佐藤流司、鳥越裕貴ら、すべてを一新し再出陣!ミュージカル『刀剣乱舞』~幕末天狼傳~(2020)開幕――これが再演?これぞ再演

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2020年9月20日(日)に東京・天王洲・銀河劇場にてミュージカル『刀剣乱舞』~幕末天狼傳~(2020)が開幕した。5周年を迎えた大人気ゲーム「刀剣乱舞-ONLINE-」を原案とする刀ミュシリーズの本公演第9弾となる本作。初日前日に行われた公開ゲネプロの模様を紹介する。

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「幕末天狼傳」は、シリーズ第2弾として上演されており、今回は同作をブラッシュアップして上演。出陣する刀剣男士は加州清光(佐藤流司)、大和守安定(鳥越裕貴)、和泉守兼定(有澤樟太郎)、堀川国広(阪本奨悟)、蜂須賀虎徹(高橋健介)、長曽祢虎徹(伊万里有)の6振り。

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歴史上の人物として、新選組局長の近藤勇(小柳心)、副長の土方歳三(高木トモユキ)、一番隊隊長の沖田総司(定本楓馬)が登場。なお、小柳と定本は、本作より参加する新キャストとなっている。

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これが再演だろうか・・・。取材中、時が進むにつれて胸中を占めるのはその想いばかりだった。同時に感じたのは、クリエイター陣、役を担う俳優たちが、刀ミュが誕生してからここまで、2次元から3次元へと作品に命を吹き込み、熱しては溶かし、新たなアイデアを流し込み、叩いて硬度を上げてきた歳月の流れ。

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「幕末天狼傳」の初演が上演されたのは、2016年。4年前のことだ。この間、刀ミュは加州清光の「単騎出陣」や、髭切・膝丸の「双騎出陣」(再演版の東京公演が9月27日からスタート)、「真剣乱舞祭」、「歌合 乱舞狂乱」など、常に新しい形で作品提示を続けてきた。

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その間、クリエイター陣にも様々なプロフェッショナルが加わってきた。振付・ステージングには、本山新之助、當間里美、DAZZLEに加え、チャイロイプリン(CHAiroiPLIN)主宰・コンドルズのスズキ拓朗が初参加し、すべての動きを一新。

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音楽にはYOSHIZUMIと、2.5次元作品に欠かせない存在となった和田俊輔が加わり、一層“物語る”ナンバーを追求。ほとんどが新曲となり“ミュージカル”としての「意義」を高めた。そして、幕末の町並みから池田屋まで、回転しながら様々な表情を見せる舞台美術の妙。「2.5次元」が蓄え成長させてきた総合芸術としての力が、爆発した。

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何よりも、それに負けない俳優陣の“刀剣男士”という存在への理解の深まり。佐藤は、加州清光を演じれば演じるほど、その中に溶け込んでいき、もはや「そのもの」といった様相(とんちのようだが)。鳥越演じる大和守安定は「結びの響、始まりの音」に続く出陣。元の主である沖田総司、そして相棒である加州清光に抱く複雑な想いを、さらに丁寧に紐解いてきた。

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土方歳三の愛刀を演じる有澤と阪本は、本作の「歌」の部分をしっかりと支える。有澤はもともと良い声の持ち主だが、グランドミュージカルに抜擢されるほど(中止になってしまったが、ブロードウェイ・ミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリーSeason3』に出演予定だった)その成長は目覚ましい。シンガーソングライターとしても活躍する阪本の歌声は折り紙付き。表情豊かに、ミュージカルの奥行きを広げている。

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伊万里は、近藤勇が池田屋事件の中で奮っても折れも曲がりもしなかった剛刀らしい懐の深さをより一層醸すようになった。劇中もどっしりと構える姿が、作品を下支えしている。そして、最も成長を感じたのが高橋だった。演じる蜂須賀虎徹は、唯一「新選組」のゆかりの刀ではない存在であり、長曽祢虎徹に反目する立場かつ需要な役割を担うキャラクター。もともと地頭の良さを感じる芝居を見せる俳優だと思っていたが、4年を経て彼が演じる蜂須賀虎徹は「心」の在り処を繊細に表現する存在に。刀剣男士にこの言葉を使うのは適切か分からないが、付喪神でありながら人間くさくて実に良かった。

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歴史上の人物たちの描かれ方も見せ方も、深められていて、彼らの青春と人生、光と影が際立つ。小柳のは現存する近藤勇の写真を彷彿とさせ、高木が演じる土方歳三が今と未来を繋ぐ。そして、定本が演じる沖田総司は、しなやかで強く、儚くて切ない。刀身と共にキラリと光る目が、沖田総司という早逝の天才剣士を雄弁に物語った。

そんな刀剣男士たちと、激動の時代の中で“志”を貫いた者たちの「新選組」のドラマが照らし合って、高める作品強度。

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これ再演?これぞ再演。乞うご期待!!

ミュージカル『刀剣乱舞』~幕末天狼傳~(2020)は、以下の日程で上演。上演時間は、第1部2時間10分、休憩30分、第2部40分の3時間20分を予定。なお、本公演では最前列の方に劇場で配布されるフェイスシールドの着用が求められている(銀河劇場ではB・C列が対象)。

大千秋楽公演にてライブビューイングが全国の映画館で行われるほか、DMM.comで公演全日程でLIVE配信を実施中。LIVE配信の販売は各日のライブ配信終了まで。販売価格は、ライブ配信のみが2,200円(税込)、大千秋楽公演のみが3,800円(税込)。

【東京公演】9月20日(日)~10月10日(土) 東京・銀河劇場
【福岡公演】10月16日(金)~10月18日(日) 北九州ソレイユホール
【京都公演】10月24日(土)~11月2日(月) 京都劇場
【東京凱旋公演】11月13日(金)~11月23日(月・祝) TOKYO DOME CITY HALL

※大千秋楽公演のみ
【再ライブ配信時間】11月24日(火)20:00~再ライブ配信終了まで
【ディレイ配信期間】11月27日(金)18:00~11月30日(月)23:59まで

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東京公演

福岡公演

京都公演

東京凱旋公演

【ミュージカル『刀剣乱舞』公式サイト】https://musical-toukenranbu.jp/

(C) ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 1号)

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この記事を書いた人

ひょんなことから演劇にハマり、いろんな方の芝居・演出を見たくてただだた客席に座り続けて〇年。年間250本ペースで観劇を続けていた結果、気がついたら「エンタステージ」に拾われていた成り上がり系編集部員です。舞台を作るすべての方にリスペクトを持って、いつまでも究極の観客であり続けたい。

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