演劇「ハイキュー!!」醍醐虎汰朗、赤名竜之輔らが“キツネ化”を賭けて戦った結果は?ジャンフェスレポート


昨年、新キャストを迎えたハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」。初めての公演となった〝飛翔〞を終えた新生烏野は、2020年春にはシリーズ9作目となる〝最強の挑戦者(チャレンジャー) 〞へと向かう。昨年末に行われた「ジャンプフェスタ 2020」のネルケプランニングブースでは、出演者より登壇者:醍醐虎汰朗 、赤名竜之輔、山本涼介、織部典成、MCとして鎌苅健太が登壇し、作品を振り返りながら、新作に向けたトークを繰り広げた。

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同ステージの前に行われていたミュージカル『テニスの王子様』のステージでもMCを務めていた武田一鉄役を演じる鎌苅が「テニミュの子たちはキラキラしてたんだけど、あなたたちを見るとほっとします(笑)」とニコニコと語りかけると、日向翔陽役の醍醐は「褒められてるのかな(笑)」と首をかしげる。気心知れた劇団「ハイキュー!!」(同作の座組のこと)メンバー間ならではの空気が流れる中、トークはスタートした。

登壇者4人は、全員ジャンフェス初参加。影山飛雄役の赤名は「好きな漫画とかアニメとかがいっぱいで、ワクワクします・・・」、月島 蛍役の山本も「めっちゃ見て回りたい。トークしている場合じゃない・・・」とそわそわしていたが、山口 忠役の織部によって「この日を待ちに待っていました。裏話とかで盛り上がれたらと思います」としっかり意識をステージに戻されていた。

〝飛翔〞について、醍醐は「長いようで短かったというのが、終わってみての感想かなあ。達成感と共に、ちょっと物足りなさも感じるんですよ。日々の日常がすごく楽に感じるぐらい(笑)」と振り返る。その言葉に、鎌苅は「それだけやりがいのあるものをやってきたってことだね。こた(醍醐)は日向と一緒で、吸収力がすごいんですよ」と加えた。赤名は、戦った伊達工業高校のキャストから「『新生烏野、いや、烏野』と言ってくれた言葉が、とっても響きました」と、ライバルの言葉を通じて達成感を得たようだ。

そして、山本は「むちゃくちゃ楽しかった思い出が強くて・・・未だに引きずっている感がありますね」と“ロス”っていることを隠さない。織部も「あっという間に終わってしまった気がして、それほど充実した日々だったんだなと。スポーツ物は熱量があるから、みんなで高め合えたなと思いました」と素直な気持ちを口にした。

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ここからは、実際に公演の映像を見ながらトークが進められた。映像は、ライブビューイング中継で流れた大千秋楽のもの。彼らも初めて観る映像だったこともあり、コメンタリー上映なのに思わず見入ってしまう面々。「オープニング、こんな感じだったんだあ・・・」「このシーン、稽古で作るのに結構時間がかかったよね」とつぶやくように感想がもれ聞こえる。

〝飛翔〞のオープニングシーンでは、初演から‶最強の場所(チーム)″まで烏野高校を演じてきたキャストたちの映像も使われており、鎌苅は「何回かこらえきれずに泣いてしまった」そう。そんな感動的なエピソードの一方で、思い切りスモークが焚かれるシーンでは「煙が自分のところだけ全然こない」「逆に煙が来すぎてなんも見えない」といったおもしろエピソードも飛び出した。

また、全員でフォーメーションを作る(彼らは千手観音!と呼んでいた)シーンでは、一人一人が指先まで揃えるだけではなく、全員で揃えてきれいに見せるため、稽古では何度も繰り返し、ダメ出しをし合って作り上げたそうだ。それゆえに、自分たちが見ても「マジ感動する」。

演劇「ハイキュー!!」と言えば、印象的な郡台詞。胸が熱くなるシーンの一つだが、この台詞も醍醐と赤名が中心となって引っ張っていったという。中でも、「最後の3日、虎汰朗が『もっと行きましょう』って言ってたのが印象的だった」と鎌苅。醍醐は「聞いていて、もっといけそうだと思ったんですよね」と、烏野としてまだまだ上にいける手応えを感じていたと明かした。

