Dream Streamで卒業!ミュージカル『テニスの王子様』阿久津仁愛インタビュー「リョーマはライバル」

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ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンを締めくくるミュージカル『テニスの王子様』コンサートDream Live 2020(通称:ドリライ)は、コロナ禍で残念ながら中止となってしまった。その変わりに始動したのが、テニミュ3rdシーズンをファンとキャストで振り返る企画「みんなで繋がる!テニミュ3rdシーズン ファイナルロード」。

この最後を飾るミュージカル『テニスの王子様』Dream Streamが、11月15日(日)にいよいよ配信される。本来ドリライで実現したかった20曲以上の楽曲を詰め込んだ卒業メモリアル映像について、そして、3rdシーズンの振り返りやテニミュへの想いを、越前リョーマ役を演じた阿久津仁愛に語ってもらった。

――残念ながら、ドリライは中止となってしまいました。これを知った時は、どんな心境でしたか?

率直に悔しかったです。中止と聞きはしたんですが、コロナの問題が明日には解決しているかもしれない、という気持ちがどこか自分の中で捨てきれなくて・・・。万が一、できるようになった時のために、できることはしておこうと思っていました。前向きに考えようと思ったけど、お風呂に入っている時とかは気持ちが沈んで悔しくなりました。

――自粛期間中、テニミュの曲を聴いたりしましたか?

めっちゃありました!毎日テニミュの曲を聴いていたかも。「THE TOP」とか、(全国大会 青学vs立海)後編公演の「ポジティブシンキング」とか。夜に曲を聴いたり、DVDを観たりしていたんですけど、そうするとステージに立っている自分を想像しちゃって、眠れなくなっていました。

それから、「おうちでテニミュ」の配信とかも観て、元気をもらっていました。コメント欄が本当におもしろくて、その時はコメントの方を中心に見ていたぐらい(笑)。自粛中も、テニミュに元気をもらっていましたね。

――「みんなで繋がる!テニミュ3rdシーズン ファイナルロード」では、ファンの方々からの投票で配信作品を決めるという企画が行われていますが、阿久津さんが観たいな、観てほしいなと思っている公演をお聞きしてもいいですか?

「全国大会 青学vs氷帝」公演の試合は丸々最高だと思います!当時は足もボロボロで、部活で必死に練習しての試合みたいでした。大千秋楽では、力が入りすぎちゃった気もするんですけど、自分らしいと思いますね。

でもやっぱり一番は最新の公演かな。「全国大会 青学vs立海後編」公演で、自分で観てもかっこいいと思えたシーンが一つあって。

――どんなシーンでしょう?

幸村との試合で、周りが「未来へ続くどこまでも~♪」と歌っている中で、「ゲームセット、越前!」と告げられたあと、リョーマの顔が一瞬アップで映っていたんですよ。それは、天衣無縫で無邪気になりつつも、振り返って幸村を目で捉えた瞬間、戦いの顔に変わる・・・という瞬間だったんですが、いい意味で“僕の顔”に見えなくて。純粋に、自分を観ているのではなく、「リョーマかっこいい!」と思ったんです。その瞬間を、ぜひたくさんの方に観ていただきたいですね。

(リョーマを演じることに対して)最初は探り探りで、表現も定まらなかったんですが、公演を重ねるごとにスキルアップもできたし、表情もよくなっていったと思います。配信作品を決める投票でどの公演が選ばれても、そういうところを観てもらえたらと思います。・・・本当は、ドリライでリョーマの一番“かっこいい瞬間”を更新しようという気持ちだったんです。だから、Dream Streamにはその思いを込めました。

――Dream Streamの制作が決まった時の心境は?

ドリライは中止になってしまったけれど、映像で今までの曲とドリライでやる予定だった曲を制作していただけると聞いた時は本当に嬉しかったです。2ndシーズンのPVコレクションをよく見ていて「かっこいいな」「いいな」と思っていたので、映像作品としても自分たちの姿を残せるのは嬉しいと思いました。

でも、映像はお客さんの反応がないので難しい部分もありました・・・。青学(せいがく)は学校でロケをしたんですが、そこには部活中の生徒さんたちがいたんです。彼らに見られていたのが、やる気になりましたね(笑)。

――そんなところにお客さんが(笑)。撮影はどのように行われたんですか?

