『ふしぎ遊戯-蒼ノ章-』田中れいな、平野良らによるミュージカル版完結


ミュージカル『ふしぎ遊戯-蒼ノ章-』が、2018年10月13日(土)に東京・全労済ホール/スぺース・ゼロで開幕した。本作は、1991年から「少女コミック」(小学館)にて連載された渡瀬悠宇の大ヒット漫画を原作とした作品。これまでに数度舞台化されており、今回は2016年にミュージカルとして上演された「朱ノ章」の後編となる。脚本・演出・音楽を手掛けるのは浅井さやか(One on One)。初日前日には、公開ゲネプロと囲み会見が行われた。

ミュージカル『ふしぎ遊戯-蒼ノ章-』舞台写真_19

登壇者は、夕城美朱役の田中れいな、鬼宿役の平野良、本郷唯役の宮崎理奈、心宿役の輝馬、星宿役の谷佳樹、柳宿役の宮地真緒、計6名。田中、平野、宮地は「朱ノ章」からの続投となる。

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主人公を演じる田中は「前作は2年前。この2年の間、たくさんの作品に携わらせてもらったので、前より良くなったと言ってもらえるようにしたいです。今回の美朱は、感情の上がり下がりが激しく、難しいと思ったことがたくさんありましたが、早く皆さんに観てもらいたいと思える出来になっているので、たくさんの方に感動を与えられるようにがんばっていきたいと思います」と挨拶。

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平野は、ミュージカル版の前に上演されたシリーズから同役を演じている(2010年版、2011年「朱雀編」、2012年「青龍編」)。足掛け8年の思いを込めながら、「今回は新キャストも多く、新しい作品ですが、今までの想いを乗せている感じがします。新キャストと一緒に、新しいけれど、今まで積み上げてきたものがしっかりと乗った作品にしたいですね。見終わった時に、ものすごい作品を見たなという感想を持っていただけるのでは」とコメントした。

ミュージカル『ふしぎ遊戯-蒼ノ章-』舞台写真_4

同じく、2010年から出演する宮地も「私は、原作の大ファンでした。小学生の頃から大好きだったキャラクターを、ずっと演じられることは幸せなこと。毎日稽古をしていて、毎日新しい発見がありました。『ふしぎ遊戯』は、本当にいい作品だなと、改めて思いました」と感慨深い様子だった。

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初参加となる宮崎は「長く続いている作品に携われて嬉しいです。今までのキャストさんが積み上げてきたものをしっかりと、大事に届けていきたいですし、そこに自分らしい部分も出して、楽しくやっていきたいです」と意気込む。

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同じく初参加の輝馬と谷。輝馬は「約3時間の公演の中に、演技、殺陣、ダンスが濃縮されている盛りだくさんの作品です。いろんな登場人物の感情や物語が重なり合い、それが一つに繋がる。見終わった時には、満足していただける作品になったと思います。千秋楽まで怪我なく、誰一人欠けることのないよう、がんばっていきたいです」、谷は「座組の仲が良く、いい空気の中、稽古を終えられました。キャストの皆で作り上げている一体感が、舞台の上からお客様にも伝わると思います。最後まで、全力でお届けします」と続いた。

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このほかの出演は、松岡卓弥、前田隆太朗、小笠原健、葉山昴、花奈澪、木田健太、薫太、富田大樹、宮川智之、深澤恒太、小島ことり、及川洸、高根正樹、川崎優作、坂本真一、など。

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【あらすじ】
時は現代。夕城美朱は親友の本郷唯とともに、「四神天地書」という不思議な本に吸い込まれてしまった。その先にあった異世界では、それぞれが「朱雀の巫女」「青龍の巫女」としての任務を負い、様々な不幸が重なったことから、二人は対立することに・・・。

美朱側の紅南国は「朱雀」を、唯側の倶東国は「青龍」を召喚し、双方とも3つの願いを叶えようとする。朱雀召喚に必要な「朱雀七星士」を集めた美朱だったが、四神天地書を失い、そのすべをなくしてしまった。だが、玄武の国・北甲国にある神座宝を使えば、朱雀を召喚できるという情報を得た美朱たちは、船で北甲国へ向かうのだった―。

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ミュージカル版としては、本作が完結編となる。朱雀、青龍、共に七星士が集まっている状態から物語が始まるので、原作を知らない方は、軽く前半にあたる部分のあらすじを知っておくと、より物語に没入できるかもしれない。

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ミュージカル『ふしぎ遊戯-蒼ノ章-』舞台写真_3

作品の冒頭から、『ふしぎ遊戯』の世界観を彩っていく音楽とダンス。美朱役・田中の歌声は、安定感抜群だ。少女漫画であり、冒険活劇でもある本作の主人公として、人を想うあたたかい心、迷い、強さを、一つ一つの言葉に乗せていく。鬼宿役・平野も、近年の大舞台を踏んだ経験を経て、さらに深みを増した歌声を聞かせてくれる。二人の情感たっぷりの歌声が重なる瞬間は、まさに惹かれ合う魂の共鳴そのもの。歌声と言えば、心宿役・輝馬の圧倒的存在感。心宿というキャラクターが、美しければ美しいほど、物語の起伏が色濃くなっていく。

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親友を裏切り者と憎む唯役の宮崎からは、これまでの美朱に対する想いが端々から感じられる。思春期特有の複雑な感情を思い出す人も多いのではないだろうか。そして、宮地が演じる柳宿、谷が演じる星宿をはじめ、それぞれのキャラクターが、大切な人に向ける想い。原作で号泣必至だったシーンの連続なので、タオルをお忘れなく。

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アンサンブルが様々な表現を駆使して見せる「四神天地書」の中の世界は、まるで大河ドラマのようだ。子どもの頃、本作に親しんだ人たちは、ときめきの導火線に再び火がつくだろうし、連載当時を知らない人にとっては、新たな1ページをめくることになるかもしれない。ミュージカル版のクライマックスにふさわしい、大作に仕上がっている。

ミュージカル『ふしぎ遊戯―蒼ノ章―』は、10月21日(日)まで東京・全労済ホール/スペース・ゼロにて上演。上演時間は、約2時間50分(休憩15分を含む)を予定。平日公演はアフタートークショーあり。

※川崎優作の「崎」は、「大」の部分が「立」が正式表記

(C)渡瀬悠宇/小学館 (C)amipro

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

 

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