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そして、影山がユースに招集され日向に言い放つ名台詞「先に行くぜ!」の場面では、全員が「フゥ~~~!」「いい顔してんなあ!」「ちょっとやって!ここでやって!」とコメンタリーそっちのけ(?)で大はしゃぎ。

ちょっと真面目に、赤名が「公演の中で、毎回(醍醐から)受け取るものが違ったから、自然と俺も一緒に上がっていけた気がする」と言うと、「フフ・・・」とちょっと得意げに笑う醍醐。なんだか、普通に話しているキャストの姿も、物語の中で生きるキャラクターたちの姿に重なる。映像を観終わって、醍醐は改めて「きつかったけどまたやりたくなる、という先代の気持ちが分かりました」と呟いた。

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ちなみに、織部が「公演を重ねるごとに、太もものサポーターがきつくなっていったんですよ」と身体の変化に触れると、山本も「俺も、東京凱旋までに3キロ増えていました。楽屋でいつも筋トレしていたからかな、“誰のか分からないダンベル”で」と同調。

この“誰のか分からないダンベル”には、とっておきの秘話があった。実はこのダンベル、もともとは烏養繋心役の小笠原 健のものだったという。しかし、この稽古場に持ってきたのは鎌苅。「前に共演した作品で、健が稽古場にダンベルを持ってきていたんですけど、彼はそれを持って帰るのが面倒くさくなったようで。その公演の千秋楽後の打ち上げの後、先輩である俺の鞄にしのばせたらしいんですよ・・・」。

ちょっと重いな・・・と思いつつ、自宅まで持ち帰ってしまった鎌苅は、満を持してこの演劇「ハイキュー!!」の現場にそのダンベルを持ち込んだ。まさかのエピソードには「そしたら、お前らが使っていて。繋がっていますね」と、〝飛翔〞で印象的だった「繋がなくてはならない、託さなくてはならない」というフレーズを想起させるオチがついた。

そして、映像は〝飛翔〞が繋いだ先、〝最強の挑戦者(チャレンジャー) 〞のCMへ。撮影について、「前作の撮影の時はまだ日向を演じる前だったので、役がしっかり入った状態で撮ってもらうのはまた違うなと思いました」と語る醍醐の表情には、すでに自信が見え隠れ。

また、赤名が真面目に歩くシーンで笑ってしまうというNGを連発していたことを暴露。しかし「5回くらいは俺のせいだけど、途中から虎汰朗も笑い出したんですよ。伝染した(笑)」と返り討ちにあい、「やめてー!」と顔を覆った。

一緒に撮影に臨んだという山本と織部は、「前回は初対面の時だったから、ちょっとやりづらかった」そうだが、今回はしっかり関係性が出来ていたのでスムーズだったようだ。織部が、今回は「ベタベタに行きましたよ!」と言うと、山本は「覚えてないです」とつれない態度。そんな二人のやりとりに、鎌苅は「この二人の関係性、本当に役のまんまなんですよ。仲がいいね(笑)」と一言。

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そして、生徒役の面々に鎌苅から「君たちにはもっともっと強くなってもらいたい!」と提示されたのは、「キツネみくじクイズ」というゲームコーナー。ボックスの中に入っている“キツネ型みくじ”を一人一枚引き、そこに書かれている問題にそれぞれが答えていく、というもの。おみくじには「大吉」「中吉」「凶」「大凶」の4種類があり、書かれている問題の程度も違う。運も試されるゲームだ。

ちなみに、不正解の人には罰ゲームとして“キツネ耳”をつけ、キツネ化してもらうことに。ここで、赤名が「なんでキツネなんですか?あ、来年(2020年)がキツネ年だからですか?」と影山に勝るとも劣らないボケっぷりを発揮。もちろん、皆さんご存知のとおりキツネ年はなく、〝最強の挑戦者(チャレンジャー) 〞での対戦相手・稲荷崎高校の“稲荷”に引っ掛けて・・・である。

「これ、地味にいやだな・・・(笑)」という醍醐の言葉に、鎌苅は「君らは、こういうのあんまり好きじゃないことは存じております。でも、皆さん見たいですよね?」とニヤリ。ここから、キツネ耳着用を賭けた負けられない戦いが始まった。

