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濱田めぐみ「後悔したくない」『レ・ミゼラブル』新キャスト発表記者会見

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2019年4月から9月にかけて東京、名古屋、大阪、福岡、北海道の5都市で上演されるミュージカル『レ・ミゼラブル』。その新キャスト発表記者会見が、2018年10月10日(水)に東京都内にて行われ、ジャン・バルジャン役の佐藤隆紀、ジャベール役の上原理生と伊礼彼方、ファンテーヌ役の濱田めぐみ、エポニーヌ役の屋比久知奈、マリウス役の三浦宏規、コゼット役の熊谷彩春、テナルディエ役の斎藤司(トレンディエンジェル)、マダム・テナルディエ役の朴ろ美、アンジョルラス役の小野田龍之介が登壇した。

「レ・ミゼラブル」は、フランスの小説家ヴィクトル・ユゴーが自身の体験をもとに、19世紀初頭のフランスの動乱期を、当時の社会情勢や民衆の姿を克明に描いた大河小説。ミュージカル版は、1985年のロンドン公演に始まり、日本では1987年6月以来、3172回(2018年10月時点)と上演回数を重ねてきた。

会見では、2019年公演が初参加となるプリンシパルキャストが、1万を超える応募の中から選ばれた約300名のオーディエンスの前で、初お披露目となった。

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ジャン・バルジャン役を射止めた佐藤は、国立音楽大学卒業後、ヴォーカル・グループ「LE VELVETS(ル・ヴェルヴェッツ)」のメンバーとして活躍し、現在はミュージカル『マリー・アントワネット』に出演中。

佐藤は「伝統ある作品に出演させていただけることを誇りに思います。いつかやってみたいと、ずっと心にあった役ですが、まさかこんなに早く合格をいただけると思っていなかったので、今とても焦っています。スキルと内面が伴うよう、自分と向き合って成長して参りますので、どうぞ楽しみにしていてください」と挨拶した。

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ジャベール役の新キャスト・一人目の上原は、東京藝術大学卒業後、2011年のオリジナル演出版『レ・ミゼラブル』のアンジョルラス役としてデビュー。今回は、役を替わっての出演となる。

上原と言えば、『レ・ミゼラブル』以外にも、ミュージカル『スカーレット・ピンパーネル』(2017年)『1789-バスティーユの恋人たち-』(2016年、2018年)など、“革命家”の役を多く演じてきた。それを「今までたくさん革命をしてきた私が、今回は革命を鎮圧する側に回ります。二幕冒頭でジャベールが歌う『昔は俺も戦った』という歌詞に、説得力をもたせられると(笑)」と引き合いに出しながら、「アンジョルラス役を2017年にやらせていただいた時、次もやってしまったら、自分の中では『too much』という思いがありました。あぐらをかきたくないと思い、違う役に挑戦させていただきました」と役を替わることへの心境を説明した。

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ジャベール役の新キャスト・二人目の伊礼は、ミュージカル、ストレートプレイ、朗読劇などジャンルを問わず活動。現在は『ジャージー・ボーイズ』にトミー役として出演、2019年1月には音楽活劇『SHIRANAMI』への出演が控えている。

ジャベール役は「初めてこの作品を観た時、衝撃を受けいつかはやりたいと思っていた役」だそうで、以前、CDで村井國夫が歌う本作の楽曲を聞いた際に「村井さんの歌声にものすごく芝居を感じたんです。自分の中で、ミュージカルの中でも芝居を大事にするという思いを持っているのですが、村井さんの歌声を聞いて『こういう役者になりたい』と思いました」と憧れを明かした伊礼。そんな真面目な思いの中に「今、自分が持っているワイルド感、イケメン感、悪役感と、培ってきた引き出しを駆使して挑みたいなと思っています」と、ユーモアを混ぜつつ意気込んだ。

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そして、「私自身もそうですし、皆さんも『えっ!まさかはまめぐが!?』と驚かれたと思うのですが・・・」と切り出したファンテーヌ役の濱田。在籍していた劇団四季では『ライオンキング』『アイーダ』『ウィキッド』と日本初演3作品でヒロインを演じ、退団後も『メリー・ポピンズ』(2018年)の日本初演、新感線☆RS『メタルマクベス』disc1などで鮮烈な印象を残し続けてきた濱田が、満を持して『レ・ミゼラブル』に出演を果たす。

語られたのは「自分にはチャンスや出会い、きっかけがなくて、この作品は観る側として楽しむものだなと思っていたのですが、改めて自分と向き合った時、天国に行く時に後悔したくない、これを逃すとたぶん後悔しながら舞台に立ち続けることになると思い、最後のチャンスとしてオーディションを受けさせていただきました」という作品への強い思い。

