2年ぶりの再演に山崎育三郎らが再集結!笑いと涙と人間愛に満ちたミュージカル『プリシラ』レポート


2016年に日本初演を飾り大ヒットを記録したミュージカル『プリシラ』が、2019年3月9日(土)に開幕した。それに先駆け、初日前日には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、ティック役の山崎育三郎、バーナデット役の陣内孝則、アダム役(Wキャスト)のユナクと古屋敬多、そして演出の宮本亜門が登壇した(ゲネプロは古屋が出演)。

山崎、陣内、ユナク、古屋はドラァグクイーンの衣装で華やかに登場。2年ぶりの再演にあたり、山崎は「今回、僕だけでも衣裳が22着あるのですが、衣装を着るとスッと『プリシラ』の世界へ入っていけます」と語り、演出の宮本は「この作品には笑い、涙、そして最後に愛がうわ~っ!ときます。今回は、僕の愛情を初演よりももっと入れ込んだので、一分の隙間もないすごい作品になっています。これは観ていただかないと」とアピールした。

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初演時との違いについて、陣内が役になりきったまま「私は取り残された昔のドラァグクイーンの役だから、わざと下手に踊ったり、山崎くんの歌を立てるためにわざと下手に歌ったり、そういう微妙なニュアンスがあるのよ。みんなには分からないかもしれないけれど」と語ると、すかさず山崎が「わざとだったんですか!」とツッコむ。さらに宮本が「初演の時も同じことを言っていましたね」とかぶせるなど、終始笑いの絶えない会見となった。

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アダム役をWキャストで務めるユナクと古屋にお互いの印象を聞くと「僕が持っていないところを古屋くんが持っていて、古屋くんが持っていないところを僕が持っているから、お互いにプラスになったんじゃないかと思います」とユナク。古屋も「いろいろなことをすごく器用にやられていて、かっこいいお兄さんだなと思います」とコメントし、互いをリスペクトし合っている様子が伺えた。

本作品はゴージャスな舞台や衣裳と共に、往年のディスコヒッツが物語を彩っているところも大きな見どころだ。お気に入りの歌について、山崎は「名曲ばかりで選ぶのが難しいですが、華やかで笑いをたくさんとっていく作品の中で、ティック、バーナデット、アダムが傷ついたシーンで歌う『トゥルー・カラーズ』は、何度歌ってもグッときます。一番期待していただきたい楽曲です」と語った。

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2年ぶりの再演について、4人は「すでにほぼチケットがない状況です。ありがたいことですし、その期待に応えたいと思っています。前回より確実にパワーアップしていますので、ぜひ、劇場で体感していただければと思っております」(山崎)、「必死でがんばっていますので、その必死感を観に来ていただければ嬉しいです」(陣内)、「前回と同じキャストで出来て光栄ですし、さらにレベルアップしているのはもちろん、二人のアダムも半端じゃないです。『Are you crazy?』って思わせる感じで思い切りいきたいので、劇場に来てください」(ユナク)、「僕が個人的に思っている、この作品の大好きなところは“命の輝き”です。見るだけで、すごく力が湧いてくると思います。最近『元気がないな』とか『朝つらいな・・・』と思う人がいたら、ぜひ観に来てください。待ってるわよ!」(古屋)とそれぞれが熱く語った。

演出の宮本は「この2年で社会の(LGBTへの)意識が変わり、世間の見る目が変わってきました。それによって、初演の時の言葉がこんなに深い意味を持つんだと僕たちの意識も変わりました。それだけ作品が深いものになっています。一段と人間愛が満ちているので、時代の大きな変わり目に再演できてよかったという思いがあります」と締めた。

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2年ぶりの再演の幕開けは、より一層華やかさを増していた。キャストが歌い、踊り、色とりどりの衣裳で魅せれば、瞬く間に『プリシラ』の世界に引き込まれていく。3人のドラァグクイーンは、それぞれ胸に秘めたものを抱え、エアーズロックでショーを行うためにプリシラ号を走らせる。

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3人が険悪な雰囲気になったり、道中でトラブルに巻き込まれて傷ついたりするのだが、一緒に時を重ねる中で、少しずつ結束していく姿は、観る者の胸に迫るものがある。山崎がイチオシのシーンに挙げていた、3人で歌う『トゥルー・カラーズ』の場面では、80年代の洋楽を聞いた人なら必ず耳にしたであろうこの名曲の良さを改めて感じることができた。エンディングまで華やか衣装と軽快なナンバーで彩られるこの作品は、楽しいだけでなくまさに人間愛に満ちている。

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ミュージカル『プリシラ』は、3月30日(土)まで、東京・日生劇場で上演。上演時間は、第一幕60分、休憩25分、第二幕70分の計2時間35分を予定。

【公式HP】https://www.tohostage.com/priscilla/

(取材・文・撮影/咲田真菜)

 

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