら、角又の見どころについて、衣裳を披露しながら「見てのとおり1人だけ和服なんですけど、弓を持って戦っています。そこを観てほしいです」と挙げた。
今回、唯一の「冬のチーム」からの登場となる新巻を演じる田口。衣裳について「衣装が1人だけボロボロですが、これは「春のチーム」のみんなにいじめられたわけではなく(笑)、こういう役でやらせてもらっています」と冗談を交えながら、「ちょっと大人な役柄で、その新巻という役が「春のチーム」の人たちとどう関わっていくかというところを観てください」と見どころを挙げた。
百舌役の仲田は、役柄に対して「いろいろと秘めている役柄で、「春チーム」ではない自分がどう物語と関わっていくかや、舞台オリジナルキャラクターの村上と柴田とどう絡んでいくかというのを、ぜひ楽しみにしてもらえたらなと思います」とコメント。
そんな百舌の舞台ビジュアルについて、帽子で顔を隠していて誰が演じているか分からないという話題になると、「原作に忠実にじゃないですけど、いろいろ秘めたキャラクターなので、あえて顔を出すのが当たり前の舞台ビジュアルの中でも、初めてなんですけど目を隠していきたいというこだわりがありました」と明かし、「原作ファンや、舞台ファン、役者ファンの方々が見て、いろいろ想像できるようなビジュアルでありたいなというところから、『いろいろ秘めてます』という意味で目元を隠しました」と解説。
さらに「実はもっと目元が真っ暗だったんです。だけど徐々に微妙な調整が入って、ほんの少し目が見えているんです。製作さんと僕のこだわりです」と裏話を披露し、「ぜひ劇場で観ていただく方にも、本当に僕が演じているかどうかをジャッジしてもらえたらと思います(笑)」と茶目っ気たっぷりに語った。
舞台の中でこだわりや思い入れのあるシーンや小道具を尋ねられた登壇者たち。田口は「吹雪と美鶴さんがいます! お楽しみに」と、本作ではキャスティングされていない「冬のチーム」の鮫島吹雪と神楽坂美鶴というキャラクターについて舞台上でどのように登場するのか含みを持たせて回答。
國島は衣裳の手袋を披露しつつ、劇中で使用するオカリナを取り出すと「花が俺のために作ってくれたオカリナと手袋には特別な思いがあります」と打ち明け、山本は「弓を扱うのは初めてなので、それですね。アクションがいっぱいあったりなかったりするかもです」と答えた。
仲田は「小道具だとナイフです。小道具じゃなければ、それぞれの生きてきたその思い入れがすごく大事なものな気がします」と述べ、相楽は「嵐やお父さんだったりとの繋がりが感じられる小道具がたくさんあるので、本当に1つ1つが大事だなと思いながら抱えてやっています」と思いを語った。
最後に、相楽は本作のアクションシーンに関して、「あまり殺陣とかもやったことがなかったので、まずそこが第1関問だったんですけど、それ以外もひたすら走ってるシーンだったりとか、ほんとにこれはもう死ぬんじゃないかと思いました(笑)」と稽古を振り返り、「本当にギリギリのシーンとかもあるので、そこを毎回稽古だったり場当たりだったりで乗り越えたのは、自分の自信にもなりました。かなり見どころの1つでもあるので、一つも見逃さずに観てほしいという気持ちはあります」と呼びかけて、会見を締めた。
幻想と神秘な演出が魅せるステージで、生き抜く熱量を感じさせるキャストたち
「巨大隕石が地球に衝突し、人類は滅亡する」という最悪な予測に対し、政府は策を講じたのが、「7SEEDS」計画。才能ある若い男女を選抜し、7人1組で5つのチームを作り、冷凍保存によって人類の種を残すというものだ。やがて、未来の世界で目覚めた若者たちは、苛烈な環境にさらされ、仲間との別れや出会いを繰り返しながら、懸命に生きようとする――。
原作の1巻では「夏のBチーム」が描かれていたが、舞台化にあたって「春のチーム」を中心とした物語となっている本作。
公開リハーサルでは、「春のチーム」を中心とした冒頭のシーンとOP、舞台オリジナルキャラクターの村上と柴田の研究者2人と百舌による「7SEEDS」計画の説明シーン、そして新巻と花が出会うシーンが公開された。
美しい音楽と美術、そして照明が、壮大な世界観を持った原作をステージ上に創り上げている本作。舞台の上面と上手下手にスクリーンを配した舞台セットが目を引き、天井から吊された布が随所で印象的な役割を担っているステージ上で、幻想的にそして神秘的な演出で魅せるOPに続き、冒頭から激しいアクションと疾走する客降りシーンなどアグレッシブな展開が繰り広げられる。
そして、世界観の解説役としてだけでなく、キャラクター性がもたらされたオリジナルキャラクターの村上と柴田がどのように百舌と関わっていくのか、さらに新巻と花との邂逅が新たな展開を予感させるものとなっていた。
花を演じる相楽とキャストたちが力強さと生きる熱量をステージ上にほとばしらさ、連載当初より原作漫画を愛読していたという西田による原作への解像度の高さを見せながら、壮大な物語を期待させる公開リハーサルとなっていた。
(取材・文・撮影/櫻井宏充)
舞台『7SEEDS~春の章~』公演情報(チケットなど)
【公式サイト】https://officeendless.com/sp/7seeds_stage/
【公式X(Twitter)】@7SEEDS_stage
(C) 田村由美/小学館/舞台『7SEEDS~春の章~』製作委員会