『鎌塚氏、舞い散る』ともさかりえが三宅弘城とのキスシーンを熱望!? プレスコール&初日前日会見レポート


2019年11月22日(金)からM&Oplaysプロデュース『鎌塚氏、舞い散る』が開幕。11月21日に公開フォトコールと初日前日会見が東京・本多劇場で行われ、主演の三宅弘城の他、ともさかりえ、片桐仁、小柳友、広岡由里子、玉置孝匡、岡本あずさ、大空ゆうひ、そして作・演出を務める倉持裕が登壇した。

本作は、2011年『鎌塚氏、放り投げる』で始まった「鎌塚氏シリーズ」の第5弾。夏に上演されることの多いシリーズの中で、初めて冬に上演される今回は、雪山を舞台に女主人(大空)に仕えるアカシ(三宅)と、パートナーであるケシキ(ともさか)の恋の行方、女主人の秘めたる恋の模様などが描かれていく。

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プレスコールでは、主人と客人の前で失態を演じたアカシをケシキが励ます第14場から、アカシらがそれぞれの思惑を持って雪山へ向かう第17場までが公開された。沈んだ様子で部屋に入ってきたアカシ役の三宅はその身体能力をいかんなく発揮したダイナミックでアクロバティックな動きでその落ち込みようを表現。その後気持ちを落ち着かせて机に座って音楽を聴く姿とのギャップに驚かされた。そんなアカシの元にやってきたケシキは、アカシを励ましつつもいつものように話がかみ合わなくなり、心がすれ違ったまま部屋を飛び出してしまう。アカシとケシキの変わらぬやり取りに傍目からは安心した気持ちにさせられるが、本人たちのなかでは色々ともやもやが溜まっているようだ。

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第15場では部屋を飛び出したケシキに声を掛ける若い女中・円子(岡本)は、アカシへの思いを隠しもせずケシキに「これ以上(アカシを)惑わせないで」とケシキに強く訴える。そして、怒涛の口論の中でこぼれ出る言葉から、自分なりにアカシのことを思っている2人の気持ちを感じ取ることが出来る。2人の後ろに見えるアカシの背中からあふれ出る哀愁と相まって、目がひきつけられる場面となったその後の16場では山の上の侯爵の別荘へ出かけようとするマヤコ侯爵夫人(大空)を引き留めようとするアカシが描かれた。悪天候になることを見越し、雲の様子を見てもう少し日にちを置いた方がいいと助言するアカシはまさに“完璧なる執事”だった。

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第17場では結局雪山へ向かってしまった夫人を見送ったアカシが屋敷の中で銃声を聞き、その音がする部屋へ向かう姿が。自分たちに復讐しようとしているスミキチ(玉置)を追う堂田夫婦(片桐、広岡)が猟銃を持ちだし、アカシにスミキチを出すよう迫る姿、そしてその後スミキチがケシキを人質に取り、堂田家の執事・ヨウセイ(小柳)らの制止の声を振り切って雪山へと逃げる時のやり取りは、コミカルでもあり緊迫感もあり何とも言えないソワソワとした気持ちにさせられる。たった4場ながら、ワクワクドキドキとした物語を見せてくれる本作。きっと最初から最後まで笑いと緊迫感で目が離せなくなるだろう。

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初日前日会見では作・演出を務める倉持が「今回は雪山の別荘が舞台で、アカシとケシキの恋、そして大空さん演じるマヤコ侯爵夫人の秘めたる恋という2つのラブストーリーを軸にしたラブコメです」と語り、「このシリーズは今後も続けていくつもりなのですが、アカシとケシキの長年引っ張ってきた恋がある決着をみるということで、『鎌塚氏シリーズ』のファーストシーズンの最終回ともいえる作品になると思いますので、ぜひご期待ください」とコメント。

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その言葉に少し衝撃を受けたような表情の三宅は「2年ぶりにまたこのかわいらしい世界に立てることを幸せに思っております」と喜びつつ、「最終回ということで今寂しい気持ちになったんですけど、でもまだ続けるということも仰っていたので安心しております(笑)」と胸をなでおろした。

2年ぶりに鎌塚氏を演じることについてはさらに「毎回、倉持さんが書くせりふを口にしてきたんですが、今回特にこの鎌塚アカシというキャラクターは倉持さんと僕とで作ってきたんだなという想いが特にありました」としみじみ語った。