ロケのほかにも、ドローンを使ったり、CG用の撮影もありました。(取材時)僕もまだ観ていないので、完成形がどうなるのかすごく楽しみです。それから、TDCホール(TOKYO DOME CITY HALL)でも撮影をしました。楽しかったなあ。久々のTDCホールで、テニミュのリョーマとして立つのは最後だと思いつつも今までと変わらないことをしていたのが、自分の中でグッときましたね。

――撮影で、青学(せいがく)メンバーにも久しぶりに会いましたよね。

「Thank-you Festival 2020」ぶりだったので、めちゃくちゃ久しぶりでした。自粛期間中寂しかったのもあって、会えた時はとても嬉しかったです。撮影中、懐かしさで盛り上がったり、でもドリライじゃないから・・・って寂しくなったり。複雑でしたね。

複雑でしたが、これが僕たちの卒業の形なので、チームとしてすべてを賭けました。残念ながら全校が集まる機会はなかったんですけど、青学(せいがく)として、完全に「卒業」という気持ちで力を出し切りました。疲れきるぐらい、みんな全力でした。

――阿久津さんとしては、リョーマとして過ごす最後の機会だったと思いますが、どんな思いでしたか?

率直に言うと・・・リョーマが遠い存在になっちゃうようで、実家から離れるみたいな寂しい気持ちでした。チームのみんなとは毎日一緒に過ごして、家族くらいの距離感になっていましたし、この関係がなくなると思うと「嫌だ嫌だ」ってなる気持ちもあって。だから、撮影に行く前や移動中から寂しさを感じていました。

それでも、撮影で舞台上にいる時は、絶対にそういう気持ちは見せないようにしようと決めていました。ドリライ2018や「青学vs比嘉」公演の時とか、泣くつもりはなかったのに舞台上で不思議と涙が出てしまったことがあったんですけど。でも、今回はお客さんの方がドリライを楽しみに待ってくれていて、なくなってしまって悲しいだろうし、ここで僕が泣くのは違うなという思いがあったので。

――では、泣かなかった?

それが・・・、泣いてしまったんですよ(笑)。最後の撮影で、みんな泣いていて。清々しい気持ちで終わりたいから僕は泣かないぞって思っていたんですが、撮影が終わってスタッフさんにありがとうございましたって言った瞬間・・・ダメでしたね。でも、清々しかったです。

――3年半リョーマを演じてこられましたが、阿久津さんにとってリョーマはどんな存在ですか?

憧れ、です。舞台上にいる時にはそういうことは意識していませんでしたが、普段は追いつけない存在だと思っています。あんなに生意気なのに、誰も文句が言えないくらいテニスのセンスがあって、強い。リョーマみたいに、僕はお芝居で感情を伝えられるようになりたい!って、ずっと思ってきました。

僕にとってのリョーマは・・・ライバル、みたいな感じなのかな。リョーマに手が届かないと思うと悔しくなりますし、追いつけない存在だけれどいつか自分として勝ちたい。そう・・・ライバル。ライバルって言えるような自分でいたい、と思う存在です。

――改めて振り返って、テニミュから学んだことは?

全部です。阿久津仁愛が誕生したのはテニミュのおかげですね。真ん中に立つ存在を経験させていただいたので、プレッシャーに強くなったと思います。皆さんの目にはどう映っていたのかな。自分で自分の成長や変化を感じるってなかなか難しいんですけど、舞台に立っている時の存在感やオーラは自分でも見えるようになってきましたね(笑)。

稽古も公演も、本当に楽しかった。振り返ると、楽しい記憶が一番に出てきます。初舞台で、技術としては足りないことがたくさんあって、熱量を込めてやってきたけど座長として引っ張れたかは分からないんですけど。みんなにお前がセンターでよかったって思ってもらえるように、みんなに認めてもらえるように必死でがんばったことは財産です。

――阿久津さん、109の巨大広告の時から、短時間でずいぶんとお顔つきが変わったような気がするんですが。

(ミュージカル『テニスの王子様』渋谷に巨大広告!阿久津仁愛「ドリライは集大成」: https://enterstage.jp/wp/news/2020/04/014446.html

本当ですか?眉毛を整えたからかな(笑)。実際にDream Streamを撮り終えた瞬間、すごく達成感がありました。Dream Streamの完成を観たら、きっとまた変わると思います。だから、今はきっと、3段階ある進化の2段階目です。

――阿久津さんもテニミュも、新展開へ!ですね。テニミュは、ミュージカル『新テニスの王子様』の初舞台化や4thシーズンも発表されました。

新テニミュも4thシーズンも、どっちもめちゃくちゃ気になりますね~!発表された時は、やっぱり複雑で(笑)。テニミュは、絶対に成長させていただける場なので、次のリョーマを演じる方には僕と同じような気持ちでがんばってほしいです。一人ではできないけれど、きっと仲間が支えてくれます。

――以前「客席からテニミュを観たい」と言っておられましたが、新テニミュや4thシーズンは観に行きますか?

