2025年4月に上演される、舞台『鬼滅の刃』其ノ伍 襲撃 刀鍛冶の里。本記事では、1月20日(月)に行われた製作発表会の模様をレポートする。黒死牟役と童磨役のキャストが明らかとなった。発表に併せて、本作で新たに登場する上弦の鬼たちのビジュアルも公開された。製作発表会には、脚本・演出の元吉庸泰、竈門炭治郎役の阪本奨悟、竈門禰豆子役の髙橋かれん、猗窩座役の蒼木陣、鬼舞辻無惨役の佐々木喜英に加え、新たに発表された上弦の壱・黒死牟役の加藤和樹、上弦の弐・童磨役は浦井健治が登壇した。
舞台シリーズ5作目を迎える「鬼滅の刃」
吾峠呼世晴の人気漫画を原作とした舞台『鬼滅の刃』シリーズは、これまでに2020年に第1弾、2021年に第2弾「其ノ弐 絆」、2022年に第3弾「其ノ参 無限夢列車」、2023年に第4弾「其ノ肆 遊郭潜入」を上演。本作より、脚本・演出を末満健一から元吉庸泰が引き継ぐことが発表されていた。
阪本奨悟、高橋かれん、佐々木喜英が「遊郭潜入」を振り返り
まず、会見ではキャスト一人ずつが映像と共に紹介されたが、阪本がうっかり挨拶するタイミングを間違える天然(?)を発揮。やってしまった・・・!と大照れしながら、髙橋・佐々木と共に舞台『鬼滅の刃』其ノ肆 遊郭潜入を振り返った。
「其ノ肆 遊郭潜入」より、新キャストとして参加した阪本と高橋。阪本と、ミュージカル『テニスの王子様』で共演していた佐々木は「僕たちが最初に出演した2.5次元舞台以来の共演なので、本当に久しぶりで」と懐かしむ。
阪本について、印象的なことがあったという佐々木。「初めて会って、自己紹介をした時に、奨悟が手にハンバーガーを持っていて。なぜか『ハンバーガーです!』って言われたんです。『・・・ハンバーガーさん?!』って驚いたのをすごく覚えています(笑)」と当時のエピソードが語られると、阪本は「よく覚えていらっしゃいますね・・・!?失礼しました・・・」と恐縮しながらも、「ヒデさんと以前共演してから10年以上が経ちますが、お会いしたらあの時のまんまで。またこうして一緒にお仕事できることが、本当に嬉しかったです」と笑顔を見せた。
高橋は、兄妹役として「お茶目な方という印象ですが、稽古場でもやりやすいように接してくださったり、すごく優しい方だなと思いました」と語る。前作が上演された時、髙橋は高校2年生。学業と両立しながら稽古をしていたそうで、阪本は「立派だなと思いました。僕も学生の頃からお仕事をさせてもらってたので、その頃を思い出しました。でも、僕が高校生の時より全然しっかりしていて・・・。受け答えとかも、こんなハキハキしゃべれなかったですもん」と絶賛した。
蒼木は、「其ノ参 無限夢列車」以来となり、2年半ぶりの参加(映像出演)となる。「僕、前回の出番は15分弱だったんですよ。その中で、煉獄さん(煉獄杏寿郎)と出会って、惹かれ、戦って、朝日が昇る中逃げるっていうのを、短い時間にぎゅっと詰め込んでやっていたので、800メートル走を息継ぎなくずっと走っているような感覚だったんです。本当にハードだったんですが、あの経験は今でも自分の指標の一つになっているので、今回は映像出演ですが、またこうして猗窩座役として戻ってこられたことをとても嬉しく思っています」とコメント。
新たに演出・脚本を手掛けることになった元吉は、本作のキャストたちとはほぼ初対面だが、「『鬼滅の刃』って、語る物語じゃないですか。これまでの作品を通して、この方たちの語る言葉の素晴らしさを実感していたので、今回、自分の脚本にした言葉をしゃべっていただくこと、舞台でその言葉をどう紡いでもらうか、絡ませようか、もう楽しみでしょうがないんです」と期待をにじませていた。
「刀鍛冶の里」の名シーンが舞台でどのように表現されるのか、気になるところ。阪本は「今回も、やはり鬼との戦いをどう舞台で再現するのか気になります。前作もそうですが、今回登場する鬼も曲者揃いなので。映像を駆使したり、いろんな表現方法があるので、舞台ならではの表現がすごく楽しみです」と言う。
高橋も「阪本さんがおっしゃるとおり、鬼との戦いのシーンは人力でやるからこそ、人間の強さや脆さ、儚さといったものがすごく繊細かつダイレクトに伝えられるのが舞台の良さだと思っておりますので、原作でも丁寧に描かれているところを大事に励んでいきたいと思っております」と続けた。
