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佐藤永典インタビュー!デビューからの10年を振り返る「がむしゃらだったあの頃は僕の財産」

俳優として、デビュー10周年を迎えた佐藤永典。このアニバーサリーイヤーを記念して、自身の誕生日にカレンダーを発売し、記念イベントを行った。2008年にミュージカル『テニスの王子様』財前光役でデビューし、映画『君へのメロディー』(主演)、『ライチ☆光クラブ』『帝一の國』、『GANTZ:L』『男水!』など、映像・舞台と、様々な作品に出演し、経験を積んできた佐藤。

カレンダーに収録された今の姿と、これまでの10年を振り返る言葉の中から、佐藤永典の“今“を探った。

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――まずは、29歳のお誕生日を迎えられたということで、おめでとうございます。

ありがとうございます。

――そして、デビュー10周年ということでダブルでおめでとうございます。今回は、発売されたカレンダーを拝見しながら、今の佐藤さんのお話を伺えたらと思います。いろんなお姿の佐藤さんを見ることができますね。

久しぶりにカレンダーを出させていただけることになったので、普段はあまりお見せしない雰囲気や“今”の自分を見せられたらと思って作りました。

――撮影は楽しかったですか?

そうですね。衣裳や髪型をいろいろと工夫していただいたり、いろんな表情を引き出していただいたりしたので、普段はあまり見られない僕の姿を12ヶ月かけて見ていただけると思います。

――スーツ姿とか、レアですよね。

ほとんど、着る機会ないですからね~。あ、でも、オーディションに着ていくこととかはあるんですよ。でも普段着てるかと言ったら、まったく着ない(笑)。

――でも、スーツの似合うお年頃になってきましたね(笑)。写真というのは、役を演じるのとはまた違った表現だと思いますが・・・。

表現という意味では、写真って一番分からないものだったりするんです。作品関連の撮影では、役として撮っていただくことが多いですし、作品を作る一部としてあるものが多いですし。自分だけで作品が成立する機会はあまりないので。表現という意味では、ツールとしてブログを持っていますが、文字で書いて伝えるのともまた違う。そうそうない機会だったので・・・ちょっと緊張しながら撮っていただきました(笑)。

――題材がご自身の“作品”ですからね。

お芝居だったら「こうしよう」とか、イベントだったら「こうしゃべろう」とか、いろんなアイデアはあるんですが、写真で“自分”を表現することって、一番難しんじゃないかと思いました。だから、このカレンダーを買ってくださった皆さんがどう見てくださるのか、予想がつかないんです!どの月が一番お気に召しますかね?自分では、照れくさかったなとか、思い返すことはあるんですけど。

今、自分を応援してくれている方たちが、どんな自分を好いてくださるのか気になっています。もちろん、常々全部好きだと言ってくださる方も多くて嬉しいんですが、その中でもどれなんだろう?と・・・。皆さんがどう受け取ってくださっているのか、興味があります。

――佐藤さん presents「どの佐藤さんがいいですか?」ということで、購入された方は、ぜひ佐藤さんに感想を寄せてほしいですね。

ぜひ!お待ちしています!!

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――佐藤さんがデビュー10周年と伺って、もうそんなに経ったんだ・・・!びっくりしたのですが、改めて、この10年を振り返るとどんなことが印象に残っていますか?

ね~、もうそんなですよ。やはり、デビューさせていただいたミュージカル『テニスの王子様』は僕にとって大きかったですね。テニミュがスタートで良かった、と思っています。最初は何も分かっていなくて、ただがむしゃらで。怒られて、がんばって、でも出来なくて、の繰り返しでした。今の自分は「お金をいただく者としてそれはどうなのか?」と感じることもあるんですが、だからこそ、今は「足を運んでいただくからには、初日から良いものを」と強く思っています。

まるで部活のようなスタートでしたけど、一生懸命がむしゃらだったあの時間があったことは、僕の財産だなと。テニミュと出会っていなかったら、もしかしたら今まったく違う景色を見ていたかもしれませんし。10年経って、改めて役者人生のスタートがテニミュで良かったなと思っています。

――そんながむしゃらだった佐藤さんが、役者として何か“掴んだ”と思ったタイミングはあったのでしょうか?

