ジャニー喜多川氏の思いも込めてトニセン舞台第2弾『カノトイハナサガモノラ』開幕


坂本昌行、長野博、井ノ原快彦ら20th Century(トニセン)のTWENTIETH TRIANGLE TOUR(通称:TTT)第2弾となる『カノトイハナサガモノラ』が7月27日(土)に開幕した。初日前にはゲネプロと囲み会見が行われ、坂本、長野、井ノ原が登壇。

「TTT」とは、「未知の舞台表現を開拓し、観客と共に新たな旅に出よう!」という思いからコンサートやトークショー、ミュージカルとも違う、まだ出会ったことのない、音楽と演劇が融合した“Playwith Music”=「新しい舞台のカタチ」を目指し、トニセンが創り上げる公演。2017年の第1弾『戸惑いの惑星』を上演している。

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今回の舞台となるのは、ライブハウスを想像させるような場所“ソウル・ターミナル”。坂本、長野、井ノ原が演じるサカモト、ナガノ、イノハラがやってきて、他愛もない会話をし、思いを込めた歌を披露していく。そこからそれぞれの過去、現在、未来、そして嘘や本当が見えてくる・・・という物語が展開する。

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誰も気づかないうちにふらっと出てきた3人が、舞台を歩き回り、そして唐突に歌い踊りだし、その後はナチュラルに会話を始めた。言葉一つに過敏に反応する繊細な一面を見せるサカモトと、自由で不思議な雰囲気を醸すナガノ、そしてそんな二人に甘えるように質問を重ね、会話を展開させようとするイノハラ。素なのか、それとももうお芝居が始まっているのか、世界線があいまいなまま3人の会話に引き込まれていった。

今回の公演では、「会って話を」などトニセンの楽曲の他にも「コバルトブルー」など、それぞれのソロ曲やV6の「愛なんだ」など、様々な名曲を披露。ソロ曲ではマジックあり、タップダンスあり、フライングありのアイドルらしさを発揮しつつも、ふと会話が始まるとそこには等身大の40代の男性である3人がいて、“手を取り合えば無重力”というキャッチコピーらしく、ふわふわと不思議な気持ちに導かれる。

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会見では、井ノ原が1年半前から今回の公演の準備を始めていたと明かし、「中々3人で会うこともないので、3人でしかできないもの、他で出来ないことをここでやろうということで、ちょっとやりすぎちゃった部分もあるかもしれないですけど(笑)。ファンの皆様に楽しんでいただけるかなと思います」と自信を見せた。

一方、その“やりすぎた”疑惑のあるマジックシーンを演じた長野は「やりすぎですかね(笑)?」ととぼけ顔になり、「久々だわ、マジック。かけてんのか、かけられてんのよく分からない(笑)」と自身も不思議な感覚であることを明かす。

劇中では、ジャニー喜多川氏の話も出てきており、トニセンらとの思い出が舞台に散りばめられているように感じた。「TTT」というユニット名も、井ノ原がジャニー喜多川氏にお願いしてつけてもらったと言い、「どういう意味か聞いたら“TWENTIETH TRIANGLE TOUR”って言われて、『お客さんみんなにトライアングル配っちゃいなよ。あんなの一個1000円くらいだよ』とも提案されたんですけど、『それが大変なんだよ!』って(笑)。そういうこともあって今回は、前回なかったトライアングルの演出を入れました」と、ジャニー喜多川氏と話をしていたことが今回の公演に繋がっているという。

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また、ジャニー喜多川氏が入院中のエピソードも語られ、「Jr.の子たちがジャニーさんが寝てる時に『8月8日にライブあるから見に来てね!』とか、いろんな子が言っていて、観に行けたらいいなって思っていたんですけど、逆にいうとこれでみんなのところに行けるようになったんじゃないかなと」と柔らかな笑みを携えた井ノ原が語り、「だから今日も初日・・・新大久保の駅あたりでタピオカかなんか飲んでるんじゃないかな。並ばなくていいから飲んでから来るのかな」としみじみ。

