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インタビュー

華麗で美しいパリ・オペラ座バレエ団の舞台!東京バレエ団の上野水香と柄本弾が語る、劇場とバレエ団の魅力とは?

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350年以上の歴史を持ち、世界最高峰のバレエ団とも言われるパリ・オペラ座バレエ団。2014年には女優ナタリー・ポートマンの夫、バンジャマン・ミルピエが芸術監督に就任。さらなる変化の時を迎えようとしているパリ・オペラ座バレエ団の2012~2014年の舞台を、WOWOWでは5回にわたって放送する。東京バレエ団の『ザ・カブキ』パリ公演で、バレエの殿堂パリ・オペラ座の舞台に立った上野水香柄本弾に、今回の映像の見どころや劇場の魅力を聞いた。

東京バレエ団 上野水香、柄本弾

――お二人も、2012年にオペラ座で『ザ・カブキ』を踊られたわけですが、その時の思い出を教えてください。

上野:世界にはボリショイやMETやコヴェントガーデンなど様々な歌劇場がありますが、私は、どの舞台よりも立ってみたかったのがパリ・オペラ座だったんです。実際に立って見ると、重厚感があり、空気が深くて吸い込まれそうでした。

柄本:僕は役が決まった時、オペラ座というすごい舞台に立つことを、極力意識しないよう心がけていたのですが、あの建物を見た瞬間、ものすごく緊張してしまって。ところが、本番で踊り始めたら、逆にパワーをもらっているような感覚になってきて、“パワースポット”的な印象を受けましたね。

上野:まさにパワースポットですよね。私も本番では、脚を上げる振りのところで、何も力を入れていないのに、糸で吊られるように自然と上がったんです。あれは不思議で、「ああ、ここは本当にすごい場所なんだ!」と感動しました。

パリ・オペラ座バレエ団 (C)Sébastien Mathé/Opéra national de Paris

――ただ、独特の傾斜舞台にはご苦労もあったとか。

上野:慣れるまでは大変でしたね。斜舞台は10代のころ、ローザンヌ国際バレエコンクールの時に初めて経験したのですが、何もできなくて泣いたことを思い出しました。

柄本:僕は初めての斜舞台だったのですが、その難しさと緊張とで、泣きたくなりました(笑)。着地する床が遠いから、腰が抜けそうになるし。

上野:あの舞台に毎日立っているオペラ座のダンサーたちはすごいですよね。

東京バレエ団 上野水香

――今回放送の作品をご覧になって、特に印象に残った作品あるいは踊ってみたい作品は何でしたか? 

上野:どの演目も素晴らしいのですが、ヌレエフ版『眠れる森の美女』は振付がエレガントで、衣裳も美術も美しいです。私にはオペラ座で全幕作品を踊ってみたいという夢があって、ヌレエフ作品でいつか実現したら嬉しいですね。

柄本:僕はノイマイヤーさんが振り付けた『マーラー交響曲第三番』が好きです。ノイマイヤーさんのインスピレーションが詰まった、壮大な作品。少し、東京バレエ団で去年踊ったベジャールさん振付『第九交響曲』に似ているかな?

上野:たしかに共通するところがあるよね。とても見応えがある作品です。

柄本:『マーラー交響曲第三番』の最初のほうには、エトワールのマチアス・エイマンの長いソロがあるのですが、テクニックが強くて、体力的にきつくなっているはずなのに最後まできっちり踊りこなしていて、さすがだなと感じましたし、見ていてワクワクしました。

東京バレエ団 柄本弾

――お二人がバレエ作品をテレビで鑑賞する時、こういうところはどうしても見ちゃうな、というようなポイントはどこですか?

