磯貝龍乎による“仕掛け”満載の『五右衛門マジック』開幕!和田琢磨「同世代の刺激になるような作品に」


舞台『五右衛門マジック』が、2019年10月10日(木)に東京・CBGK シブゲキ!!にて開幕した。本作は、磯貝龍乎が脚本・演出、吉谷光太郎がプロデュースを手掛けるをオリジナル作品。初日前には、公開ゲネプロと囲み会見行われ、磯貝のほか、出演者より和田琢磨、山口大地、小野健斗登壇し、公演に向けた思いを語った。

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主人公は、奇術師・佐治(和田)。天下の大泥棒・石川五右衛門(山口)と共に、重税に苦しむ町民の“救世主”となるべく、豊臣秀吉の“国家機密”を盗み出す・・・。コメディ要素が散りばめられた中に、二重三重の“真実”が隠された盛りだくさんなエンターテインメント作品となっている。音楽はROUが担当。

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佐治役の和田は「テーマパークの乗り物に乗っていただいているような作品になっています。いろいろな仕掛けもあり、心が動くような言葉もたくさん散りばめられている、非常に見応えある仕上がりになりました」と自信をのぞかせる。そして「同世代の仲間で一つの作品を作れるのは誇らしい気持ちです。これを観たお客様、同世代の俳優たちにとって刺激になるような作品になればいいなと。千秋楽まで僕たちも楽しみたいと思いますので、お客様も隅から隅まで楽しんでいただければと思います」と呼びかけた。

また、演出家としての磯貝について「こんなに明るい演出家とはご一緒したことはなくて」とその人柄に触れる。磯貝は、たくさん褒める演出スタイルだそうで「いつも『ナイスゥ!』と声をかけてくれるんです(笑)」と、磯貝のモノマネを交えて稽古場の様子を語った。

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なお、石川五右衛門役を演じる山口は、出演予定だった戸谷公人が椎間板ヘルニアの悪化により降板せざるを得なくなったことを受け、代役出演が決まった。「楽しむ余裕もなくて、切羽詰まって台本を覚えた」という山口だったが、「みんなが『大丈夫だよ、できるよ』って言ってくれたことが、心の支えになりました。しっかりと戸谷くんの想いも背負って、しっかり物語をまっとうできればと思っております」と振り返りつつ、「最後のどんでん返し、“サプライズ”も楽しみにしていただければ。笑いも秀逸なので、それも楽しんで!たくさん笑っていただけるとありがたいです」と笑顔を見せた。

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石田三成役の小野は「最初、台本を読んだ時はどうなるんだろう?と理解できない部分も多かったんですが、それを具現化していくうちに、マジックの種明かしのような現象が稽古場で起きて、これは『おもしろい作品になる』と確信しました」とコメント。さらに、「今回はメインキャストがほぼ皆、30(歳)オーバー。なかなかそういう現場はないんです。30オーバーの我々が、誠心誠意、全力でがんばっていますので、その姿を一度観に来ていただけたら」と語った。

また、脚本・演出の磯貝は「“マジック”というと手品のイメージがつきがちですが、人の目を“欺く”という意味を込めました」と説明。「素敵なキャストたちに助けられて、皆様に助けられて、この作品が出来上がりました。素晴らしいものになったと思います。何回見ても楽しめる作品だと思うので、お楽しみください」とアピールした。

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【あらすじ】
世は、戦国時代。そこには、幻術士の果心居士(かしんこじ)と、天下の大泥棒・石川五右衛門という二人のエンターテイナーがいた。五右衛門は、重税に苦しむ町民のために、豊臣秀吉の暗殺を試みるが、果心居士の策により死罪となり、また果心居士も豊臣秀吉にその腕を恐れられて、命を狙われて姿を消した。

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時は流れ、奇術師の佐治(和田)という男がとある見世物通りでパフォーマンスを披露していた。そこへ、盗人の小平太(山口)とその仲間の鼠(末野卓磨)が石田光成の部下・前田玄以(小沼将太)と平賀源大(松井健太)に追われて駆け込んでくる。捕まるすんでのところで佐治の奇術によって助けられた小平太は、佐治から「一緒に組んで一番のエンターテイナーになろう」と誘われ・・・。

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冒頭の石川五右衛門と果心居士のシーンから、軽妙ではありながらも「戦国時代」という舞台設定とはまた一味違う、不思議な世界観が物語を彩る。タイトル通り、全編にわたって「マジック」や「奇術」が登場することで、その感覚はより深くなった。この「マジック」「奇術」は本作の最大のポイント。ラスト30分の怒涛のどんでん返しの嵐は、まさに「マジック」の掛け合い。誰が誰を欺き、誰が味方で誰が敵だったのか。そして石川五右衛門、果心居士とは何者だったのか。最後の最後まで気が抜けない。きっと、ほとんどの観客がその「マジック」に翻弄されるのではないだろうか。

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一方で、小沼演じる前田玄以と松井演じる平賀源大の掛け合いを始め、思わずクスッと笑ってしまうネタもあちこちに見られ、物語に華をそえる。囲み取材では「30オーバー」という言葉も飛び出していたが、中心となるキャストたちが皆、場数を踏んだ手練の役者ばかりのため、笑いのシーンにも安定感がある。笑って、騙されて、驚いて。最後にはどこか爽快感も味わえる、極上の「マジック」を体感できる作品となっていた。

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舞台『五右衛門マジック』は、10月20日(日)まで東京・CBGK シブゲキ!!にて上演。上演時間は約2時間10分(休憩なし)を予定。

(取材・文・撮影/嶋田真己)

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