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萩尾望都『なのはな』劇団スタジオライフで舞台化!3.11と原発の物語

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2019年2月より萩尾望都の同名漫画を原作に据えた『なのはな』が、劇団スタジオライフにより上演されることが明らかになった。

「なのはな」は、漫画雑誌「月刊フラワーズ」(小学館)2011年8月号に「ここではない★どこか」シリーズの第23話として掲載された作品。東日本大震災とそれによって引き起こされた福島第一原子力発電所事故を題材としている。

【あらすじ】
阿部ナホは福島で暮らしている小学校6年生の女の子。震災の津波でばーちゃんは行方不明のまま。ナホの家は原発の近くだったので避難先へ移り住み、祖父、両親、兄の家族5人で生活している。ある日、ナホは夢の中でばーちゃんと再会する。ばーちゃんのもとへ案内してくれたのは人形を手にした見知らぬ西洋人の女の子だった。あなたは誰・・・?夢の中で二度目に会った時、女の子は、ばーちゃんの使っていた花の種まき機を持っていた・・・。

主演の阿部ナホ役はスタジオライフ公演のほか、外部舞台への出演も多数こなす松本慎也と、声優としても活躍中の関戸博一がК(クークラ)チーム、Ц(ツウェード)チームの二つにわかれ、Wキャストで演じる。

そのほかのキャストは船戸慎士、倉本徹、藤原啓児らに加え、数々の有名CMの音楽を世に送り続けている福島出身の作曲家、明石隼汰をゲストに迎える。舞台化にあたり、脚本・演出の倉田淳よりコメントが届いている。

◆倉田淳(脚本・演出)
ページを開くなり飛び込んで来るチェルノブイリ、フクシマという言葉、そして子どもたち全員がマスクをしている学校風景にドキッとしました。二つの言葉の強さに慄き、子どもたちのマスク姿に打ちのめされた感じがしたのです。そして何故か拒否反応のようなものが炙り出しのように浮かんできました。もしかしたらそれは、どこか当事者から遠いところにいる自分への罪悪感なのかもしれません。3・11の後、ニュースを見ることと募金を見かけての僅かな参加のみしか出来ずにいたことへの情けなさと向き合いたくなかったのだと思います。こんな不甲斐ない自分が『なのはな』に踏み込んでよいものか・・・資格はあるのか・・・今でも心は揺れています。

しかし萩尾先生がフクシマの事故からたった数か月後に「なのはな」を発表されたという事実に突き動かされずにはいられませんでした。そして2012年3月12日に発行された萩尾望都作品集「なのはな」(小学館)のあとがきに書かれた「世界が終わらないように、世界が次の世代に続くように、願っています」という言葉に目が覚める思いがしました。せめて自分に最も可能性のある演劇という形で行動を起こそうと決心させていただいた次第です。今回ゲストで参加していただく明石隼汰さんは福島の御出身で物語の登場人物、石川音寿のモデルの方でした。作品の中で歌われる「ALALAソング」も明石さんの創られた歌です。心強い味方を得て、有難く思っています。大切に舞台にさせていただきます。

『なのはな』は2019年2月27日(水)から3月10日(日)まで東京・東京芸術劇場シアターウエストにて、4月12日(金)から4月13日(土)まで大阪・ABCホールにて上演される。また、4月14日(日)にはイベント「OSE(OSAKA SPECIAL EVENT)」が開催予定。

【公式HP】http://www.studio-life.com/

(C)萩尾望都/小学館

(文/エンタステージ編集部)

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