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マンビィ×堤真一『民衆の敵』開幕!「ハッとさせられる舞台に」

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2018年11月29日(木)東京・Bunkamuraシアターコクーンにて、Bunkamura 30周年記念 シアターコクーン・オンレパートリー2018 DISCOVER WORLD THEATRE Vol.4『民衆の敵』が開幕した。

『民衆の敵』は、“近代演劇の父”とも称されるノルウェーの劇作家ヘンリック・イプセンの代表作の一つで、現代にも通じる社会問題を鮮烈に描いた作品。アメリカではアーサー・ミラーによって翻案され、高い評価を受けたブロードウェイでの上演、スティーブ・マックイーンによる映画化など根強い支持を得ている。

本作の演出をするのはロイヤル・シェイクスピア・カンパニー出身のジョナサン・マンビィ。主演の堤真一は、2年ぶりにマンビィとの2度目のタッグを組む。共演者には安蘭けい、谷原章介、大西礼芳、赤楚衛二、外山誠二、大鷹明良、木場勝己、段田安則らが名を連ねている。

開幕に伴いマンビィ、堤、安蘭、谷原、段田からコメントが届いている。

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◆ジョナサン・マンビィ(演出)
イプセンの名作『民衆の敵』の演出で、こうしてまた東京、Bunkamuraに帰って来ることができてとても嬉しいです。この素晴らしい戯曲、とくに私達が今生きているこのとんでもない時代にぴったりの戯曲を、シアターコクーンで上演できることに喜びを感じています。

この戯曲は、ポスト真実そして“オルタナティブファクト”の時代にまっすぐに語りかけます。これほどまでに国や世界の在り方について考えさせてくれる戯曲はありません。猛烈な興奮のうちにイプセンが書き上げたこの戯曲は、敵対する多数派の闇に対して真実の光をかかげ闘うトマス・ストックマン医師の姿を描いています。このストックマン医師役で本当に素晴らしい俳優である真一さんとまたご一緒できたことはこの上ない喜びです。さらに、才能あふれるキャストのみな様にご参加いただきました。

このプロダクションは、長きに渡る私のコラボレーターである、デザイナーのポール・ウィルスとの2年におよぶ準備とリサーチの集大成です。そして、敬愛する(振付の黒田)育世さん、素晴らしい作曲家の(かみむら)周平さん、“光の詩人”である(照明の勝柴)次朗さんをはじめとする日本の演劇界をリードするアーティストのみな様とまたご一緒できたことは本当に光栄なことです。この素晴らしい作品を日本の観客のみな様に見ていただけることをとても楽しみにしています。この作品のもつ、類い稀な現代との共鳴と力強さを感じていただけることを願っています。

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◆堤真一(トマス・ストックマン役)
他人の意見に惑わされず、自分の頭で考え、判断しているのか。今の日本に生きる僕らにとっても他人事とは思えないテーマに貫かれた戯曲です。「民衆の敵」と糾弾されてしまうトマスが難しいのは、単純な勧善懲悪モノにおける“正義の人”ではない点です。トマスの異常なまでの熱さには稽古しながら青いなとも思いますが、誰にも惑わされずに自分の生き方を貫き通せる人間なんて、現実にはなかなかいませんからね。他人の話をうのみにするのではなく、自分なりの疑問を持つことがすごく大事だと思うんです。ひとかたまりの“民衆”になっていないか、観てる人もハッとさせられる、そんな舞台になればと思います。

◆安蘭けい(カトリーネ・ストックマン役)
舞台での稽古で見えてきたところがたくさんあり、私自身、開幕がますます楽しみになってきました。イプセンの独特の世界観、ストーリーのスリリングな展開、そしてセット、照明が素晴らしく、必ずや楽しんでいたただけると思います。トマスの集会所での演説が見所のひとつとなっているので、皆さんも一人の民衆として、この作品に参加しにぜひ劇場へお越しください。

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◆谷原章介(ホヴスタ役)
『民衆の敵』は、シリアスであればある程笑えて来る、そんな舞台になっていると思います。息もつかせぬ台詞のやり取り、場面転換演出の美しさ、衣裳、美術の耽美な世界をぜひ味わっていただきたいですね。そして、何が正しいのか、誰が正義なのか、もしかしたら観終わった後、観客のみなさんの中に答えはあるのかもしれません。本当の“民衆の敵”とは何なのか、見つけてください。

無事初日を迎え、お客さんの前に立つまで落ち着きませんが、カンパニーとしてよい準備ができたと思っています。5年ぶりの舞台、そして12年ぶりのシアターコクーン、思う存分やり切りたいです。

◆段田安則(ペテル・ストックマン役)
イプセンは19世紀当時からすればずいぶん時代の先を行く戯曲を書いていたと思いますが、この芝居も相当過激だったんじゃないでしょうか。今、世界的に政治は混乱を極めていますし、現代に上演するにはぴったりの作品です。イプセンはなぜ敵対する関係を兄弟間に設定したのかが興味深いですね。完全に決裂しているわけでもなく、兄として弟を思う気持ちもある。また公害の一番の元凶は弟の妻の養父で、つまり家族内で対立構造を完結させているんです。それはなぜか。この作品に近づくヒントになりそうです。

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Bunkamura 30周年記念 シアターコクーン・オンレパートリー2018 DISCOVER WORLD THEATRE Vol.4 『民衆の敵』は、11月29日(木)から12月23日(日・祝)まで東京・Bunkamuraシアターコクーンにて、12月27日(木)から12月30日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。

(撮影/細野晋司)

(文/エンタステージ編集部)

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