昆夏美、伊礼彼方ら出演!青木豪の脚本・演出による音楽劇『星の王子さま』東京公演開幕


2月8日(土)に東京芸術劇場シアターイーストで東京公演が開幕した音楽劇『星の王子さま』の公開ゲネプロが行われた。青木豪が脚本・演出を務め、王子さま役の昆夏美、飛行士役の伊礼彼方らが出演する本作は2016年1月に上演され、再演となる今回さらにキラキラと儚く美しい作品へと深化していた。

幅広い年齢層の方々に支持される世界的ベストセラー作品「星の王子さま」を青木ならではの音楽劇として創造、ピアニストが薔薇役も担う独特の演出プランで展開した本作。昆、伊礼の他、廣川三憲、吉田萌美、内田靖子、岡野一平、平山トオル、原田智子、沼舘美央、大内慶子、堀江葵月が出演し、ピアノ演奏・薔薇役を松木詩奈、コントラバス演奏を小美濃悠太、内田義範(一部公演)が務めている。

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砂漠に墜落してしまった飛行士(伊礼)が、別の星からやってきた“王子さま”(昆)と出会うところから物語は始まる。王子さまは飛行士に自分の住んでいた一軒家ほどの小さな星の話や、その星でバラを大切にしていた話、そのバラと喧嘩して他の5つの奇妙な星を旅した話、6つ目の星・地球にやってきて、この砂漠で蛇やキツネと出会った話などを楽しそうに語る。昆が演じる王子さまは純粋な輝きを放ち、美しく儚い夢のような物語に観客を引き込んでいく。

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伊礼、廣川はさまざまな役をポップにしっとりとこなし彩を添える。ファンタジックな世界観を盛り上げる楽曲の数々もキャッチ―なメロディーで昆、伊礼らの美しい歌声によってさらに物語を引き立ててくれ、一見、王子さまから語られる数々の物語は突拍子ない出来事の連続に思えるが、1つ1つに意味があって最後に繋がっていく。理想と現実の差を感じて寂しい気持ちにもさせられるが、それでも最後まで観るとこの作品が長く世界中の人から愛される理由が分かる。いつの時代にも大切なことを学ばせてくれるのだ。

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そんな名作の東京公演開幕に向け、青木、昆、伊礼からコメントが。青木は「4年前にこの音楽劇を初演して、多くのお客様から好評をいただき、キャストスタッフ共に再演を望んできた作品です。ようやく再演の運びとなり、たいへんうれしく思っています」と喜んだ。

さらに、「名作というものは大抵どうしても解けない謎を孕んでいるもので、その謎は解けないことがわかっているのに、なぜかとても魅力的で、今回の稽古場でも台本を読み、原作のページをめくっては『実はこういう意味なんじゃないか』という議論を重ねました。解答が出ることよりも謎について皆で話し合うことが楽しく、それが『星の王子さま』が名作たる由縁なのではないか、とも思います。初演より深化した『音楽劇 星の王子さま』をぜひお楽しみください」とコメント。

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また、星の王子さまを演じる昆は「読む年代や環境によって感じ方が変わる書物はたくさんあると思いますが、『星の王子さま』は、その代表と言っても過言ではないと思います。私は初演の際は作品をお客さまに伝えることに必死でした。今回は存分に話し合いながらお稽古をした再演です」と語り、「私が王子さまを演じる時に大事にしているのは『自分の大切な人や場所はなにか』ということを、作品を通してお客さまに感じていただくこと。そのために王子さまの旅の物語をきちんとお客さまに伝えたい。観終わったあと、自分にとって大切な人や場所に思いを馳せて、温かい気持ちになっていただけたらうれしいです」作品に込めた思いを明かした。

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そして、飛行士の他、星の王子さまが巡ってきた星の住人なども演じる伊礼は「穏やかで温かい時間が感じられ、終演するとまた作品に帰りたいと思わせる僕にとって特別な作品です」と作品への思いを語り、「大切なものを失うという経験をしたにもかかわらず、日常に戻ると飛行士は大切な人とギクシャクしてしまう、変われなくて譲れない、そうしたどうしようもないところがあるからこそ人間なのだと思わせる大人のための作品です。稽古の際に初演では気づかなかった疑問に気づき、稽古場にいる全員で作品を深めたと思います。音楽と作品世界をぜひお楽しみください」とメッセージを送る。

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音楽劇『星の王子さま』は下記の日程で上演される。上演時間は1時間55分(休憩なし)の予定。

◆作品情報
音楽劇『星の王子さま』
【水戸公演】2020年1月31日(金)~2月1日(土) 水戸芸術館ACM劇場
【東京公演】2020年2月8日(土)~2月12日(水) 東京芸術劇場シアターイースト
【兵庫公演】2020年2月15日(土)~2月16日(日)

【原作】アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ
【脚本・演出】青木豪
【作曲・音楽監督】笠松泰洋

【出演】
昆夏美、伊礼彼方、廣川三憲
吉田萌美、内田靖子、岡野一平、平山トオル、原田智子、沼舘美央、大内慶子、堀江葵月
ピアノ演奏・薔薇:松木詩奈
コントラバス演奏:小美濃悠太、内田義範(2月10日[月]~2月12日[水])

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部3号)
(一部写真オフィシャル提供提供/撮影:刑部アツシ)

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