一方、佐々木は「前作が、無限城で『上弦の鬼が欠けた・・・』と言うシーンで終わっているので、僕は早くその先に行きたくて!無限城のシーンがどうなるのか、楽しみです」と目を輝かせた。
無限城と言えば、上弦の鬼が勢ぞろいする名シーンが期待される。今回、事前に上弦の壱 ・黒死牟と、上弦の弐・童磨も映像出演することが明かされており、この製作発表内で、黒死牟役を加藤和樹、童磨役を浦井健治が演じることが明かされた。
加藤和樹&浦井健治が迸らせた「鬼滅の刃」愛
2人は、製作発表にもサプライズ登場!会場の熱い拍手に迎えられる中、加藤は「週刊少年ジャンプ原作の作品にはいくつか出演させていただいているんですが、子どもの頃からのジャンプっ子としては、この『鬼滅の刃』という作品でまた舞台に立てることを本当に嬉しく思っております。ファンの皆様の期待を裏切らないような黒死牟を目指して頑張ってまいりたいと思います」と挨拶。
浦井も「本当に、責任重大だなと思っております!と言いますのは、僕は『鬼滅の刃』の原作、そしてアニメの大ファンでして。まさか、出演させていただけるなんて夢にも思いませんでした。自分が、この『鬼滅の刃』の世界で生きられることを本当に光栄に思っております」と高揚感を漂わせる。
そして「童磨というのは、宮野のまもちゃん(宮野真守)が声を演じているキャラクターなんですね。個人的に、ミュージカル『DEATH NOTE』で八神月役でもまもちゃんの役を演じさせていただきまして。また、このような機会と巡り会えて光栄です。童磨役に決まってから、本人にLINEしたんですよ。そしたら『ケンちゃんがやるの~!?すごい!頑張って~~~!ケンちゃんらしい童磨を演じてね。イェイ!』って返ってきました(笑)。まもちゃんからエールもいただきましたので、これを胸に、自分らしく頑張っていけたらと思います。よろしくお願いいたします!」と、宮野のモノマネを交えながら気合をみなぎらせた。
阪本と加藤も、ミュージカル『テニスの王子様』で共演しており、今回17年ぶりの再会となる。加藤が「あの時も敵役でしたが、必死に食らいついてくる姿がすごく愛おしかったです。若いんだけど、立ち向かってくる姿にヒリヒリするものがあって。全力でやらないとこっちも危ないと、いつも感じていました」と当時を語った。
阪本は、その言葉に「そこまでちゃんと覚えていてくださるなんて・・・」と喜びをにじませつつ、「僕もあの頃のことは本当に忘れがたくて。人生の中でほんとに大きな意味を持つ時間だったんですよ。自分にとって“青春”と呼べるものでした。だから、こうしてまたご一緒できることは本当に幸せです」と応えた。
加藤は、前作で炭次郎を演じる阪本を観たそうで、「感動しちゃって、泣いちゃったんですよ。もうボロ泣きで。近くの席で映像を撮っていたカメラマンさんも、さらに泣いてました(笑)。奨悟くんの成長と言ったらおこがましいですが、もう素晴らしくて。今回、映像ですけど、僕もとことん黒死牟として役割を果たせたらと思います」と目を細めた。
原作・アニメの大ファンすぎて、オファーを受けた時は「うぉぉぉお!」と悶絶したという浦井は「昨年、ミュージカル『キングアーサー』で和樹と共演した時に、(3作目まで炭次郎を演じていた)小林亮太も座組にいて。その時に、『鬼滅の刃』のポージングとか、『〇〇の呼吸!』みたいなことをやって遊んでいたんですよ」と明かした(加藤曰く「(その時の浦井さんは)ただのオタクでしたから。こんな浦井さん見たことないというぐらい、テンションが上がっていて。今日も、こんな緊張していて。こんな浦井さんもなかなか見られないですよ(笑)」)。ビジュアル撮影時も、お互いに撮影した写真を送り合って「かっこいい~!」と褒め合っていたそう。
無惨として、二人を従えることになる佐々木は「僕、2.5次元舞台、2.5次元ミュージカルって、歌唱力=そのキャラクターの強さ・戦闘力みたいな方程式があると思うんです。だから、ミュージカルの大先輩たちがこうして出てくださることになって・・・僕はとてもプレッシャーを感じております」と恐縮。
