超梅棒!らしさ炸裂!メンバー11人の全力投球『OFF THE WALL』開幕レポート


2020年2月6日(木)に東京・こくみん共済 coop ホール(全労済ホール)/スペース・ゼロにて、梅棒 10th Anniversary『OFF THE WALL』が開幕した。本作は、エンターテインメント集団「梅棒」が約4年半ぶりに11人のメンバーのみで行う公演。“小学生”をモチーフに、ダンス×演劇×J-POPの梅棒“らしさ”全開で約2時間を駆け抜ける。

2001年に、日本大学藝術学部内ダンスサークル内で結成された梅棒。ジャズダンスとJ-POPをかけ合わせ、ストーリー性のある演劇的な世界観で「劇場型ダンスエンターテインメント」を追求してきた。

現在のメンバーは、伊藤今人、梅澤裕介、飯野高拓、鶴野輝一、遠山晶司、遠藤誠、塩野拓矢、櫻井竜彦、楢木和也、天野一輝、野田裕貴。最近では、役者、ダンサーとしてだけでなく、演出や振付担当、カメラマンなどと、個々の活躍も目覚ましい。

現在上演中のMANKAI STAGE『A3!』~AUTUMN 2020~の振付(伊藤、遠山、楢木)をはじめ、今後も『僕のヒーローアカデミア』The “Ultra” Stage 本物の英雄の殺陣と振付(殺陣:遠藤/振付:塩野)、ミュージカル『エリザベート』への出演(楢木)など、様々な予定が控えている。

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コンスタントに自分たちの劇場公演も行ってきた彼らだが、今回は2015年の『クロス ジンジャー ハリケーン』以来、約4年半ぶりにメンバーだけの作品作りに取り組んだ。テーマに選んだのは、義務教育を受けた人なら誰しもが通ってきた“小学生”の日常。

公園で、研究をしている博士の話から物語は始まる。その研究は、約30年前に“ある出来事”を目撃した時からずっと続いているのだという。30年前。それは、「令和」の時代に突入した今から、「平成」をジャンプして、「昭和」まで遡る。あの頃、子どもだったみんなのお話――。

ちなみに博士のお話は開演前から始まるので、しっかり聞いてほしい。

博士の話によって昭和の時代に時間が巻き戻ると“小学生”を全身で物語る梅棒メンバーが飛び出してくる。本が好きなおとなしい少年に、クラスのガキ大将、コバンザメ的な子分、きっちりしたがり学級委員長。そういえば、クラスにいたなあと思い出すような子どもたちばかり。そして、みんなハマり役だ。

小学生“あるある”が散りばめながら、ほぼ言葉を使うことなく、20曲を超えるヒット曲に乗せて綴られる小学生の日常。友達になれたら嬉しいし、喧嘩をすれば悲しい。ごまんといる人の中で出会えた奇跡は、少年をちょっとだけ強くして、大人の涙腺をノックする。

梅棒主宰で、本作の作・総合演出を務める伊藤は、“小学生”を題材にした理由を「最も我々らしい作品にするべく選んだ」と語った。共感・感動できるパフォーマンスを信条に走り続け、全員が積み重ねた経験を持って30代に突入したこのタイミングにふさわしく“超梅棒!”と言える・・・そんな作品が誕生した。

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以下、開幕にあたり伊藤が寄せてくれたコメントを紹介。

◆伊藤今人(梅棒主宰、作・総合演出・出演)
僕らギリギリ昭和世代が子どもの頃は、J-POPが全盛で流行した曲はみんな知っていて、みんな歌える時代でした。対して今は、国民全員歌えちゃうようビッグヒットは生まれにくい状況にあります。
楽曲に限らず、あらゆるものを消費者側が選んで入手できるようになった現代において、幼い頃の“あるある”みたいなものも人それぞれ。今の子どもたちは大人になった時の思い出話に花が咲きにくいんじゃないかなあって思ったりします。
梅棒第10回公演の出演者はメンバー11人のみ。全員が30代になったこのタイミングでの完全単独公演。最も我々らしい作品にするべく選んだテーマは「小学生」。
我々を産み、育んでくれた「昭和・平成」という時代への讃歌です。

令和になった今だから、そしてこの11人だけだからこそできる、ノスタルジーと馬鹿馬鹿しさに満ちた我々梅棒の全力投球を、ぜひ劇場で堪能してください!

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梅棒 10th Anniversary『OFF THE WALL』は、2月6日(木)から2月16日(日)まで東京・こくみん共済coopホール(全労済ホール)/スペース・ゼロにて上演。上演時間は約2時間(休憩なし)を予定。

【公式サイト】http://umebou.daa.jp/10th_offthewall/

写真/オフィシャル提供 (C)角田大樹

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