舞台『BACKBEAT』開幕!戸塚祥太、加藤和樹らが響かせるビートルズの創成期


2019年5月25日(土)に東京・東京芸術劇場 プレイハウスにて舞台『BACKBEAT(バックビート)』が開幕した。本作は、1994年に公開された映画『バック・ビート』をイアン・ソフトリー監督自身が舞台化した作品。メジャーデビュー前、ビートルズは5人編成だった。結成時のベーシストで、21歳で夭折したスチュアート・サトクリフにスポットを当てながら、ビートルズの創成期を群像劇として描いている。

出演は、戸塚祥太(A.B.C-Z)、加藤和樹、辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、JUON(FUZZY CONTROL)、上口耕平、夏子、鍛治直人、田村良太、西川大貴、工藤広夢、鈴木壮麻、尾藤イサオ。

初日前にはフォトコールと囲み会見が行われ、戸塚、加藤、辰巳、JUON、上口、夏子、鈴木、尾藤、そして翻訳・演出を手掛けた石丸さち子が登壇した。

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「準備万端です!」というスチュアート役の戸塚は「スタッフさんが“ビートルズの皆さん”と呼んでくださるので、すごく気分がいいんです」と終始ニコニコ。ジョージ・ハリスン役の辰巳も「これが令和のビートルズです!」とテンション高めだった。

制作発表時、ほとんどギターが弾けない状態からのスタートだったと明かしていた辰巳。ジョン・レノン役の加藤は、バンドとして演奏することに対し「(不安は)ちょっとどころじゃなかった(笑)。最初は学生バンドかなというぐらいだったんです」と言い、辰巳自身も「演出の石丸さんにも、初めて眼の前で弾いた時『お前、マジか・・・』って言われましたから(笑)」と笑ったが、フォトコールで見せた演奏シーンは、まったくそんなことは感じさせない仕上がり。

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1日8時間の練習を積み重ねてきたそうで、辰巳は「ソロではまだまだ至らないところがあるんですが、バンドとしてみんなと一緒にやると、一つになれるようなパワーを感じるんです。なので、自信を持って弾けるようになりました!」と力を込めた。

ポール・マッカートニー役のJUONも、ギター経験はあったものの左利きのポールに合わせるため「右で弾いていたのを左にするため、僕も1日8時間練習しました。そうしたら脳みそが糠みたいになって・・・(笑)。でも、右でスムーズに弾くより左で弾いた方がよりビートルズっぽく楽曲が聞こえるようになったんです」。その努力のかいがあって「いざ、一緒に音を出したらうまくいってね」とにっこり。

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さらに、ピート・ベスト役の上口が「初めての会話が音だったので」と加えると、周囲から「キマったな・・・」「詩人だ」とツッコミが入り、トークでもコンビネーションばっちり。また、上口はドラム担当ということもあり「(バンドの)一番後ろから見ているので、4人のその日のテンションが分かるんですよ」と、日々の変化を実感していると明かした。

演出の石丸は、そんな5人を見ながら「バンドとしてのグルーヴ感が生まれてからは早かった、一気に成長しましたね。みんなの努力やコミュニケーションがあって、こんな素敵な作品が生まれました。このメンバーを誇りに思っています」と自信の表情。

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尾藤も「とにかく皆さんの成長がすごくて驚きました。今の若い人たちは素晴らしい」と絶賛。そんな尾藤は、1966年のビートルズ来日の際に前座を務めた経験を持つ。周囲から「レジェンドですから!」とリスペクトされると、「いやいや、私はビートルズが来た時には家を留守にしていたんですよ。“尾藤、留守(ビトウルス)”ってね」とトンチの効いた切り返し。鈴木が「一瞬たりともこういう感じじゃない時がないんですよ(笑)」と思わず言うほど、なごやかなカンパニーの様子を伺わせた。

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スチュアートと出会い恋人となる写真家・アストリッド役を演じる夏子は、これが初舞台。何もかもが初めての経験だが、「知らないことだらけですし、緊張するかなと思ったんですが、単純にすごくテンションが上がっています。楽しみだなとワクワクする気持ちが強いです」と期待に胸をふくらませる。

演奏する曲は、20曲以上。加藤は「生なので、何が起こるか分かりません。弦が切れてしまったり、間違えてしまったりすることもあるかもしれませんが、このライブ感は劇場でしか味わえないものなので、そういうものをぜひ体感していただきたいですね」とコメント。戸塚も「とにかくロックに始まり、一時も速度を落とさず駆け抜けていきたいと思いますので、皆さん、お楽しみください!」と呼びかけた。

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【あらすじ】
1960年、イギリス・リヴァプール。絵の才能を持つスチュアート・サトクリフ(戸塚)は、同じ学校に通うジョン・レノン(加藤)に誘われ、ロックバンドにベーシストとして加入する。スチュアートとジョン、ポール・マッカートニー(JUON)、ジョージ・ハリスン(辰巳)、ピート・ベスト(上口)の5人で結成した「ビートルズ」は、巡業で訪れたドイツ・ハンブルクの地で頭角を現していく。とある夜、スチュアートは彼らのライブに来ていた女性写真家のアストリッド・キルヒヘル(夏子)と運命的な出会いをし、二人は恋に落ちる。スチュアートは、アストリッドとの出会いをきっかけに、再び絵を描き始め画家の道を志すが、ビートルズは魅力的なナンバーを次々に打ち出し、評判は日に日に高まっていく・・・。

フォトコールでは、スチュアートをジョンが誘いビートルズが結成されるまでの場面と、スチュアートとアストリッドが出会う場面が披露された。ベースを触ったこともないというスチュアートに、音楽の楽しさを伝えるジョン。そこから、徐々に創成期の「ビートルズ」が形を成していく。「Johnny B Good」を奏でながら、短い時間の中で5人が音楽にのめり込んでいく様が、鮮やかに描かれていく。音楽に満ち溢れた作品だが、ストレートプレイ。音楽こそビートルズの“日常”そのもの。音に魅入られた青年たちの青春の行方を、お楽しみに。

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『BACKBEAT』は、以下の日程で上演。上演時間は一幕90分、休憩15分、二幕75分の計3時間を予定。

【東京公演】5月25日(土)~6月9日(日) 東京芸術劇場 プレイハウス
【兵庫公演】6月12日(水)~6月16日(日) 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
【愛知公演】6月19日(水) 刈谷市総合文化センター アイリス 大ホール
【神奈川公演】6月22日(土)・6月23日(日) やまと芸術文化ホール メインホール

【公式HP】http://www.backbeat-stage.jp/
【公式Twitter】@BackbeatStage

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

 

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