『4Stars 2017』城田優インタビュー!「魅力を一番実感している僕だから、どうしても続けたかった」


世界最高レベルのコンサートとして呼び声高い『4Stars』の第2弾『4Stars 2017』が、東京国際フォーラムにて12月14日(木)から開催される。第1弾から引き続きラミン・カリムルー、シエラ・ボーゲス、城田優が名を連ね、ミュージカル『天使にラブソングを』デロリス役のオリジナルキャストとして人気を博し、『ピピン』でトニー賞最優秀主演女優賞を受賞するなど高い評価を得るパティーナ・ミラーが初参加となる。

ブロードウェイ屈指のミュージカル俳優3人と、日本ミュージカル界で着実にキャリアを積み、人気実力共に名高い城田によって繰り広げられるコンサート『4Stars 2017』とは?「日本で一番熱いコンサートになる」と語る城田優に本コンサートの魅力を聞いた。

『4Stars 2017』 城田優インタビュー

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喜びと恐怖のあまり舞台袖で泣いてしまった

――『4Stars』第2弾開催決定おめでとうございます?どのような経緯で企画が決まっていったのでしょうか?

『4Stars 2017』については僕が手を上げて発案したんです。ラミンやシエラというトップスターが一堂に会する『4Stars』の魅力を一番実感しているのは僕だと自負しているし、何と言っても彼らと一緒のステージに立つことで圧倒的に自分が成長できるので。

・・・・・・前回の本番直前には、喜びと恐怖のあまり舞台袖で泣いてしまったんですよ(笑)。衣装を着て、スポットライトを浴びるラミンやシエラ、レア(第一弾参加 レア・サロンガ)の声を聞いたら感極まってしまい。そして同時に、このステージに今から僕も立つのかと考えると恐怖がこみ上げてくる。相反する感情が同時に頂点に達したものだから、頭が混乱したんでしょうね(笑)。

――平常心には戻れましたか?

レアのアドバイスのお陰で、ステージ上ではリラックスすることができました。本番直前のリハーサルで僕が何度も歌詞をミスしてしまい、動揺を隠しきれずにいたらレアが“You watch my eyes, you will be fine”って。つまり「私の目をみなさい、そしたら大丈夫だから」と言ってくださったんです。かっこいいですよね(笑)。助言の通り、レアの目をまっすぐ見つめて歌ったら嘘のようにリラックスすることができました。

『4Stars 2017』 城田優インタビュー_2

話を戻すと、足の速い人と一緒に走ると自分もつられて足が速くなるように、世界トップクラスの方々と共演することで自分自身のあらゆる面のレベルが上がるんです。だから単発の企画にするのではなく続けていきたかったんです。嬉しいことに、2013年の『4Star』終了後すぐに「またやりたい!」と他のメンバーも言ってくださっていたので、第2弾もスムーズに決まることができました。

今回レアは参加しませんが、新しく僕も大ファンのパティーナが出演してくださることが決まりとても興奮しています。

――前回の公演で印象に残っている場面を教えてください。

ミュージカル『ウエストサイドストーリー』の楽曲「サムホエア」を4人で歌った時のことは鮮明に残っていますね。曲の最後のハモリ部分で4つの声が重なったとき、ビリビリと音が劇場中に響いたように感じたんです。日本では経験できないような世界の声に自分が混ざれた喜びと、あの時の観客の皆さんからの拍手の大きさは忘れられません。

『4Stars2017』テーマは“旅”

『4Stars 2017』 城田優インタビュー_3

――『4Stars2017』では先ほど話にも挙がったパティーナさんが初参加されることでも話題を呼んでいますよね。

僕はまだパティーナさんとお会いしたことはないのですが、彼女が出演していた『ピピン』は見ていて。圧倒的な存在感だったので見終わってすぐシエラに「リーディングプレイヤーの女優さんが凄かった」と伝えたらシエラが「パティーナでしょ!?彼女は私の友達なの」なんて話がでて。そしたら今回出演が決まり、最高に嬉しかったです。

――今回の公演では演出家にブロードウェイの新鋭サラナ・ラパインさんが演出家として参加されますが、もうお話はされましたか?