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トップバッターはもちろんこの人、醍醐だ。山本が「大凶引け引け」と囁く中、引いたのは・・・「凶」!「口は3つ、目は4つ、では鼻はいくつ?」という、結構難しいとんち問題に、醍醐は「どういうこと?全然分からん!」と混乱。鎌苅から「何をするところでしょう?」とヒントをもらうも、残念ながら不正解・・・。鎌苅に「さあ、醍醐くん。キツネになりましょう!キツネは弱さの証明です!」と武田一鉄節で迫られ “キツネ化”させられてしまった。

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続いては、織部の番。引いたのは・・・「凶」!「ダメだ、持ってないわ・・・!」と慌てる織部だったが「手の甲を使ったレシーブを何という?4択で答えなさい。1.クッキー、2.クレープ、3.パンケーキ、4.マカロン」という問題に、「3.パンケーキ」を選び見事正解。しかし、「当たった時にパーン!ケーキ・・・という感じになるから」という選択理由が、山本に「スベってる!」と判定され、正解したのに“キツネ化”するハメに(織部は「かわいくつけて・・・」と悲しく呟いていたものの、キツネ耳が気に入った様子だった)。

続く赤名が引いたのも、これまた「凶」!「さけが入ったお弁当を食べた舞台役者が、今日は舞台に出られません、と言いました。一体なぜ?」という質問に、「さけ=酒」と考えた赤名は「二日酔い」と答えるも不正解。鎌苅から「とんちのきいた問題だよ」と再度回答チャンスをもらうも、「とんちってなんですか?」と斜め上をいく質問を返し、あえなく不正解で“キツネ化”へ・・・。ちなみに正解は「叫べん(鮭弁)」。回答者ではなかったが、山本が見事正解していた。

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その山本は、最後の回答者。引いたおみくじの結果は「中吉」。「バレーボール部に長く所属している少年は、帽子を10個持っています。一体なぜ?」という問題に、「むっちゃ簡単やん。普通に答えていいですか?キャプテンだから」と見事正解してみせた。

しかし、「私が一番(耳を)つけたかったのはこの男」と言った鎌苅は、すかさず「第2問!鎌苅健太の母の名前はなんでしょう?」という超難問を突きつけた。稽古場で聞いたことがあったそうだが、山本は一文字違いで間違えてしまい、「なんで?一度正解しましたやん・・・」と抵抗するも“キツネ化”は回避できなかった。

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キツネ化してしまった4人だったが、〝最強の挑戦者(チャレンジャー) 〞に向けて「次の公演で、烏野の真価が発揮されると思うので、チーム力一丸となって稲荷崎を倒しにいきたいと思います」(赤名)、「次の公演は、烏野が引っ張っていかなければいかないと思うので、がんばります」(山本)、「映像でも伝わるけれど、生の舞台でなければ伝わらないものもあると思うので、興味を持ってくれた方はぜひ遊びに来てください」(織部)とそれぞれ挨拶。

最後は、醍醐は「4月からまた、負ければ終わりの戦いが始まります。〝飛翔〞を超える作品にできるように、カンパニー一同がんばっていきたいと思います!」と新作への意気込みを語り、トークステージを締めくくった。ジャンフェスでは“キツネ化”してしまった面々だが、きっと春には打ち勝つ強い姿を見せてくれるに違いない。

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ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」〝最強の挑戦者(チャレンジャー)〞は、以下の日程で上演される。チケットは、2020 年2月23日(日)10:00より一般発売開始。

【東京公演】2020年3月21日(土)・3月22日(日) TOKYO DOME CITY HALL
【兵庫公演】2020年3月28日(土)・3月29日(日) あましんアルカイックホール
【宮城公演】2020年4月4日(土)・4月5日(日) 多賀城市民会館 大ホール(多賀城市文化センター内)
【福岡公演】2020年4月10日(金)~4月12 日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
【大阪公演】2020年4月17日(金)~4月19日(日) 大阪メルパルクホール
【東京凱旋公演】2020年4月24日(金)~5月6日(水・休) TOKYO DOME CITY HALL

また、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」〝飛翔〞Blu-ray&DVDは、4月22日(水)に発売される。

◆タイトル:ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」〝飛翔〞
【発売日】2020年4月22日(水)
【価格】Blu-ray:9,000円+税/DVD:8,000円+税
【収録内容】本編+特典映像
【頂の3大映像特典】
特典1:カーテンコール映像
特典2:大千秋楽全景映像
特典3:バックステージ映像
※特典内容・商品仕様は予告なく変更になる場合あり

 

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