宮沢氷魚&大鶴佐助で『ボクの穴、彼の穴。』“見えない敵”と相対する孤独な兵士の物語を今秋、再演


2020年9月に『ボクの穴、彼の穴。The Enemy』の上演が決定した。本作は、松尾スズキが初めて翻訳した絵本をもとに、ノゾエ征爾が翻案・脚本・演出を手掛け、2016年に旧PARCO劇場の「クライマックス・ステージ」の一つとして上演された二人芝居の再演。今回は、宮沢氷魚、大鶴佐助が出演する。

二人が演じるのは、“見えない敵”と相対する孤独な兵士。殺すか、殺されるか・・・じっと塹壕に身を潜め、互いを「モンスター」だと信じ、「殺す」ことだけにコミットしている。「戦争のしおり」が自分の正しさと信義のすべて。お互いに大きな力に操られ、どんどん相手が大きなモンスターになり、疑心暗鬼と見えない敵への妄想が膨らんでいく中、最後に兵士は何を選択するのか。

PARCO Production『ボクの穴、彼の穴。The Enemy』は、9月17日(木)から9月23日(水)まで東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて上演される。チケットは、8月15日(土)より一般発売開始(チケットの取扱は先行・一般共にWebのみ)。

コメント紹介

◆ノゾエ征爾(翻案・脚本・演出)
気がついたら霧があたり一面に立ち込めていて、あっと言う間に、関わる4本の演劇作品がその中に消えていった。
呆然と立ち尽くすも、その呆然としている様すらも誰からも見えないほどの濃霧。
はてどうしたものか。
しかし、消えるものあれば現れるものアリ。一瞬フッと晴れた隙間からコレが現れた。
『ボクの穴、彼の穴。』やろうかって。4年前にもやった演目だけど、今こそでしょって。
見えない敵との疑心暗鬼にかられる孤独な兵士の物語。
読み返すと、今の状況だからこそ考えさせられるところ山ほどアリ。
涙拭いながらがんばった初演のキャストさんが作り上げてくれた部分も山ほどアリ。
それがあっての今、この生活下だからこそ滲み出るものをすべて作品に乗せて、(濃霧ゆえにどこが正面かもわからないのだけど)
真正面から戦いましょうぞ、この素晴らしきお二人と。
穴から顔を出した時、きっとなかなかの眺めなのではないでしょうか。

◆宮沢氷魚
世の中がこのような状況にある中、どうにかして皆さんに感動や喜び、エンターテインメントの素晴らしさを届けたいと日々考えていました。そんな中、今回のお話をいただいて本当に救われました。
今回の作品は、見えない敵との戦争。
お互いを「モンスター」だと思い込み、相手を憎み、疑い、軽蔑する。自分を正当化し相手に全ての不幸をなすりつける。
まさに今の世の中と重なります。
僕は今だからこそこの作品をやる意味があると思います。
初めての二人芝居を親友の大鶴佐助と演じられる幸せ、そして、初舞台の劇場であるプレイハウスで再び芝居ができることを本当に嬉しく思っています。

◆大鶴佐助
今この状況下で『ボクの穴、彼の穴』を上演することに僕はとても意味があると思いました。
物語の登場人物が目に見えない不確かなモノに怯え疑心暗鬼になっていく様が今の日常ととても通じており、虚構と現実が地続きになっている印象を受けました。
相手役の宮沢氷魚くんとは気心の知れた仲なので、稽古場でノゾエさんの演出を一緒に浴び、もがきながら作品の旅をしていきたいです。

【公式サイト】https://stage.parco.jp/program/bokuana2020

チケットぴあ
最新情報をチェックしよう!
テキストのコピーはできません。