HEADLINE

ニュース

志尊淳、大野いと、栗原類による少年少女の“性”への目覚めを描く衝撃作『春のめざめ』ゲネプロレポート

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

007091.jpg

2017年5月7日(日)より神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて、舞台『春のめざめ』が開幕した(5月5日・6日にプレビュー公演を実施)。本作は同劇場の芸術監督として近代戯曲を現代に蘇らせるシリーズに取り組んでいる白井晃が、第4弾として取り組むドイツの劇作家フランク・ヴェデキントの名作戯曲。プレビュー公演前日には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、構成・演出の白井のほか、志尊淳、大野いと、栗原類が登壇した。

ヴェデキントにより1891年に発表された本作は、ドイツのギムナジウム(中等教育機関)で学ぶ思春期の少年たちの“性”への目覚め、生きることへの葛藤、それに対する大人たちの抑圧といった若者を取り巻く普遍的なテーマを赤裸々に描き、脚本が書かれた当時はそのセンセーショナルな内容から上演禁止処分まで受け、問題作とも言われた作品。2006年にはブロードウェイでロックミュージカルとして上演され、トニー賞を受賞するなど話題となった。国内でも、劇団四季によりミュージカル版が上演されたが、今回はミュージカル版のイメージで観ると色々な意味で衝撃を受けるであろう、原作版のストレートプレイで上演される。

『春のめざめ』舞台写真_2

芸術監督就任以来、初の大スタジオでの演出作品となる本作について、白井が語った「お客さんとも非常に近い距離ですので、どのような反応が起こるか楽しみです」という言葉どおりに、大スタジオに入った瞬間から様々な思いをかき立てられる空間が広がる。その舞台上には客席をコの字に囲むように透明なアクリルパネルが設置され、その上段が通路となっており、それ以外の大道具は一切ない。製作発表での白井の「生まれたばかりの子どもが入る保育器のような、ガラス張りの空間をイメージしたい」という思いが如実に表現された空間だ。

さらに幕が上がると、役者たちのアクリルパネルの裏側から浮かび上がる姿や映り込む姿が登場人物たちの内面を強く感じさせ、上段の通路から見下ろす大人たちから抑圧を直接的に感じさせる。それら数多くの演出の中でも、少年たちの自慰行為の結果として、アクリルパネルに白いクリームが塗りたくられる演出は、直接的であるがゆえに衝撃的に心に刻みつけられる。そんな少年少女たちの姿を彩る音楽は、白井とは舞台『ルル~破滅の微笑み~』以来、12年ぶり2度目のコラボレーションとなる降谷建志(Dragon Ash)が担当。少年少女たちの思春期の衝動と葛藤、その行き着く先を音で綴り上げ、舞台を盛り上げる。

『春のめざめ』舞台写真_3

本作のキャストを登場人物と近い世代をオーディションで集めたことについて、白井は「技術ではなくて、一生懸命に舞台と立ち向かおうとしているところが、我々にとっても新鮮です」とアピールした。その主人公・メルヒオールを、舞台主演は初めてという志尊が熱演。初座長として迎えた稽古場での心境について、志尊は「メルヒオールの憤りを抱えている部分や、社会に対して納得がいかないことに、役として常に真剣に向き合っていこうという考えだったので、あまり稽古中に何かを考えるという余裕は無かったです」と打ち明けた。

『春のめざめ』舞台写真_4

『春のめざめ』舞台写真_5

メルヒオールの同級生で無垢な少女・ヴェントラを演じる大野は緊張した面持ちながらも、開幕を間近に控えた心境として「すごく緊張しているんですけど、いっぱい稽古もしたし、自分なりにたくさん考えたので、ヴェントラをちゃんと生きられればいいなと思っています」とコメント。メルヒオールの親友モーリッツには、ロングヘアから打って変わったボブヘアのウィッグ姿が目を引く栗原が演じる。「最初は白井さんが何を求めているのか理解するのに、頭を抱えることが多かった」と言いつつも「稽古場から劇場に移動したことによって、空間だけではなく自分たちが何を表現すれば良いのか、どのタイミングで動き、しゃべるのかという感覚を掴めるようになってきました」と手応えを明かした。

また、若者たちを抑圧する両親や学校の先生役に、あめくみちこ、河内大和、那須佐代子、大鷹明良といったベテラン勢が揃い、白井と共に若いキャストたちを支えている。若い俳優が中心となる本作だが、白井は「難しく厳しい表現を求められる作品だと思うんですけど、私はこの作品の舞台になっているギムナジウムの校長のように、みんなを叱咤激励しながら、ここまでやって来ました。きっと、僕の予想以上のことを初日に向かって皆さんがジャンプしてくれるんじゃないかと期待しています」と自信を覗かせた。

『春のめざめ』舞台写真_6

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『春のめざめ』は、5月23日(火)まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて上演。その後、京都、北九州、兵庫を巡演する。日程の詳細は以下のとおり。

【神奈川公演】5月7日(日)~5月23日(火) KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
※5月5日(金・祝)、5月6日(土)にプレビュー公演を実施
【京都公演】5月27日(土)・5月28日(日) ロームシアター京都 サウスホール
【福岡公演】6月4日(日) 北九州芸術劇場 中劇場
【兵庫公演】6月10日(土)・6月11日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

(取材・文・撮影/桜井宏充)

(文/エンタステージ編集部)

春のめざめ

作品情報春のめざめ

ドイツの劇作家フランク・ヴェデキント作『春のめざめ』を白井晃が若手俳優を起用し蘇らせる!

  • 公演:
  • キャスト:志尊淳、大野いと、栗原類、小川ゲン、中別府葵、北浦愛、安藤輪子、古木将也、吉田健悟、長友郁真、山根大弥、あめくみちこ、河内大和、那須佐代子、大鷹明良

RELATED TOPICS

関連記事

注目のキーワード

今エンタステージで話題のキーワード一覧

RANKING

アクセスランキング

HOT ENTRY

注目のニュース

INTERVIEW

独占インタビュー

TOP