本公演ラストに向け“支え合う”テニミュ!ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編レポート


2019年12月19日(木)に、東京・日本青年館ホールにてミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編が開幕した。初日前にはゲネプロと囲み会見が行われ、会見には越前リョーマ役の阿久津仁愛(にちか)、手塚国光役の青木 瞭、幸村精市役の立石俊樹、跡部景吾役の三浦宏規が登壇。いよいよ本公演ラストとなる今作について、見どころや意気込みが語られた。

会見では、まず阿久津が「試合は約1年半ぶり。今回はずっと舞台上にいるなと思いました。前回の公演は待機していることが多かったので嬉しいです。58公演無事に駆け抜けられるか不安もありますが、リョーマも楽しんでテニスをしているので、笑顔で楽しんで、がんばっていきたいと思います」と前編公演からの流れを汲みながら挨拶。

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青木は「3rdシーズン最後の本公演になります。これまで、みんなで一人を支える、一人のために動く青学(せいがく)を目指してきました。それが実現できればチームの絆もすごく上がると思いますし、個々の団結力も高まります。今回も、仁愛を全力で支えていきたいと思います」と頼もしい言葉を聞かせてくれた。

立石は「関東大会立海公演から約3年が経ち、待ちに待った初試合。3rdシーズンラストの本公演で越前リョーマとの試合ができると決まった時から嬉しかったので、命がけで向き合っていきます。一生懸命稽古してきたので思い切りリョーマを倒しにいきたいと思います」と気合十分。

三浦は「跡部として帰ってこられたことを本当に嬉しく思います。氷帝からは日吉と僕二人だけの出演ですが、他のメンバーの気持ちも背負って一緒に仁愛を支えていきたいと思います今まで関東大会氷帝公演から全国大会立海公演の最後までを一人の跡部が演じたことがなかったので、がんばっていきたいと思っています」と意気込んだ。

見どころについて問われると、阿久津は「全部です!」と即答した。さらに「ライバルズの試合もそうです。僕自身がこれまでの本公演で戦ってきたメンバーや、8代目のリョーマ、古田(一紀)さんが戦った相手もいるので、自分なりにすごく研究して試合を作ってきました。そしてシングルス1。俊くん(立石)は試合が初めてなのにオーラもすごいんです。
負けられないなという気持ちで挑んでいきますので、苦しんでいる姿も楽しんでる姿も全部が見どころです」。

青木は「今回は青学(せいがく)の曲があります。本公演でこの12人で踊れるのは最後なんだという思いを全員でぶつけて、青学(せいがく)らしく明るく強くできたんじゃないかと思っています」と語った。また、「リョーマが記憶を取り戻していく過程に大事なシーンがたくさんあるので、一つ一つ注目してほしいです」とコメント。

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立石は、「シングルス1ですね。テニスを楽しむ越前リョーマと負けてはならない環境の幸村が戦うことで、肉体だけではなく精神的な戦いも繰り広げられます。さらにずっと僕が歌いたかった曲もたくさん詰め込まれているのも見てほしいです」と思いを語った。

三浦は「ライバルズが全員集まったシーンです」と回答。その理由は、「全く色の違うチームのメンバーが一緒になってリョーマの記憶を思い出させるっておもしろいと思うんですよ。ライバルズは今回初めて集まりましたが、絆は強いです。おそろいのパーカー、帽子を作ったりして。絆は青学(せいがく)や立海にも負けていないと思います」とアピール。

最後に、阿久津は「前編公演の大千秋楽の挨拶で、テニミュの夏はまだまだ終わりませんと言いましたが、本当にその通りで、外は冬ですが劇場は夏です。とにかく全力で、トラブルなくしっかり駆け抜けられることが一番幸せだと思います。今の状況に甘えずに、いいものを届けられたらと思いますので、東京凱旋公演までどうか応援よろしくお願いします」と力強い言葉で会見を締めくくった。

前編公演ではシングルス3、ダブルス2、シングルス2、ダブルス1までの熱戦が描かれ、両者2勝2敗で勝負の行方は越前リョーマと幸村精市のシングルス1に託された。

オープニングでは、立海メンバーが重厚感たっぷりに歌い上げる。その後には青学(せいがく)が、明るく絆が感じられる曲を披露。「勝利」を重視する立海と、明るく、元気にテニスをする青学(せいがく)。その対比が描かれているようだった。

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さて、シングルス1を迎えるまでには、越えるべきハードルが一つ。それは、失われたリョーマ(阿久津)の記憶を取り戻すこと。リョーマは決勝戦直前、父親である南次郎(森山栄治と上島雪夫のWキャスト、ゲネプロは森山が出演)と軽井沢で修業をしていたところ、不慮の事故で滝つぼに転落。記憶をすっかり失い、普段の少し生意気な態度は影を潜めていた。

前編の段階で、乾(竹ノ内大輔)、桃城(大久保 樹)、海堂(中島拓人)の奮闘の甲斐あって、だんだんテニスを思い出し始めたリョーマ。しかし、3人では限界があり、これまでのリョーマの対戦相手に助けを求めることに。

不動峰の伊武(健人)、聖ルドルフの不二裕太(大原海輝)、山吹の亜久津(川上将大)、氷帝の日吉(内海啓貴)、比嘉の田仁志(高田 誠)、跡部(三浦)、幸村のチームメイトでもある真田(田鶴翔吾)がリョーマと対戦。過去の試合をなぞるようなラリーの間に、リョーマは本来のギラギラとした好戦的な瞳になっていく。各々の試合時の楽曲をベースとした歌があることで、観客もリョーマと同じようにその試合の記憶を取り戻していくようだ。

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そして、ライバルたちのおかげで記憶を取り戻したリョーマは、清々しい表情で幸村の待つコートへ向かう。しかし「神の子」である幸村はリョーマの技をものともせず、無表情で追い詰める。幸村に翻弄され、絶望の淵に立ちながらも「テニスって楽しいじゃん!」とキラキラと瞳を輝かせる姿は、まさに王子様。これはリョーマがいてこそ始まった物語なのだ、と改めて思い知らされる。

本公演では5曲の新曲を披露。今回リョーマ、幸村以外の青学(せいがく)、立海メンバーの試合はないものの、本公演ラストということも相まって、それぞれがチームメイトを応援する声には熱がこもっている。一生懸命な彼らを目の前にすると、どちらにも勝ってほしい、そんな思いを抱かずにはいられない。1stシーズンと2ndシーズン、それぞれのシーズンの要素をちりばめながら、さらに進化した3rdシーズンの全国大会決勝。最終的にどのようなラストを迎えるのか、テニミュの“夏”の終わりを見届けよう。

ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 全国大会 青学(せいがく)vs立海 後編は、上演時間約2時間45分を予定。日程の詳細は以下の通り。

さらに、2020年2月16日(日)の大千秋楽公演では、日本全国および香港、台湾にてライブビューイングが行われる。

【東京公演】2019年12月19日(木)~12月24日(火) 日本青年館ホール ※終了
【大阪公演】2019年12月28日(土)~2020年1月12日(日) 大阪メルパルクホール
【宮城公演】2020年1月17日(金)~1月19日(日) 多賀城市民会館 大ホール
【愛知公演】2020年1月24日(金)~1月26日(日) アイプラザ豊橋
【福岡公演】2020年1月31日(金)~2月2日(日) アルモニーサンク北九州ソレイユホール
【東京凱旋公演】2020年2月6日(木)~2月16日(日) TOKYO DOME CITY HALL

【公式サイト】https://www.tennimu.com/

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 4号)

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