「いろいろな役をやらせていただきましたが、また新たに、自分の転換期になっていく作品だなと思っています。ファンテーヌは、革命の中で翻弄されながらも、子どもを第一に考える母親です。自分の中の母性を、憧れだった作品の中でどう表現できるか。今まで経験した役や自分の人生すべてをかけて、心から役を愛し、深く大切に演じていきたいと思います」と言葉を続けた。

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エポニーヌ役に抜擢された屋比久は、2017年3月に公開されたディズニー・アニメーション映画『モアナと伝説の海』日本版でヒロイン・モアナ役の吹替を務め、その主題歌も歌唱しデビュー。現在は、ミュージカル『タイタニック』に出演中だ。

「小さい頃から知っていた作品で、昨年初めて生で観劇することが出来、出てみたいと強く思ったのがオーディションを受けさせていただいたきっかけでした。歴史ある素晴らしい作品に出演させていただけることが嬉しく、光栄に思うと同時に、選んでいただいたという責任も強く感じています。劇場で皆様とお会いできる時には、今よりも何倍も成長した姿でお会い出来るよう、がんばっていきたいと思います」と笑顔を見せた。

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マリウス役の三浦は、ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン、ミュージカル『刀剣乱舞』など、2.5次元作品で人気を博してきた。今回『レ・ミゼラブル』オーディションには初参加。2019年の上演では、弱冠二十歳で本役を演じることになり、マリウスを演じたキャストの史上最年少記録を更新する。

「この作品を初めて観させていただいた時、とても感動し、もう一回チケットを取ったんです。さらにもう一回観たかったのですが、チケットが取れず叶わなくて・・・。二度観ながら『これを演じることが出来たら幸せだろうな』と思い、挑戦の意味でオーディションを受けさせていただきました。オーディションでは、マリウスの感情と同じものが自分の中にあるのに、技術が伴わず表現しきれなくて、泣きそうになるぐらい『出来なかった』と思ったのですが、選んでいただけました」と三浦。

「ずっと憧れていたこの作品に、自分が出られること、今こうして話していることも夢のようです。経験も浅く未熟な自分ですが、出来ることをすべてマリウスに注いで、素晴らしい作品の中でマリウスとして生きていきたいと思います」と真っ直ぐ前を見つめる。

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コゼット役の熊谷も、今回オーディション初参加で抜擢。来春に高校を卒業し、大舞台へと挑む新星だ。『レ・ミゼラブル』は、父親の転勤先であったイギリスで、3歳頃に初めて観劇したそうで、「家のソファを舞台、毛布をフランス国旗に見立てて、レミゼごっこをしていました」とかわいらしいエピソードを披露。「素晴らしい大先輩の方々からたくさん学び、全力でコゼットを演じたいと思いますのでどうぞよろしくお願いいたします」と目を輝かせていた。

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そして、こちらも驚きの選出となったテルナディエ役のトレンディエンジェル斎藤。直近では、アイドルグループ「吉本坂46」のメンバーにも選ばれるなど、歌唱力とダンスを武器に活動の幅を広げ、ついにミュージカルにも進出する。

「今回、コゼット役をいただいたということで・・・」と切り出す斎藤に、周囲からは「違う違う(笑)!」と総ツッコミが入る。「大先輩の方々に囲まれて、今、歯が痛い状態です。常々、仕事が自分を成長してくれると思っていまして、いつかミュージカルをやってみたいという思いから、(オーディションを)受けさせていただきました。責任重大で、今の自分には見合っていないと分かってはいるのですが、とにかく、がんばります!」と冗談を交えながらも、真摯な気持ちを吐露。

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マダム・テナルディエ役の朴は、声優として『鋼の錬金術師』『BLEACH』『進撃の巨人』などで確固たる地位を確立してきた。本格ミュージカルには、これが初挑戦となる。「40代半ばで、ミュージカルに初挑戦することになるとは。自分に期待しつつ、新たな扉が開くような作品にしたいと思います。歌には苦手意識があったのですが、オーディションでは、緊張のあまり、逆に『思うがままやればいいんじゃないか』とスイッチが入りました。(オーディション会場の)扉を出た瞬間、号泣してしまったことを覚えています」と経緯を振り返った。

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8歳でミュージカルに出演してから着実に経験を重ね、現在は『タイタニック』(2015年、2018年)に出演、そして次回作には『ラブ・ネバー・ダイ』も控える小野田。『レ・ミゼラブル』にはアンジョルラス役として初出演となるが、「どの作品よりも観ていると思いますし、音楽も聞いていると思います」と作品愛たっぷり。

オーディションを初めて受けたのは15歳の頃で、「その時、最終選考まで残れたのですが、『小野田くんはよくがんばっているけれど、まだ若いから20歳を過ぎてからもう一度受けに来なさい』と言われまして。そこからなかなかタイミングがなく、観る側に徹していました」と明かす。

