原嘉孝、桜井玲香、元木聖也らによるコンゲームなコメディ『THE BANK ROBBERY!』開幕


2019年8月2日(金)より東京・新国立劇場 中劇場にて、舞台『THE BANK ROBBERY!~ダイヤモンド強奪大作戦~』が開幕した。その初日には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、原嘉孝(宇宙Six/ジャニーズJr.)、桜井玲香(乃木坂46)、元木聖也、田中要次、そして演出の小林顕作が登壇した。

本作は、イギリスの頭脳派コメディ劇団「Mischief Theatre(ミスチーフシアター)」の最新作(「The Comedy About A Bank Robbery」by Henry Lewis, Jonathan Sayer & Henry Shields)。軽快なテンポの中で、巧みな言葉遊びと計算されたストーリー構成、意表を突く演出で人気を博し、数々の演劇賞を受賞している人気作だ。日本初上演となる今回、翻訳は谷賢一、演出は小林が務める。

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物語は、ハンガリーの王子から高価なダイヤモンドを預かることになったアメリカ・ミネソタ州のミネアポリス都市銀行を中心に展開。ダイヤモンド窃盗の陰謀を図るスリ、脱獄囚、泥棒、詐欺師たちがその街に集まり、ハラハラドキドキのサスペンス・コメディーが繰り広げられる。

ゲネプロを終えた小林は「自分が思っていたよりテクニカルな部分も含めていい感じ。転換が多くて大変なのですが、スタッフも含めてキャストのチームワークがいいので、出来もいいです」と自信を見せた。

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2016年に上演されたMischief Theatre原作の『九条丸家の殺人事件』(原題「THE PLAY THAT GOES WRONG」)では、劇中劇の洋館を舞台としたドタバタ感のあるシチュエーション・コメディーだったが、本作は小林の言葉どおりに銀行を舞台の中心としながらも、シーンが大幅増。同じくイギリスのサスペンス・コメディー『THE 39 STEPS』のように複数のシーンが絡み合うことで、笑いとストーリーにも深みがもたらされている。

出演には原、桜井、元木、田中のほか、尾上寛之、しゅはまはるみ、溜口佑太朗(ラブレターズ)、塚本直毅(ラブレターズ)、大堀こういち、市川しんぺーが名を連ねている。

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主演のスリ常習犯・サムを演じる原は、本作が舞台単独初主演。「お話をいただいた時はプレッシャーを感じていたのですが、笑いが絶えない稽古場だったので緊張がほぐれました」と稽古を振り返り「サムはほかの登場人物に比べて意外と普通の男です。クセで財布を盗んじゃうぐらいの感覚だけど、普通に恋もしますし、お母さんのことが大好き。そういう違う面を演じられたらと思います」と意気込んだ。

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結婚詐欺師・カプリス役の桜井は「かわいらしい部分もありつつ、詐欺師らしい素が出る瞬間もあるので、うまく強弱つけて表現したいです」と役作りを説明。本作の稽古期間中に乃木坂46からの卒業を発表し、グループとして最後の舞台となることについて「アイドルだということを忘れてもらえるくらい、コメディエンヌとして徹底します」と熱い気持ちを語った。

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カプリスの元彼で脱獄囚ミッチを演じる元木は「この作品の中でも1番の悪党。ダイヤモンドを盗むためだったら人を殺すこともいとわないという極悪人です」とキャラクターを解説。コメディーとして様々なハプニングも発生する本作に対して「桜井さんがアドリブで切り抜けたりといろんなことが起きます。でも、それが楽しい」と余裕を感じさせるコメントを披露。

原のジャニーズらしからぬ演技や顔芸、コメディエンヌとして開花した桜井、アクロバットが特技の元木によるアクションなど見どころが盛りだくさんの本作。3人による恋の三角関係も巻き起こる中、登場人物たち全員による騙し、騙され合いが重なることで起きる勘違いの連続に、事態は思わぬ方向に進んでいく。

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メインとなる原たち3人だけでなく、脇を固めるメンバーたちがさらなる笑いをもたらしてくれる。ミッチの相棒クーパーを演じる尾上が混乱に拍車をかけ、サムの母親ルースを演じるしゅはまの天然ぶりが笑いを誘い、その他大勢を演じる溜口と塚本の二人の早着替えも注目だ。

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特に銀行支配人フリーボーイズ役の大堀、銀行従業員ウォーレン役の市川、FBI捜査官シュック役の田中たちベテランの体を張った演技には爆笑の連続。本作の出演について、田中は「コメディーをやりたいとずっと願っていて、やっとおもしろそうな作品に出会えました。ですが、舞台に立つのが7年ぶりで、ミュージカル仕立てだということをまったく知らずに参加してしまい、もう汗だくです(笑)」と冗談交じりに舞台参加への喜びを語った。

本作はロンドン上演版とは異なり、日本オリジナルとなるミュージカル・シーンが大幅追加。笑いだけでなくエンターテインメント性も満載の舞台となっている。

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後半の見どころの一つである原のミュージカル・シーンについて、小林は「サムに歌のシーンがなくて、原くんから「僕だけ歌のシーンがないんですけど」と言われたので、1日で作りました(笑)」と裏話を披露。

その話に原は「題名は『俺に歌が無かったから』とそのまんま(笑)。歌詞も“ここで見せなきゃ先輩たちに怒られる”とサムじゃなくて原の歌なんですよ(笑)」とジャニーズ・ネタで笑いを誘い「ただ、コメディーだから許されるかなと思っていますし、それで歌をゲットできたのだからありがたいです」と感謝を述べた。

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最後に原は「この作品はコメディーということで誰でも楽しめる作品です。その場のお客さんとの空気のやり取りを、僕たちも楽しみつつ演じられたらと思っています」と会見を締めた。

スラップスティックな笑いと緻密に計算された笑いの織りなすコンゲームがこの夏の暑さを吹き飛ばしてくれる、そんな愉快な舞台をぜひ劇場で体験してほしい。

『THE BANK ROBBERY!~ダイヤモンド強奪大作戦~』は、以下の日程で上演される。

【東京公演】8月2日(金)~8月12日(月・祝) 新国立劇場 中劇場
【大阪公演】8月16日(金)・8月17日(土) 森ノ宮ピロティホール

【公式HP】https://www.thebankrobbery.com
【公式twitter】@thebankrobbery

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

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