三谷幸喜新作『大地』閉幕に大泉洋「今後の演劇界の大きな自信と実績になる」


2020年7月より東京・PARCO劇場にて開幕した三谷幸喜三作品三連発の一作『大地(Social Distancing Version)』 が、8月23日(日)に大阪・サンケイホールブリーゼにて大千秋楽を迎えた。

1994年からPARCO劇場をホームグラウンドとして、新作を発表し続けている三谷のライフワークである『ショーガール』『其礼成心中』と共に上演した『大地』。

三谷が今年1月に開場した“新生PARCO劇場”の為に書き下ろした新作は、俳優への愛を込めて描く“三谷流俳優論”となった。出演は大泉洋をはじめ、山本耕史、竜星涼、栗原英雄、藤井隆、濱田龍臣、小澤雄太、まりゑ、相島一之、浅野和之、辻 萬長ら。

『大地(Social Distancing Version)』

とある共産主義国家の収容所を舞台に、「演じる」行為を禁じられるという極限状態を強いられた俳優たちが、演じるとは何か?笑うとは何か?生きるとは何か?と問いかける本作は、コロナ禍におけるSocial Distancingという不都合を不都合に終わらせず、より豊かな演劇表現に結び付けた作品となった。

開幕を10日遅らせ、座席はソーシャルディスタンスを保つ為、キャパシティ50パーセント以下での上演となり、全席即日完売していたチケットを全て払い戻し、再販。感染対策を徹底しての実施となった。

◆三谷幸喜
一人の感染者を出すことなくこの日を迎えられました。正直、毎日ひやひやでした。役者の皆さん、ご苦労様でした。舞台スタッフ、劇場スタッフ、本当によくがんばってくれました。なにより数々の不都合を乗り越えて、観劇して下さったお客様に感謝。やれば出来る、でもやるのは大変。

◆大泉洋
こんなにも、千穐楽を迎えられた事に安堵した舞台はありません。
明日には中止になるかもしれない、大阪への遠征は出来ないのではないかと、常に不安を感じながら、一公演、一公演と積み重ねてきました。我々役者陣も決して自分が感染しないように細心の注意を払って生活してきましたし、同じく舞台スタッフ、劇場スタッフも考えうるすべての感染予防対策をとって公演を続けてまいりました。

そして検温や消毒、私語の自粛など、その全ての対策に対応していただいたお客様には感謝しかありません。「大地」が無事に千穐楽を迎えられたことは、今後の演劇界の大きな自信と実績になるでしょう。

演劇を含むエンタメは「不急」かもしれませんが決して「不要」ではありません。それは半分しか入っていない客席からの、満席の時にも負けない熱い拍手が教えてくれました。今後、多くの舞台が僕らが出来たように、安全に開催されて行くことを信じています。

◆PARCO劇場オープニング・シリーズ 9月以降上演の作品ラインナップ
2020年9月4日(金)~9月27日(日)
『ゲルニカ』
作:長田育恵 演出:栗山民也
出演:上白石萌歌、中山優馬、勝地涼、早霧せいな、キムラ緑子 ほか
※京都、新潟、豊橋、北九州公演あり

2020年10月6日(火)~11月1日(日)
ねずみの三銃士”第 4 回企画公演『獣道一直線!!!』
作:宮藤官九郎 演出:河原雅彦
出演:生瀬勝久 池田成志 古田新太 山本美月 池谷のぶえ 宮藤官九郎
※長野、北海道、京都、福岡、高知、沖縄公演あり

2020年11月
『迷子の時間』-「語る室」2020-
作・演出:前川知大 出演:亀梨和也 ほか
※大阪公演あり

2020年12月
『チョコレートドーナツ』
作:トラビス・ファイン 脚本:谷賢一 演出:宮本亞門

2021年1月
『志の輔らくご in PARCO 2021』
出演:立川志の輔

2021年2月上演
『ラヴ・レターズ』
作:A.R.ガーニー 訳:青井陽治 演出:藤田俊太郎

2021年2~3月
『藪原検校』
作:井上ひさし 演出:杉原邦生 出演:市川猿之助 ほか

2021年3~4月
『レディ・マクベス(仮題)』
作:ジュード・クリスチャン 演出:ウィル・タケット 出演:天海祐希 ほか

2021年4~5月
『月とシネマ』
演出:G2 出演:中井貴一 ほか

(撮影/西木義和)

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