念願の再演・・・ミュージカル『生きる』新納慎也、小西遼生、新キャスト村井良大らのビジュアル撮影レポート


2020年10月に上演を控えているミュージカル『生きる』。主演は、市村正親と鹿賀丈史のWキャスト。このほか、新納慎也、小西遼生、May’n、唯月ふうか、山西惇、新キャストの村井良大のビジュアル撮影現場を取材したオフィシャルレポートが届いた。

2018年10月に市村、鹿賀のWキャストで上演され、「これぞ、国産ミュージカルの記念碑」と絶賛された本作が、いよいよ再演を迎える。ビジュアル撮影が行われたのは、6月下旬。

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撮影は、渡辺光男役の新キャスト、村井から始まった。ブルーのスーツ姿にゆるめの7:3分けで固めたヘアスタイルは、まさに昭和風男前といったところ。カメラマンが出す指示に、村井は即座に反応してポーズを決めていく。「褒められ慣れていないので恥ずかしくなっちゃいました(笑)」と照れ笑いを浮かべつつ、村井は光男役について、「唯一この作品の流れに追いつけていない人。光男の長所でもあり、短所でもあると思うんですが、心配性で優しすぎるが故に、父親と想いがすれ違ってしまうところがかわいそうな人だなって思っています」と分析。

「光男があんなにもズレていってしまう、 或いは自ら突っ走って収集がつかなくなってしまうのは本人の優柔不断さ・・・光男という人間がまだ確立されていないからなのでは、と思い、『だったらどういう居方でいるのがいいのかな』といろいろ考えていました。今の時点では、あまり役を深堀りし過ぎると良くない気がするんです。あまり不純物を入れずに光男として純粋に生きてみたいと思っています」と、撮影に向き合っていた。

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『デスノート the Musical』の頃よりシャープになった印象の村井。「自粛期間の初めの頃に少し太って、その後痩せたんです。痩せたのは多分、あまり食べなくなったから。一日三食ではなく、 一日一食で済むようになっちゃって」と劇場が閉じてしまった期間を振り返ったが、その時間を「英語と音楽の勉強」に使っていたようだ。

「せっかくだからこの時間を有効に使うしかないな~と思ったので(笑)。今回、(作曲・編曲の)ジェイソン・ハウランドさんともお話が出来たらいいなって思っています」と、準備に余念がないようだった。

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続いては唯月の撮影へ。唯月は、初演と同じく光男の妻・一枝役と、渡辺勘治と同じ役所に務める女性事務員・小田切とよ役をMay’nとWキャストで務める。まずは一枝としての撮影が始まった。背筋をすっと伸ばし、クールな表情でカメラを見つめる唯月だったが、撮影の合間にはモニターを見つめながら「人妻感、出てる?」「妊婦風になってますか?」と笑顔を見せ、場の空気を和ませていた。

とよ役としての撮影では、独特な昭和のパーマネントヘアにポジティブキャラのとよモードに。「(髪型が)サザエさんだって言ったでしょ?」とハイテンションで、唯月本人も撮影スタッフも笑いが止まらない状態となっていた。

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初演を、「当時初の二役で、演じ分けや2公演ある日の切り替えに苦戦していました。でも、二役は本当にやりがいがあり、お芝居の楽しさを倍感じられたので毎公演が新鮮で楽しかったです!」と振り返った唯月。

久しぶりに二つの役の衣裳を袖を通してみて、「それぞれの衣裳を着ると、自然と表情や仕草が切り替わって『あ~、(役が)染みついてる』って嬉しくなりました(笑)!」と顔をほころばせ、「再演できる喜びと、前回よりも役を深めて『生きる』の世界観に皆様をお連れできるように、今から気合いが入ります!」と今から喜びいっぱいの様子だった。

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唯月と交代に、今度はMay’nがスタジオ入り。唯月と共に一枝役ととよ役をWキャストで挑むMay’nは、本作の初演が自身初のミュージカル出演だったが、「最初は分からないことだらけでしたが、(演出の)宮本亞門さんや皆様に育てていただき、本番では本当に楽しく舞台に立つことができました」と手応えを掴んだようだ。

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歌手である彼女は、「『どうかしてる』という曲がすごく好きです!みんなの気持ちが忙しく交差していくところが歌も演出も見どころ満載です」と、意外な曲を挙げていた。2年ぶりの再演に向けたビジュアル撮影だが、「2年も経った?というくらい、衣裳がしっくりきました。『自分の人生を思いっきり生きる。』という、とてもポジティブなメッセージが詰まった作品が、たくさんの方に届きますように」と、意気込みを語ってくれた。