一度ニューヨークで打ち合わせをして「前回の『4Stars』を超えなくてはいけない」という意見で一致しました。僕自身、第2弾をやるのだから初回は超えなくてはいけないと考えていたので、サラナも同じことを考えていたのは嬉しかったです。

あとは個人のルーツに触れるような楽曲を入れたいという話もしました。例えば、僕自身のことでいうならスペイン語の曲を唄いたいとか。それぞれの4人が自分のアイデンティティーを100%活かしたナンバーを歌うことで、最高のパフォーマンスができると考えたんです。そしたら最近になってサラナから今回のテーマを「ジャーニー」にするという連絡が入りました。4つの個が旅をして、出会い、混ざり、お互い刺激し合いながら、それぞれのホームに戻って行く。

テーマが旅なので、楽曲に関しても『エリザベート』や『ロミオ&ジュリエット』など、ブロードウェイミュージカルだけではないウィーンミュージカルやフレンチミュージカルを取り入れた、彼らも今まで歌ってきたことのないナンバーを歌う予定になっています。また、パティーナが新たに加わるので『ピピン』の楽曲や、出演者が4人ということもあって、『チェス』という4人芝居の楽曲も候補に出ていますね。

「2017年一番アツいコンサートになる」

『4Stars 2017』 城田優インタビュー_4

――本番に向けて、ニューヨークで一ヶ月稽古されると聞きました。

前回の稽古は日程がタイトだったので、今回はたっぷり時間を取っていただいたんです。『4Stars』というコンサートは、一番有名な作品から、一番有名な曲たちを、一番有名な人たちが歌うというこれ以上ないお祭りなんです。そんな前提から始まっている企画なので、僕たちは見た目だけではない奥深さで勝負しなくてはいけないとう共通認識を持っていて。

だから、普通のコンサートの稽古は1ヶ月も稽古期間を設けませんが、『4Stars』に関しては見せ方について全員で考え、何度もディスカッションを重ね、お互い強い信頼を築いた上で、遊び心をもって励んでいきたいと思っています。そういった一連の作業を全員で楽しむことで作品に深みが生まれると思うので。

もちろん、日本でのコンサートなので言語の問題など課題はたくさんありますが、みんな歌はトップレベルですからね。自分たちが問題や課題に対してどこまで楽しんで取り組むことができるかによって、日本のコンサートでは見たことないレベルのものがお見せできると確信しています。一ヶ月の稽古が楽しい有意義なものになれば、『4Stars 2017』は今年一番アツい、国際フォーラムが壊れてしまうようなコンサートになると思います(笑)。

――本番への期待が膨らみます。今後は『4Stars』を皮切りに城田さんのブロードウェイ進出もありえるのはないでしょうか?

ラミンやシエラも「ブロードウェイに来なよ!」と言ってくださるのですが、僕としてはやっぱり言語の壁を感じていて……。正直今は、想像するだけで怖気付いてしまいます。僕は完璧主義なところがあるので、今の僕にはまだブロードウェイのステージに立ってお芝居をして歌うほどの英語力がないと思ってしまうんです。とはいえ、人生は一度きりですからタイミングが合えば出演したいですが、やっぱり怖いですね・・・(笑)。

ただ、僕が実際にブロードウェイのステージに立って、完璧な歌と英語で称賛されたら日本のミュージカルシーンがいよいよ世界へと盛り上がっていくと思うので・・・、そういう意味ではブロードウェイにも進出してみたいと思います。

――城田さんの夢とはなんでしょう?

僕の夢は日本でオリジナルミュージカルを作ってそれをブロードウェイに輸出することです。その時は、僕は演出か脚本で参加したいと思っていますが(笑)。世界で通用するようなオリジナルミュージカルを作るのって、とても難しいんですよね。SFのようなジャンルものに逃げたりすれば作りやすいのかもしれませんが、やっぱり僕は現実の世界を描く日本発のミュージカルが作りたいです。

――そしてトニー賞を・・・

そうですね、トニー賞、取っちゃいましょう(笑)。なんて、途方もない大きな夢ですが、そろそろ語るだけじゃなく挑戦していこうと考えています。そして、ラミンやシエラ、パティーナと僕の作る作品で出会えたら、こんな嬉しいことはありません。

『4Stars 2017』 城田優インタビュー_5

『4Stars 2017』は、12月14日(木)から12月17日(日)まで、大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて、12月20日(水)から12月28日(木)まで、東京・東京国際フォーラム ホールCにて上演される。

(撮影/大宮ガスト)

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