こまつ座、損害額7千万円以上「井上ひさしの言葉を次世代に繋ぎたい」クラウドファンディングへ

座付作者・井上ひさしに関係する作品のみを専門に上演する制作集団、こまつ座がクラウドファンディングを開始した。こまつ座は、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりこの3月から5月の短期間で『イヌの仇討』(地方公演一部中止)、『きらめく星座』(東京公演一部止、地方公演一部中止・延期)、『雪やこんこん』(全公演中止)と3公演に大きな影響を受けており、その損害額は7千万円以上におよんでいる。

こまつ座は1983年1月創立。現在まで、新作、再演、こまつ座以前の井上作品も織り交ぜながら、年平均4~6作品を上演し続けている。全国公共施設などでの地方公演や北海道から九州まで全国組織の演劇鑑賞団体の巡演にて、年間のステージ数は200から250を数える。

出演者、スタッフとも作品ごとに依頼をし、その作品だけのカンパニーを組むプロデュースシステムをとっており、出演・スタッフ共に各演劇賞に名の挙がる質の高い演劇を作り続けてきた。

演劇に襲いかかった先の見えないコロナ禍の中でも、次に来たる機会のため、こまつ座は井上ひさしがした「記憶せよ、抗議せよ、そして、生き延びよ」の言葉を日々反芻しながら、今後の予定に向けて公演準備を続けている。しかし、新型コロナウイルスによる損害は劇団創設以来の大打撃。存続のためREADYFORにてクラウドファンディングの公開に踏み切ることとなった。

こまつ座代表の井上麻矢氏は、クラウドファンディングにあたり、以下のメッセージを寄せている。

◆井上麻矢(こまつ座)
こまつ座は37年もの間、ずっと井上ひさしの作品を世に出し続けて参りました。
今年は井上ひさしの没後10年にあたります。
「今、もし生きていたらこの時代をなんと言ったでしょうか」とよく質問されます。
質問をされることはとても嬉しいのですが、私たちはいつもこう答えます。
「ぜひ劇場でその答えをお聞きください」と。
なぜそう答えるのかと言えば、演劇は「記憶の再現装置」だからです。
今では聞くことができない過去からの声なき声を再現して行くことは、 未来の私たちにとって大切なことだと信じています。
戦後75年が経過して、この国が歩んだ歴史を、演劇を通して体感して頂く・・・。
過去に生きた人たちの声を再現してそれを伝えていく、それが私たちの大きな使命です。 言葉と人を大切にした井上ひさしの戯曲、それに関係する作品を上演し演劇空間に現れる時間のユートピアを出現させること、それを全うして参ります。
今後も井上ひさしの声を届けるために皆さんのあたたかいご支援をお願い申し上げます。

◆こまつ座 クラウドファンディング概要
【サイト名】READYFOR(レディーフォー)
【プロジェクト名】劇作家・井上ひさしの遺した言葉を、 そして演劇を次世代に繋ぐ
【公開期間】2020年5月27日(水)~2020年7月31日(金)
【受付URL】https://readyfor.jp/projects/komatsuza

◆こまつ座 今後の上演予定
『人間合格』
2020年7月6日(月)~7月23(木・祝)
東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA、 山形、 仙台、 兵庫、 名古屋へ巡演
【演出】鵜山仁
【出演】青柳翔、塚原大助、伊達暁、益城孝次郎、北川理恵、栗田桃子
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公演情報:こまつ座 第133回公演『人間合格』

『私はだれでしょう』
2020年10月9日(金)~10月22日(木)
東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAほか地方巡演予定
【演出】栗山民也
【出演】朝海ひかる、枝元萌、大鷹明良、尾上寛之、平埜生成、八幡みゆき、吉田栄作、朴勝哲(ピアノ奏者)

【公式HP】http://www.komatsuza.co.jp/
【公式Twitter】@komatsuza

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