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藤田俊太郎演出『VIOLET』オフ・ウエストエンド・シアター・アワードで5部門にノミネート

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藤田俊太郎が演出するミュージカル『VIOLET』のイギリス・ロンドン公演が、オフ・ウエストエンド・シアター・アワードで「ミュージカル作品賞」はじめとする計5部門にノミネートされた。本作は、梅田芸術劇場が英国 チャリングクロス劇場と共同で演劇作品を企画・制作・上演する日英共同プロジェクト第一弾。同プロジェクトでは、演出家と演出プランを同じくして「英国キャスト版」「日本キャスト版」を各国の劇場で上演することが決定している。

本作がノミネートされたのは、ミュージカル作品賞、主演女優賞、主演男優賞、助演女優賞、助演男優賞の5部門。2020年1月にはファイナリスト候補が絞られ、翌2月に最優秀賞が決定する。

また、3月12日(火)にはNHK BS1にて、単身渡英し本公演の演出を手掛けた藤田の密着番組を放送予定。以下、藤田の帰国後のコメントを紹介。

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●藤田俊太郎(演出)帰国後のコメント
EU離脱に揺れる1月のロンドン。この国はどちらの方面に向かうのか、英国の混迷が世界中のニュースで報じられました。不安定な空気が漂う中、このミュージカル『VIOLET』は開幕しました。
「When in Rome, do as the Romans do. 郷に入れば郷に従え」。今回、単身渡英をして初めてロンドンで演出をしました。単身の渡英。カンパニーで話し合い、稽古の進行は私の演出プランを、英国の演劇のつくり方で進めることに決めました。ロンドンでの演出は、稽古場からテクニカルリハーサル、プレビューと時間の使い方など、ありとあらゆる過程が、今までの私の経験とは違うものでした。
個人の時間が尊重されているので、休憩の取り方も厳しく決まっている。1週間あるプレビューの間、毎日何ヶ所も修正していきました。直す箇所を発見する度に、俳優とプランナーたちは皆喜んで受け入れてくれました。要となるオープニングとラストを大胆に変更したにも関わらず、むしろ変化を加えることによりカンパニーは結束するのです。私の想像を越えるプランナーの発想と、台本の歌と「言葉」を大事にして真摯に演じる俳優の演技力で、カンパニーが一つになり、作品がどんどん発展していく創作はとても楽しいものでした。
実際のところ、通訳を介して私一人日本人の演出家が存在することで通常の何倍も時間がかかると厳しいことを言われました。現場では「ジカンガナイ(時間が無い)」という日本語が流行ってしまう事態になりました。今振り返ると、たくさんのつらいこと、乗り越えるべきことが山積みで問題も多々ありました。それでも、私のビジョンが具体化するまで待ち続けてくれた主演のカイザ・ハマーランドさん、プロダクション・スーパーバイザーのトム・サザーランドさん、皆さんが助けてくれました。
多くが様々な国の出身でロンドンに演劇を求めてやってきたカンパ二—の皆さん。それぞれの出生や背景を持つカンパニー全員と共同作業で作品をつくりあげたことに心から感謝しています。
初日には160名を超えるロンドンの評論家が来場し、翌日から多くの劇評が世に出ました。その一つ一つが作品を育て、時にメスのように切り裂き、更に作品を豊かなものにしています。また、日本から来ていただいたお客様に大変感謝しています。ありがとうございます。
『VIOLET』のバスは観客とカンパニーが一つになり、毎公演ごとに加速しながら進んでいます。お客様と一緒に激動の1964年のアメリカ南部へ誘う旅、そして、この劇場空間を共有するお客様とカンパニー、一人一人それぞれの旅を乗せて。
この度、「オフ・ウエストエンド・シアター・アワード」に5部門ノミネートして頂きました。多くの方にこの作品を観ていただける喜びを噛み締めています。4月6日までの上演です。ぜひ、チャリングクロス劇場へこの美しい旅を体験しに来てください。

ミュージカル『VIOLET』ロンドン公演は、4月6日(土)までチャリングクロス劇場にて上演。日本では、2020年春に公演が予定されている。

◆藤田俊太郎ロンドン演出密着番組(予定)
3月12日(火)21:00~21:49 NHK BS1

(文/エンタステージ編集部)

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