テニミュが終わって3年ぐらい経った頃、ほさかようさんが脚本、北沢秀人さんが演出された『遠ざかるネバーランド』(2011年)という作品に出させていただいた時に、思うところがありました。うまくできるようになったという意味ではなくて、もちろん、その頃もいっぱい怒られていたんですけど・・・。

――どんなことを感じていたんでしょう?

自殺を止める男の子の役を演じさせていただいたんですが、稽古の中で「今の自分じゃ止められない」と思っちゃったんです。「なんでそう感じたんだろう?」と考えた時に、相手の役者さんとの台詞をどうやりとりするか、どう言ってもらえたら動けるのか、台本に書いてあること以上にどう伝えたら思いが届くのか、自分なりに必死に追求していった結果、初日の舞台の上で手が震えてしまったんですね。

そんなことは初めてだったんですよ。「なんで震えたんだろう?」とまた考えたところで、自分の中に「怖い」という感情があることに気づいたんです。そんな感覚を得たのはこれまた初めてだったので、演じるって「楽しいな」と思いました。同時に「もうやるのが怖いな」とも思いました(笑)。

――それは、得難い経験でしたね。

でも、終わった後に演出の北澤さんから「あれはわざとだったの?」と聞かれて、思わず「すみません!」と謝ってしまったんです。大げさだと怒られるんじゃないかと思って・・・。でも、それを否定されるのではなく「いい」と言っていただけたことで、自分の中で何かが変わった感じがしたんです。それが「掴んだ」ということだったのかな。これが芝居だと分かったとか、大それたことを言うつもりはないんですが、一つの大きな転機だったと思います。

――佐藤さんは、規模の大きな作品から小劇場、そして映像とバランス良くご出演されていますよね。様々なジャンルの作品にご出演されるのを見ていて、ここ数年“伝える”力が一層強くなったように感じました。個人的に印象に残っているのは『孤島の鬼―咲きにほふ花は炎のやうに―』(2017年)だったのですが・・・。

そんな風に言っていただけてとても嬉しいです。『孤島の鬼』で、ああいう作品が好きだと思うようになりましたね。ほぼ出ずっぱり、気持ちを伝えると同時に、言葉も伝えなければいけないことを強く意識していたんですよ。それから、座組として年下の方が増えてきたので、年長者としてどうすればいいかも考えました。あの作品もまた一つの転機でしたね。

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――ここまでたくさんの出会いがあったと思いますが、佐藤さんに影響を与えた方というと、どんな方のお名前が挙がりますか?

たくさんいますね。たくさんいすぎて。中でも大きかったのは『危険な関係』(2017年)で出会った方々ですね・・・。演出家のリチャードさん(リチャード・トワイマン)の作品作りのやり方はとてもおもしろかったですし、玉木宏さんや鈴木京香さんや千葉雄大さんとテレビを主軸としている方、そして舞台を中心に活躍されているスターの方々と、いろんな分野の第一線で、常に多くの視線を浴びながら戦っている人たちの近くで学ぶことができたのは、大きな経験でした。

もちろん、どんな立場の人でも毎日稽古をする繰り返しは同じなんですが、舞台に立った時の空気感とか、なかなか言葉では言い表せないすごさを感じちゃったんですよ。なんなんでしょうね、あの立っているだけで感じる強さは・・・。僕も、僕なりにやれることをがんばってきたつもりだったんです。でも、やっぱりその背中は大きかった。稽古も本番も楽しかったけど、役者としては、こういう人たちと戦っていかなければならないんだということを強く感じましたね。