上野:けっこうまっさらな気持ちで見ます。初めて見る作品は特にそうですね。古典の場合、演じる人によってまったく違うので、その辺りに注目します。

柄本:僕も同じくです。自分が踊ることになっている作品だと見方が変わりますけど、そうでない場合は映画を見るような気分で楽しんでいますよ。

上野:たとえば衣裳などにはやはり注目してしまいます。バランシン振付『水晶宮』の衣裳は可愛かったですね。赤、ブルー、緑、ピンク…と色とりどりでお花みたいで。

柄本:ラトマンスキー振付『プシュケ』も、動物や花の柄の衣裳がユニークでよかったですよね。

パリ・オペラ座バレエ団
(C)Sébastien Mathé/Opéra national de Paris

――オペラ座のダンサーの踊りの特質については、どうご覧になりますか?

上野:クリーンだと思います。どのカンパニーにも個性があり、良いところも悪いところもありますが、オペラ座のダンサーは、小さい時から積み重ねてきた基礎に裏打ちされたクリーンな踊りが、特長的。このクリーンさというのは、動きで言えばテクニックがしっかりしているということですし、表現面で言えば意外と直接的ではないんです。私がオペラ座の方に指導していただいた時も「やり過ぎるな」「表情を変えなくても伝わる」と言われて。品格を保った上で、秘めたものを出すというかたちです。

柄本:だから、やっぱり綺麗ですよね。

上野:そう。ロシア式の「もっともっと出せ!」という指導とは対照的。「身体をいっぱいに使って伝えろ」ではなく、「動きを抑えたうえですべてを表現しなさい」という考え方なんです。そうした踊りのスタイルには価値があるし、素敵なこと。ぜひその辺りもご覧になってみてください!

東京バレエ団 上野水香、柄本弾

◇上野水香(うえの・みずか)プロフィール◇
12月23日生まれ、神奈川県出身。東京バレエ団プリンシパル。1993年、ローザンヌ国際バレエコンクールにてスカラシップ賞を受賞。モナコのプリンセス・グレース・クラシック・ダンス・アカデミーに2年間留学。1997年、『くるみ割り人形』の金平糖の精で主役デビュー。国内外の話題の公演に出演し、注目を集める。2004年、東京バレエ団に入団してからも同団公演のほか、外部公演での客演、自身のプロデュース公演を行っている。最近の出演作に、『ラ・バヤデール』『眠れる森の美女』『第九交響曲』『ドン・キホーテ』など。8月28日(金)、29日(土)に横浜・象の鼻パークにて開催される『横浜ベイサイドバレエ』に出演。

◇柄本弾(つかもと・だん)プロフィール◇
京都府出身。東京バレエ団プリンシパル。5歳よりバレエをはじめ、2008年、東京バレエ団に入団。20歳で『ザ・カブキ』の主演・由良之助に抜擢され注目を集める。主な出演作に、『白鳥の湖』『眠れる森の美女』『ロミオとジュリエット』『春の祭典』『ラ・シルフィード』『ラ・バヤデール』など。8月28日(金)、29日(土)に横浜・象の鼻パークにて開催される『横浜ベイサイドバレエ』に出演。


パリ・オペラ座バレエ団特集2012−2014
7月18日(土)、25日(土)14:00~(全5回)

世界最古・最高峰のバレエ団、パリ・オペラ座バレエ団の最新作を放送。代表作でもある、古典バレエの傑作『眠れる森の美女』から、シンフォニックバレエの名作『マーラー交響曲第三番』、2014年より新芸術監督を務めているバンジャマン・ミルピエ振付の最先端のモダン・バレエ『ダフニスとクロエ』など多彩なラインナップが放送。日本にもファンが多い、マチュー・ガニオ、オレリー・デュポンらエトワールが出演している。

<7月18日(土)>
14:00~ヌレエフ 眠れる森の美女
16:45~ヌレエフ ドン・キホーテ

<7月25日(土)>
14:00~ミルピエ+バランシン ダフニスとクロエ 水晶宮
16:00~ノイマイヤー マーラー交響曲第三番
18:10~ジェローム・ロビンス+アレクセイ・ラトマンスキー

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(文/高橋彩子)

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