パルコ劇場オープニング作品第1弾は渡辺謙主演『ピサロ』


2020年春、PARCO劇場オープニング作品第1弾として『ピサロ』の上演が決定した。『ピサロ(原題:The Royal Hunt of The Sun ザ・ロイヤル・ハント・オブ・ザ・サン)』は、『エクウス』『アマデウス』『ブラック・コメディ』といった作品を生み出した英国の劇作家ピーター・シェーファーの傑作戯曲。主演は、渡辺謙が務める。

物語は、太陽を父とする帝国2400万人を従えるインカの王を、粗野な成り上がりのスペイン将軍ピサロとならずもの167人で生け捕りにしてしまうという、インカ帝国征服を主軸にした内容となっている。PARCO劇場では、1985年に上演(演出:テレンス・ナップ、主演:山崎努)。PARCO劇場の功績が語られる際は、必ず取り上げられる作品となった。

今回の演出を務めるのはウィル・タケット。25年以上に渡り、ロイヤルバレエのメンバーとして出演、振付師としても活躍したタケットの演出は、今年4月に上演されたトム・ストッパードの異色作『良い子はみんなご褒美がもらえる』(W主演:堤真一・橋本良亮)が記憶に新しい。

ピサロ役となる渡辺は、1985年の上演時、太陽を父とする帝国2400万人を従えるインカの王アタワルパ役を演じていた。当時無名だった渡辺だが、ピサロを演じた山崎に引けを取らない演技で、自身の名を世に知らしめることとなった。渡辺は、この公演を含め、PARCO劇場に立った経験を振り返り、同劇場を「自分にとって俳優人生のエポックな劇場」と語っている。以下、渡辺のコメント全文を紹介。

◆渡辺謙
『ピサロ』は35年前に山崎努さんとご一緒させていただきました。俳優を一生の仕事としてやっていく覚悟が決まった舞台でした。当時、山崎努さんに何度もぶつかっていっては、弾き飛ばされることを繰り返したことを思い出します。その経験がそれ以降の仕事でも、押し寄せてくるものにただ立ち向かっていく、そんな自分のスタイルを今でも変えずにいられているのだと思います。

デビューもここ『下谷万年町物語』でした。そして14年ぶりに舞台に戻ったのも、ここPARCO劇場での『ホロヴィッツとの対話』でした。ここでの舞台は常に自分にとって俳優人生のエポックな劇場なのです。今年60歳という人生の節目に、新生PARCO劇場で再びこの戯曲に立ち向かえることを運命だと感じています。もう一度Rebornするためにこの作品があるような気がしています。前回の舞台とは時代も変わり、まったく違う作品になっていくと思います。きっと今まで味わったことのない芝居づくりが、これから待ち受けているような予感がしています。

この作品は我々人類が繰り返している異文化の衝突が描かれています。その「衝突」が起きた時「おまえはそこでどう生きるんだ、どう感じるんだ」とピーター・シェーファーは問い続けているのではないでしょうか。俳優としても一人の人間としてもどう生きるんだと、問われている気がしてなりません。もう一度自分を更地に戻して、そこから自分の中にあるものを自身に問う旅になるような気がします。

PARCOプロデュース『ピサロ』は、2020年3月13日(金)から4月20日(月)まで東京・PARCO劇場にて上演される。チケットは、2019年11月23日(土・祝)より一般発売開始。

【詳細】http://www.parco-play.com/

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