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アカシの旧知の仲である女中・ケシキを演じるともさかは「個人的にとても大好きな作品なので、またこの場に帰ってくることが出来てとてもうれしいです」と笑顔で語り、「今回は初の冬場所ということで、これまでとは趣の違った空気が流れています。『鎌塚氏シリーズ』をごひいきの方でしたらきっとアカシとケシキの煮え切らないものを含めて楽しんでいただいていたかと思うんですが、今回ある決着を見るということで今までにないロマンチックな展開もあります。私も胸が張り裂けそうになりながら稽古してきました(笑)。沢山の方々に楽しんでいただけたらいいなと思います」とコメントした。

また、ともさかは倉持にアカシとケシキのキスシーンを書いてほしいとお願いしていたとのことで、「ちょうど去年の今頃、三宅さんがこの本多劇場で『ロミオとジュリエット』に出演していて、それを観たんですが・・・三宅さんがキスシーンを何度もしているのをみてすごくショックで(笑)。倉持さんと一緒に観劇していたという事もあって、鎌塚氏を思い出してこれは何とかして鎌塚氏でキスシーンをしないと気持ちが収まらないなと思いまして(笑)」とお願いをした時の心境を明かし、記者たちの笑いを誘った。

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第1弾、第3弾に続き、3度目の出演となる堂田役の片桐は「第1部の“完”という感じになるんですが、(アカシとケシキ)2人の恋に決着はつくけど、我々堂田夫妻は何も決着がついてないので第2部にも呼んでいただけるように・・・三宅さん以外全とっかえということもありますからね(笑)」と笑いを誘いつつ、「今回貴族チームが少なくて、我々も貴族感がないままやっていますので、もしもの世界だけど現実世界みたいな、そういう感じで楽しんで稽古したのでそこを楽しんでいければと思います」とアピール。

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今回「鎌塚氏シリーズ」初参加となる堂田家の執事・佐双ヨウセイ役の小柳は「シリーズは全部見させていただいたんですが、この世界に入れることを光栄に思います。これから本番を迎えることにすごくわくわくしているのですが、それをお客さんと共有できたらいいなと思っています」と意気込んだ。

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堂田の妻・タヅル役の広岡は「セットを見ても衣装を見てもファンタジーの世界かなと思うんですけど、さっき倉持さんからお話があったようにラブストーリーを軸にきっちりとした人間模様が描かれているので、皆さまに楽しんでいただけるのではないか・・・ところどころで共感していただけるんじゃないかと思っています」と“ところどころ”を強調したコメントを。片桐から「全部じゃないの?」とツッコまれると「ところどころです(笑)。人間心理も描かれておりますので、乞うご期待です」とアピールした。

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第1作目から全シリーズに出演している玉置は「回を重ねるごとに面白くなっていくんですよね」としみじみ語り「世界観もどんどん出来上がっていて、シンプルにそぎ落とされて無駄のない感じにさらになっております。楽しめる作品になっていると思うので、沢山のお客さんに見ていただけたらと今回も思っております」とコメント。

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大空演じる北三条マヤコの家で働く若い女中・円子ミア役の岡本も「今回初めて参加させていただくんですが、最年少で、私自身本多劇場に立つのも初めてでして、本当に緊張しております。先輩方の助けをお借りし、鎌塚氏の世界観に染まれるように精いっぱい頑張りたいと思います」と緊張した面持ちながら力強く意気込んだ。

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そして、北三条伯爵家の女主人・マヤコ役の大空は「客席から見て大好きだった『鎌塚氏シリーズ』の中に自分が生きているというこの毎日が本当に光栄というか、幸せです」と喜び、「今回初の鎌塚氏が仕える女主人ということで、少々プレッシャーを感じていますが、鎌塚氏と過ごせる冬をお客様と共に楽しみたいと思います」と笑顔で語った。

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M&Oplaysプロデュース『鎌塚氏、舞い散る』は下記の日程で上演。上演時間は約2時間10分を予定。

【東京公演】2019年11月22日(金)~12月11日(水) 本多劇場
【大阪公演】2019年12月14日(土)~12月15日(日) サンケイホールブリーゼ
【島根公演】2019年12月17日(火) 島根県民会館 大ホール
【石川公演】2019年12月20日(金) 金沢市文化ホール
【宮城公演】2019年12月22日(日) 電力ホール
【名古屋公演】2019年12月25日(水) ウインクあいち 大ホール

【公式サイト】http://mo-plays.com/kama5/

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部 3号)

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