絶対に観に行きます!でも、ちょっと一人では行けない気がするので、共に戦ってきたキャストのみんなと観に行けたらいいな。「キャラが動いてる!」って感動するんだろうなあ。僕、初めて生でテニミュを観たのがドリライ2016だったんですよ。その時、めちゃめちゃ感動したのを覚えているので、またあの感覚を味わえそうで楽しみです。あの時以上にテニミュを知ってしまっているけれど、新しい方たちにはその人らしくいてほしいからアドバイスとかはせず、純粋に「すげ~!」って感動したいです。

――Dream Streamを楽しみに待っている方に一言メッセージを。

僕も完成を観るのがすごく楽しみです。映像で卒業するのは新しい試みだと思うんですけど、絶対に満足していただけるものになったと思います!それは自信を持って言えますので、楽しんでご覧ください。

作品情報

「みんなで繋がる!テニミュ3rdシーズン ファイナルロード」

【第3弾】全国大会上位3作品を配信
10月25日(日)~10月31日(土)全国大会3位作品配信
ミュージカル『テニスの王子様』15周年記念コンサートDream Live 2018
11月1日(日)~11月7日(土)全国大会2位作品配信
11月8日(日)~11月14日(土)全国大会1位作品配信

11月15日(日)~11月21日(土)ミュージカル『テニスの王子様』Dream Stream配信
10月25日SUPERLIVE by OPENRECにて配信チケット発売!

【原作】許斐 剛『テニスの王子様』(集英社 ジャンプ コミックス刊)
【価格】4,950円(税込) ※別途システム/決済手数料450円が必要
【配信元】SUPERLIVE by OPENREC
https://www.openrec.tv/user/tennimu
ミュージカル『テニスの王子様』Dream Stream

【原作】許斐 剛『テニスの王子様』(集英社ジャンプコミックス刊)

【出演】
<青学(せいがく)>
越前リョーマ役/阿久津仁愛、手塚国光役/青木 瞭、大石秀一郎役/江副貴紀、不二周助役/皆木一舞、菊丸英二役/田口 司、乾 貞治役/竹ノ内大輔、河村 隆役/岩田知樹、桃城 武役/大久保 樹、海堂 薫役/中島拓人、堀尾聡史役/琉翔、加藤勝郎役/中三川歳輝、水野カツオ役/奥田夢叶

<立海>
幸村精市役/立石俊樹、真田弦一郎役/田鶴翔吾、柳 蓮二役/井澤巧麻、仁王雅治役/後藤 大、柳生比呂士役/大隅勇太、丸井ブン太役/大薮 丘、ジャッカル桑原役/川﨑優作、切原赤也役/前田隆太朗

<四天宝寺>
白石蔵ノ介役/増子敦貴、小石川健二郎役/安東秀大郎、千歳千里役/江本光輝、金色小春役/森田力斗、一氏ユウジ役/谷津 翼、忍足謙也役/千田京平、石田 銀役/森 一平、財前光役/廣野凌大、遠山金太郎役/平松來馬、渡邊オサム役/碕 理人

<不動峰>
橘 桔平役/青木空夢、伊武深司役/健人

<聖ルドルフ>
木更津 淳役/佐藤祐吾、不二裕太役/大原海輝

<山吹>
千石清純役/森田桐矢、亜久津 仁役/川上将大

<氷帝>
跡部景吾役/三浦宏規、忍足侑士役/井阪郁巳、宍戸亮役/小早川俊輔、向日岳人役/北乃颯希、芥川慈郎役/田村升吾、滝萩之介役/山﨑晶吾、樺地崇弘役/八巻貴紀、鳳 長太郎役/渡辺碧斗、日吉 若役/内海啓貴

<六角>
葵 剣太郎役/矢代卓也、佐伯虎次郎役/二葉 要

<比嘉>
木手永四郎役/武藤賢人、甲斐裕次郎役/吉澤 翼、平古場凛役/岩城直弥、知念 寛役/雷太、田仁志 慧役/高田 誠、不知火知弥役/園村将司、新垣浩一役/松井遥己
※田仁志慧の「慧」は旧字体

<特別出演>
越前南次郎役/森山栄治

【公式サイト】https://www.tennimu.com/
【公式Twitter】https://twitter.com/TennimuNews
【テニミュ・モバイル】http://tennimu.jp

(C) 許斐 剛/集英社・NAS・新テニスの王子様プロジェクト ©許斐 剛/集英社・テニミュ製作委員会

(ヘアメイク:大西トモオ)
(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 4号)

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この記事を書いた人

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