新国立劇場「2020/2021」ラインアップ発表!岡本健一、浦井健治らのシェイクスピア“歴史劇”ついに最終作へ


新国立劇場「2020/2021シーズンラインアップ説明会」が、2020年1月8日(木)に新国立劇場で行われ、小川絵梨子・演劇芸術監督が2020年9月から2021年8月にかけて上演される計7演目を発表した。「2020/2021シーズン」は、小川にとって任期3年目。演目には、小川がここまで積み上げてきた経験を引き継ぎながら、多様性を取り入れた作品が並んだ。

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新国立劇場 2020/2021シーズン 演劇ラインアップ(計7演目)は、以下のとおり。

2020年9月
<海外招聘公演>『ガラスの動物園』
2020年10月
『リチャード二世』
2020年12月
『ピーター&ザ・スターキャッチャー』(日本初演)
2021年4月
人を思うちから 其の壱『斬られの仙太』(フルオーディション)
2021年5月
人を思うちから 其の弐『東京ゴッドファーザーズ』(新作)
2021年6月
人を思うちから 其の参『キネマの天地』
2021年7月
短編フェスティバル『嘘』(仮題)―はじめての演劇―(新作)

9月の『ガラスの動物園』は、小川芸術監督就任後初となる海外作品招聘公演。フランス、パリのオデオン劇場の協力のもと、2020年3月にオデオン劇場制作によりワールドプレミアを迎えるテネシー・ウィリアムズの代表作『ガラスの動物園』を上演する。主演のアマンダ役はフランスを代表する女優であり、映画、舞台と幅広く活躍するイザベル・ユペール、演出には世界が注目する演出家イヴォ・ヴァン・ホーヴェが務める。

10月の『リチャード二世』は、2009年から続くシェイクスピアの“歴史劇”シリーズ最終作にして、その出発点を解き明かす鍵となる作品。歴史的には最も古い時代を扱った史劇で、すべての発端であり、人々が争う原因となった、ボリングブルック(後のヘンリー四世)による、リチャード二世からの王権奪取が生き生きと描かれる。出演者は、岡本健一、浦井健治、中嶋朋子など、このシリーズには欠かせない俳優陣が集結。演出の鵜山仁をはじめ、スタッフもほぼ同じ布陣で臨み、足掛け12年をかけた壮大な歴史絵巻がついに完結する。

なお、11月にはシェイクスピア歴史劇シリーズ映像上映を予定。どの作品が公開されるのかは、続報を待とう。

【出演】岡本健一、浦井健治、中嶋朋子、立川三貴、横田栄司、勝部演之、吉村直、木下浩之、田代隆秀、一柳みる、大滝 寛、浅野雅博、那須佐代子、小長谷勝彦、下総源太朗、原 嘉孝、櫻井章喜、石橋徹郎、清原達之、鍜治直人、川辺邦弘、亀田佳明、松角洋平、内藤裕志

12月の『ピーター&ザ・スターキャッチャー』は、2004年に米国で出版され、日本でも「ピーターと星の守護団」として知られている小説を基に劇作家リック・エリスが戯曲化した作品。「ピーター・パン」の前日譚として、ある孤児の「少年」が海賊たちと戦う冒険を繰り広げ、どうして大人にならない永遠の少年「ピーター・パン」になったかが描かれる。
ブロードウェイでは2012年に開幕し、同年のトニー賞9部門ノミネート、5部門の賞を獲得した。日本初演となる今回は、ノゾエ征爾を演出に迎える。出演者は未発表。

「人を思うちから」は、日本の多くの人々に愛され続ける上演する新シリーズ。2021年4月の第1弾に選ばれた作品は、三好十郎による大作『斬られの仙太』。本作は、小川芸術監督が就任と共に打ち出した施策の一つ「フルオーディション企画」の第3弾となる。演出を上村聡史が担い、1 月から2月にかけてオーディションを開催(応募は昨年11月より開始)、総勢80にも上る役を16名の出演者で演じ分ける。

「人を思うちから」第2弾(2021年5月)では、2003年に公開された今敏監督の長編アニメーション映画『東京ゴッドファーザーズ』を舞台化。東京の空の下、クリスマスの一夜に、様々な事情を抱えた、年齢も性別も異なる3人のホームレスが遭遇する“奇跡”を描く。演出は、原作に共感したという藤田俊太郎が担当。時代を2003年から2021年に移し替え、現在の東京、そして日本が抱えている様々な問題をも抉り出す。

2021年6月には、「人を思うちから」第3弾として映画人を描いた傑作喜劇『キネマの天地』を上演。映画『キネマの天地』(1986 年公開/監督:山田洋二、井上ひさしも作者の一人として参加)の続編として、井上ひさし自身の書き下ろしと演出で、同年に初上演されている。映画出演のために集められた4人の女優が巻き込まれる、殺人事件を描いた井上流推理喜劇。演出には、小川芸術監督が挑む。出演は、高橋惠子、鈴木杏、趣里、那須佐代子、佐藤誓、章平、千葉哲也。

「より多くのお客様に劇場に足を運んでいただき、出来る限り気楽に演劇に触れてほしい」という思いから生まれる、短編フェスティバル「嘘」(仮題)―はじめての演劇―。本公演は、普段はなかなか公演出来ない短編(最短5分~最長45分程度)を集め、小劇場、中劇場を中心に、観客が場所・時間帯で作品を任意に選び、観ることができるフェスティバル形式での上演になるという。日本・海外作品問わず、書き下ろしの新作も含む10作品から12作品程度に、幅広い世代の演出家を起用する予定だ。

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