蒼木も「僕も原作が好きで、初演を劇場で拝見して衝撃を受けたんです。猗窩座役のオーディションがあると聞いた時は、僕が絶対にやるんだ!と人生の中で一番いろんな準備をしてオーディションに向かいました。そんな思い入れのある役なので、改めてこうして上弦の鬼が舞台上で集えることはやはり感慨深いものですし、大先輩方の胸をお借りして、一緒に上弦の鬼としてのすごみをしっかりと乗せていけたらと、改めて今、強く感じています」と嚙みしめる。
また、蒼木がビジュアル撮影時の出来事を、「僕の前に、和樹さんのビジュアル撮影が行われていて。だから、僕が『おはようございます!』って入ったら、もう和樹さんは黒死牟だったんです。『あっ・・・この人強い!』って思いました(笑)。でも、猗窩座としては本質的に『いつか倒すんだ』という思いがあると思うので、和樹さんを目の前にして感じた『かっこいい!強そう!』という気持ちと、『でもこの人を超えなきゃいけないんだ!』という猗窩座としての根っこにある思い、この二つを大事にしなくちゃと思ったビジュアル撮影でした」と、自らの中に湧き上がった気持ちと共に教えてくれた。
ちなみに、黒死牟の目は、実際に加藤の目の型を取って作られたものだという。刀も原作どおりになっているそうで、加藤は「こだわりがすごくて、早く振りたいと思いました」と語った。浦井も「スタッフさんたちの集中力が半端なくて。本当に、呼吸使っているんじゃないというぐらい、ものすごい集中力で!完成を、誰よりもスタッフさんが喜んでるんです。舞台を作る皆さんが、キャラクターが大切に愛している証だと、そういうことを感じました」とビジュアル撮影を振り返った。
演じるにあたり、浦井は「原作のある作品は、原作者の方が命をかけた執筆で生み出したものであり、そういった魂がこもったキャラクターたちを演じるには、それなりの覚悟と責任が必要だと思っています。ご覧になった方が、板の上でそのキャラクターが生きている!と思ってもらえることが正解なんだなと思うので、そこからぶれないことを目指したいと思います」。
加藤は「キャラクターへの愛、自分がファンであるということが大前提ではありますが、この愛を持って、その役をどう再現するか。これは、僕の初舞台であるミュージカル『テニスの王子様』で学んだことでもあります。やはりファンの型は、細部までこだわったところをご覧になりたいと思うので、自分自身も一ファンとして、どこまで再現できるかにこだわりたいです」と想いを吐露した。
最後に、元吉は「非常に大きなタスキを受け取ったと思っております。一つは、これまでシリーズを紡いでこられたキャストの皆様とスタッフの皆様、そして先代の演出家からのタスキ。もう一つは、吾峠先生が魂を削って描かれた物語からのタスキ。『なんで舞台なんだ?』と問われた時に、その必然性を示せるように。お客様に唯一無二の体験をしていただくことを目指して、いい演劇を作れたらと思っています」と一言。
そして、阪本が「原作ファンの方々にも納得していただけるよう、愛していただけるように、精一杯舞台上で汗をかいて頑張っていきたいと思っております。舞台だからこそ味わえる『鬼滅の刃』の魅力が必ずあると思いますので、もし。まだ舞台を観たことがないという方も、ぜひ劇場にお越しいただいて、その魅力を味わっていただけたらなと思っております。楽しみにしててください。よろしくお願いします」と会見を締めくくった。
舞台『鬼滅の刃』シリーズ全作の全編無料配信も決定!
舞台『鬼滅の刃』其ノ伍 襲撃 刀鍛冶の里は、2025年4月11日(金)から4月20日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場、4月25日(金)から4月27日(日)まで兵庫・AiiA 2.5 Theater Kobeにて上演される。
なお、本日よりデジタル版「週刊少年ジャンプ」定期購読者限定でチケット最速先行販売がスタート。詳細は公式サイトにてご確認を。また、期間限定で舞台『鬼滅の刃』シリーズ全作の全編無料配信も予定されているとのこと。
【公式サイト】https://kimetsu.com/stage/
【公式X(Twitter)】@kimetsu_stage
(C) 吾峠呼世晴/集英社
(C) 舞台「鬼滅の刃」製作委員会