再びオーディションに臨むきっかけは、『ミス・サイゴン』に出演していた際に海外スタッフからかけられた「レ・ミゼラブルには興味はないの?」という一言。「何役が合っていると思うかと聞いたら、その方に『どの役が好きなのか?』と聞かれ、ぱっと出てきたのがアンジョルラスだったんです。自分が携われることが、まだちょっと信じられないのですが、初演からたくさんの俳優さんが演じてこられたエネルギーを絶やすことがないよう、観て感じたことだけに縛られないよう、一つ一つ丁寧に作り、本番で皆様とお会いしたいと思います」と笑顔で語った。

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会見では、オーディションの過程も、出演者たちの言葉から垣間見えた。佐藤が、ジャン・バルジャン役について「僕が今まで経験した中で、技術的にも一番難しい役だと思います。特に、ジャン・バルジャンは高音を出すところもあり、感情と技術のバランスが難しかったというのが印象的です。音大を出ていると、技術に走ってしまうところがあるのですが、“伝える”という意識を持たないとミュージカルでは意味がなくなってしまうので、その点を研究し突き詰めていきたいです」と語ると、同じ音大卒の上原は「分かる~!」とのけぞって同意(ちなみに、上原はジャベール役とジャン・バルジャン役の2役でオーディションを受けていたそう)。

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伊礼が「いろんな要求を受けながら歌っていたら、50分くらい経っていました。『ジャベールの自殺』を歌った時に、演出の方に『いろんな彼がようやく開放される喜びの音を出してみて』と言われたんです。その場で言われたことを、どれだけシンプルかつ直感的に出来るか、その瞬発力を見られたかと思います」とオーディションを振り返ると、濱田も「テクニック的には、地声、裏声、とにかく細かい指示がきました。私が印象的だったのは、『悲しみの中に嘆きを入れて、いろんな種類の感情を混ぜて歌ってくれ』と言われたこと。人は笑いながら泣いている瞬間もあるものなので、リアルに一番近いものを求められた気がします」とコメントした。

斎藤は、「オーディションに関わるスタッフさんの人数が『あらびき団』の10倍くらい居て、『嘘だろ?』と思いました(笑)」「歌に感情を乗せて歌ったら『フリースタイルダンジョン』になってしまって」と独自の観点から驚きと苦労を語り、笑いを誘った。

驚きのエピソードが飛び出したのは小野田。課題曲として「ABC Cafe(ア・ベ・セー・カフェ)」の後半からの譜面を渡されていたそうだが、「会場に行ったら『(ABC Cafeの)頭から譜面を渡していると思いますが』という話になったんです。音楽監督の方から『(渡して)ないけど、いけるよな?』って言われて(笑)。見事に歌詞が出て、自分は本当にこの作品が好きなんだなと。俺、ミュージカル好きで良かったなと思いました!」と、改めて作品への愛をほとばしらせた。

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ミュージカル『レ・ミゼラブル』は、2019年4月15日(月)から5月28日(月・祝)まで(4月15日から4月18日はプレビュー公演)東京・帝国劇場にて上演される。その後、名古屋、大阪、福岡、北海道を巡演。日程の詳細は、以下のとおり。

【東京公演】2019年4月15日(月)~5月28日(月・祝) 帝国劇場
※4月15日(月)~4月18日(木)はプレビュー公演
【名古屋公演】2019年6月7日(金)~6月25日(火) 御園座
【大阪公演】7月3日(月)~8月26日(月) 梅田芸術劇場メインホール
【福岡公演】7月29日(月)~8月26日(月) 博多座
【北海道公演】9月10日(火)~9月17日(火) 札幌文化芸術劇場hitaru

なお、名古屋・御園座ではこれが『レ・ミゼラブル』初上演、北海道公演は1990年以来約30年ぶりに行われる。

※朴ろ美の「ろ」は王へんに路が正式表記

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

(文/エンタステージ編集部)

ミュージカル『レ・ミゼラブル』

作品情報ミュージカル『レ・ミゼラブル』

全世界で興行収入記録更新中の"ミュージカルの金字塔"

  • 公演:
  • キャスト:福井晶一、吉原光夫、佐藤隆紀、川口竜也、上原理生、伊礼彼方、知念里奈、濱田めぐみ、二宮愛、昆夏美、唯月ふうか、屋比久知奈、海宝直人、内藤大希、三浦宏規、生田絵梨花、小南満佑子、熊谷彩春、駒田一、橋本じゅん、KENTARO、斎藤司、森公美子、鈴木ほのか、朴璐美、相葉裕樹、上山竜治、小野田龍之介、ほか

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