「Identity V 第五人格」を舞台化したEpisode1『What to draw』開幕!会場全体を使った「追いかけっこ」に漂う緊迫感


「Identity V 第五人格」を舞台化したIdentity V STAGE Episode1『What to draw』が、2019年11月29日(金)に東京・サンシャイン劇場にて開幕した。逃亡者「サバイバー」は追跡者「ハンター」から逃げ、追跡者「ハンター」は逃亡者「サバイバー」を捕え、それぞれの勝利のために“逃げ(追い)続ける”という人気非対称対戦ゲームを原作にした作品。舞台でも「サバイバー編」と「ハンター編」の両サイドから描かれ、「サバイバー編」では平井雄基が演じる納棺師イソップ・カールを軸にした物語を展開。「ハンター編」は五十嵐啓輔が演じるジョゼフを中心としたストーリーとなっている。エンタステージでは「サバイバー編」の模様をレポートする。

(※以下、本編のストーリーに触れています)

「サバイバー編」の物語は、とある夜に、納棺師・イソップが荘園の門をくぐるところから始まる。招待状を手掛かりにこの地を訪れたイソップは、そこで先住者たちから「この荘園からは二度と出られない」「恐ろしいハンターを相手にした特別な『ゲーム』が毎日開催される」「『ゲーム』への招待状が届いたら絶対に参加しなければならない。逃げることはできない」という“ルール”を教わる。覚悟を決めることなく、初めてのゲームに参加することになったイソップ。そこで冷徹なハンター、写真家ジョゼフと出会う。

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納棺師という「死」を間近にした仕事に就いていながら、ジョゼフによって初めて本物の「死」を感じることができたイソップは、それ以降、「死」に取り憑かれ、奇妙な行動を繰り返すようになる。その行動は、サバイバーの仲間たちを苛立たせ、ハンターたちを困惑させた。そして、ついにジョゼフがある行動に出て・・・。

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「サバイバー編」では、ハンター側の事情はほとんど明かされない。しかし、ハンターの居館シーンが(劇中1シーンではあるものの)「サバイバー編」でも描かれることで、ハンターにも人間味が生まれ、そのシーン以降、ハンターたちの見方も大きく変わる。これは、原作ゲームにおける“プレイヤーは「サバイバー」としても「ハンター」としても参加できる”というシステムを忠実に反映したものだと感じられた(当然ながら、本作が「サバイバー編」「ハンター編」が上演されるのも同様であろう)。

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イソップがジョゼフに出会って変わったように、ジョゼフもまたイソップに出会ったことで何かが変わったはずだ。その思いとはどんなものだったのか。ハンターの居館シーンは、「両サイドから見たい」と強く思わせる見事なシーンだった。

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また、客席通路を積極的に使い、会場全体で「追いかけっこ」を表した演出も印象的。客席に隠れるサバイバー、それをステージ上や通路から探すハンターの姿に、否応なしに緊張感が高まる。そして、ステージ上では舞台セットを移動させ、その合間をキャストたちが駆け抜けるという演出で「追いかけっこ」を表現しており、こちらも印象的なシーンに仕上がっていた。

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本作のタイトルに「Episode1」とあるように、物語はまだまだ始まったばかり。2020年6月には第2弾の上演も予定されており、今後の展開にも期待が高まる。

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Identity V STAGE Episode1『What to draw』は12月8日(日)まで東京・サンシャイン劇場でにて上演。上演時間は、約2時間40分(休憩なし)を予定。

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(取材・文・撮影/嶋田真己)

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