坂本は、ジャニー喜多川氏との一番の思い出を聞かれ「いっぱいありますけど、やっぱり初対面の時ですかね。社長とは分からずに面接の時に話をしていて、最後の最後に『すみません、社長はいつ来るんですか?』って質問で終わったと思うんです。そしたら『今度来るよ』ってその時は明かさなかったんですよ。その一か月後に気づきました(笑)」と懐古。

長野も「僕はオーディションの時に『僕がジャニーです』って言われて、それで面接をして『来週から来ちゃいなよ』って言われて受かったのか受かってないのかよく分からなかったんですけど、とりあえず来週から行こうみたいな感じでした(笑)」と初対面時のエピソードを語った。

学生時代によくジャニー喜多川氏とよく遊んでいたという井ノ原は「週末は大体、松岡(昌宏)とジャニーさんと遊んでいて、アイススケートとかボウリングとかよく行きました。アイススケートは『20年ぶりだよ』って言いながらやっていて、各々やっていてジャニーさん一生懸命滑っていたんですけど、10分くらいしてパッと見たらお尻がすごい濡れてたから『あ、相当こけたんだな』って(笑)」と楽しそうに振り返った。

劇中では、イノハラがサカモトに彼女がいるのかと問いかける場面があり、囲み取材で坂本が記者からその話題を突っ込まれる一幕も。坂本が「唐突だな!何なんだよ(笑)」と返すと、井ノ原が「坂本君はワンちゃんを飼っているんですけど、本当にみんなの集まりとか『飲みに行こうか』って声をかけても、どんなえらい人と食事って言っても、『ちょっと一回帰って餌あげてきます』って餌をあげてから来るんです。むちゃくちゃ良い飼い主ですよ!皆さん、おすすめですよ!」と唐突に坂本のプレゼンし始め、長野も「飼われたい方は(笑)」と乗っかっていた。

一方、坂本はそんな二人を見て「落ち着いた感じ、いいですよね。俺は四面楚歌だよ、今」とぽつり。井ノ原から「みんな気になるんだよ。“恋をするなら坂本昌行”なんだから」とフォローされ、「皆さんに心配してもらうのは嬉しいんですけどね・・・」と笑顔を見せるも、「心配じゃない!ミステリアスなマサを見ていたいってみんな思っているんだよ。心配なんか誰もしてない」と言う井ノ原の圧に驚いていた。

そんな中、坂本は「(その代わり)どんどん三宅健くんとの仲が深まっていますね」とV6メンバーとの関係について語り始め「一昨日も電話が来ました。(内容は)教えないけど。電話きて、びっくりしました。あいつも寂しいんじゃないですか(笑)」と一言。井ノ原は「言い方もかっこいい!」と感心しきりだった。

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最後に、坂本は「僕らトニセンの関係性がベースになっていて、ライブなのかお芝居なのかつかみどころのない作品ですけど、皆さん来て体験してもらえたらいいなと思います」と作品をアピールし、長野も「今のトニセンでしか出せない作品になっていますし、それを新大久保に見に来てほしいです」とコメント。

そして、井ノ原が「本当にお客さんの力ってすごいものがあるから、みんなで集中して一つの空間を作る作業みたいなのをしていきたいなと。お芝居を見に行く、見せるというよりも一緒に同じ空間を作るって言う風な作業をしたいなと思っています。ぜひ見に来てください」と締めくくった。

『カノトイハナサガモノラ』は下記の日程で上演。上演時間は、約2時間を予定。

【東京公演】7月27日(土)~8月20日(火) 東京グローブ座
【北九州公演】8月30日(金)~9月1日(日) 北九州芸術劇場 大ホール
【大阪公演】9月7日(土)~9月10日(火) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

【公式サイト】https://www.20th-ttt.com/

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

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