――規模の大きな作品に出演する機会を得たことで、気持ちの変化もあったのでしょうか。

作品に大きいも小さいもないんですよ。もちろん、売れたいという思いはあるけど、どんな作品でも向き合う気持ちは変わらないです。最近出演させていただいた、劇団イヌッコロさんの『いえないアメイジングファミリー』は、どうしても出たくてやらせていただいたんですね。小劇場だからこそ、お客さんの反応がダイレクトに分かるので、笑いが取りたくて悩みました。悩んで悩んで、公演期間の最後の方でやっと掴めた感じがしました。大変だったけど、楽しかったなあ。

観てくださった方に「いいな」と思ってもらえた分だけまた観てもらえる可能性が増えるし、知ってもらえたらもっとたくさんの作品に出られるようになるかもしれない。年齢を重ねる中で、そういう欲は強まったように感じています。もともと、知ってもらいたいという思いはあるし口にもしていたので、皆さんから見たらあまり変わっていないかもしれないけど(笑)。

――後輩もたくさん増えてきたと思いますが、佐藤さんは先輩にかわいがられているイメージがあります。

お世話になっている方は本当にたくさんいて・・・。最近だと、佐野大樹さんとか、めちゃめちゃお世話になっています。お兄さんの佐野瑞樹さんとやっているWBBの公演では、ゼロからのモノづくりを間近で見せてもらえて、勉強になりました。何かを「創る」ことへの熱意も、大変さも、僕のような俳優はなかなか分からない部分だったりもしますから。時々、愚痴を聞くこともあるけど(笑)。何かをずっと続けていくことの大切さも難しさも、先輩方に教わっていますね。

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――10周年という節目を迎えて、これから目指したい将来像などはありますか?

最近、すごく頭で考えるようになったと思うんです。いろんなことを勉強するようになったからというのもあると思うんですが、考えること自体が好きになりました。一方で、直感で勝負している人を見るといいなとも思うんです。昔はそういう部分も自分の中にあったと思うので、頭で考えつつ、突っ込んでいく勢いも大事にしたいですね。

それから、年齢を重ねれば重ねるほど、人との出会いに感謝するようになりました。応援してくださる皆さんがいなければ、ここまで来れなかったと思うし。そういう気持ちを糧にして、もっともっと皆さんを喜ばせられるようなことをやっていけたらいいなと思います。

――来年はいよいよ30歳です。ちなみに、想像していた30歳と今の佐藤さんは近いですか?

いや、全く違いますから(笑)!もともと理想は程遠いものだったりするのかもしれないけど。叶えたい夢がまだまだあります。辞めてしまう方もいたりしますが、僕の周囲の方からは「30代は楽しい」って聞くので、楽しみでもあり。

・・・何か変わるわけでもないのかなと思っちゃってる自分もいるんですけどね(笑)。でも、先輩からは「節目の時は何か目標があった方がいいよ」とアドバイスいただきましたし、自分の中にも少し考えがあるので、それをはっきりさせていきたいなと思っています。売れるとかそういうことではなく、自分として、もう一歩進める何かを見つけたいです。

――30代の佐藤さんの行方、楽しみにしています。最後に、ファンの方へメッセージをお願いします。

皆さん、ありがとう!感謝ばかりです。皆さんのおかげで、僕は立っていられるなと本当に思います。応援をしてくれる方がいなければ、こうしてカレンダーを出すこともできないし、役者として認めてももらえない。悔しいこともあるけれど、皆さんがいるからがんばることができます。その思いは、10年経ってより強くなってきました。ずっと好きでいてください、なんて(笑)。僕も皆さんを喜ばせることを一つでも多くできるように、がんばっていきたいと思います。

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◆佐藤永典カレンダー2019.4-2020.3 発売中!
【価格】3,000円+税
【仕様】A5判(横148mm×縦210mm)卓上ケース入り、15P
【発行】SDP

【カレンダー特設HP】
http://www.stardustpictures.co.jp/book/2019/hisanori_calendar2019.html

(C)SDP

(文/エンタステージ編集部)

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