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午後になり、小西と新納・・・小説家役の賑やかな二人が現場に姿を現した。まずは小西から。撮影では、「色っぽいねえ」「ワルそうな表情がいい」とスタッフ絶賛の表情が次々と飛び出す。

初演時を「すごい作品が出来上がるぞ!」と稽古場から沸き立っていたと小西。「カーテンコールで目にしたお客様の反応も今まで観たことがないくらい、本気のスタンディングオベーションでした。千秋楽の後の打ち上げで鹿賀さんに『こんな景色、今まで何回観ましたか?』と聴いてみたら『何回もないね、こんなにすごい景色は!』とおっしゃっていたんですよ」と、その衝撃の強さを教えてくれた。

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小説家としては、「市村さんが演じる渡辺勘治を“受ける”こと」に専念していたという。「例えば、渡辺勘治と会話のキャッチボールが何度かあった後、ある時、渡辺に感化される瞬間がくるんです。その瞬間は投げていただいた言葉で勝手に心が動くので自分自身はあまり作り込んでいるつもりはなかったですね」

また、再演に向けて「前回は別のチームだった鹿賀さんと組めることが楽しみです。前回の稽古場で、鹿賀さんと新納さんが演じているのを観て、僕も鹿賀さんとやってみたい!と思っていたんですよ。全然違うんです。だからこそリスペクトの気持ちを込めて演じたいですね」と期待を寄せた。

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そして、撮影は新納の番へ。小西とWキャストで小説家を演じる新納は、やや斜に構えた世捨て人風な表情で撮影に挑んでいた。カメラに向けた眼差しは何かを探るようでもあり、 逆にどこか突き放しているようにも見える。

小説家が被る帽子の扱い方は小西とは異なり、まるで小説家の本心を隠すように帽子から顔を覗かせたり、目深に被ってみせたりと、新納が描く小説家の姿が見えてくるような撮影となった。

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初演は「思い出だらけ」と語る新納。「本番中、僕と山西さんと佐藤誓さん、川口竜也さん、市原隼人さんが同じ楽屋だったんです。よりによって悪そうな役のおじさんたちがたくさん(笑)。そんなおじさんたちが1幕の終盤になると楽屋のモニターの音量を最大にして、 渡辺の『二度目の誕生日』を黙って聴きながら皆号泣していたんですよ。あの『二度目の誕生日』は一番好きな曲ですね」

「初演の99.8%鹿賀丈史でした(笑)。僕は、小説家として鹿賀さんを愛しまくっていたんです。再演では、お互いに口に出さなくてもステップアップしていけると思うので、すべてを鹿賀さんに委ねたいです。そして、『生きる』では市村さんと初めて組むので、同じように関係を深めていきたいです。20年以上共演させていただいている市村さんと組ませていただけるのもものすごく楽しみです!」と、再演に向けても気合十分だった。

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最後は、 同日に撮影を行った助役役の山西からも、「助役さんのダブルのスーツ!この役のキャラクターがギュッと詰まっている感じで、大好きな衣裳でした。着た途端、2年という長い時間をフッと飛び越えたような気がしました。万全な対策を取りつつ、お客様の前で披露出来る日が来ることを、 心から祈っています」とメッセージが寄せられた。

ミュージカル『生きる』は、下記の日程で上演される。また、感染予防対策を講じるためチケット発売が延期されていたが、 8月22日(土)に決まった一般発売に先駆け、先行販売が行われることも発表された。

<ホリプロ先行販売スケジュール>
先着:8月1日(土) ホリプロステージプレミアム(有料)
先着:8月8日(土) ホリプロステージ
https://horipro-stage.jp/stage/ikiru2020/

<TBS先行販売スケジュール>
先着:8月1日(土) 赤坂ACT倶楽部(有料)
https://www.act-club.jp/
先着:8月8日(土) TBSオンラインチケット
https://www.e-tix.jp/tbs/tbsonline/

<東宝先行販売スケジュール>
抽選エントリー:8月11日(火)~8月14日(金) 東宝ナビザーブ
https://stage.toho-navi.com/

公演日程

ミュージカル『生きる』
【東京公演】10月9日(金)~10月28日(水) 日生劇場
【富山公演】11月2日(月)・11月3日(火・祝) オーバードホール
【兵庫公演】11月13日(金)・11月14日(土) 兵庫県立芸術文化センター KOBELCO大ホール
【福岡公演】11月21(土)・11月22日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
【名古屋公演】11月28日(土)~11月30日(月) 御園座

【公演詳細】https://db.enterstage.jp/archives/1893

(取材・文/オフィシャル提供、編集/エンタステージ編集部)

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