「俺が、俺たちが、ガンダムだ!」橋本祥平らによるシリーズ初の舞台化『機動戦士ガンダム00』レポート


2019年2月15日(金)から東京・日本青年館ホールにて舞台『機動戦士ガンダム00 -破壊による再生-Re:Build』が開幕した。初日前には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、橋本祥平、伊万里有、鮎川太陽、永田聖一朗、赤澤燈、前山剛久、窪寺昭が登壇した。

本作は『機動戦士ガンダム』シリーズ初となる舞台作品。脚本・演出を松崎史也、監修を原作アニメの監督である水島精二が務め、4月に40周年を迎えるシリーズを記念した「機動戦士ガンダム40周年プロジェクト」のコンセプトである「BEYOND」のもと、表現の垣根を超え新たな分野への挑戦として製作された。

【DMMにて配信 5/7まで】舞台『機動戦士ガンダム00-破壊による再生-Re:Build』

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舞台の原作となる『機動戦士ガンダム00(ダブルオー)』は2007年からTV放送され、シリーズの中で初めて西暦を採用。現実世界から300年後の世界を想定して作られた情勢設定や、大胆なメカニックデザインが人気となり劇場版も製作された人気作となった。

物語は、TVシリーズの1stシーズンを基本として展開。武力による戦争行為の根絶を目指すソレスタルビーイングと各国家群であるユニオン、AEU、人類革新連盟との戦い、新たな勢力であるチームトリニティの登場、謎の人物リボンズと傭兵サーシェスの暗躍から、各勢力の全面対決までが描かれている。

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ソレスタルビーイングに所属するガンダムマイスターの一人で主人公の刹那を演じる橋本は「最初は、まさか『ガンダム』までも舞台になるかという印象でした。でも、舞台上で『ガンダム』もできるという表現の幅が広がったことが嬉しくもあり、演劇の可能性は無限大だと強く感じた作品です」とアピール。

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その『ガンダム』シリーズの魅力の一つでもあるモビルスーツについて、舞台版として新しく大きな挑戦を行われている。一部のシーンで映像によるシルエットは登場するが、全編にわたり映像にも舞台上にもモビルスーツは登場しない。代わりに、移動台の上に演者が乗り込んだモビルスーツのコックピットを乗せて、アンサンブルがその移動台を動かすという手法をとっている。さらにモビルスーツ同士の戦闘についても、演者がコックピットに乗りながらモビルスーツが本来持っている武器を持って殺陣を行うという形を採用。

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『機動戦士ガンダム00』の名言の一つでもある「俺が、俺たちが、ガンダムだ!」の言葉を体現したかのようなモビルスーツ表現。モビルスーツの外観がまったく舞台上に登場しないにもかかわらず、演者の熱とアンサンブルのバックアップによりド派手な戦いが舞台全体で繰り広げられる。この表現において重要なアンサンブルたちについて、ロックオン役の伊万里は「彼らがいなかったら僕らは成り立っていないというような舞台で、本当に支えられています」と褒め称えていた。

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また、サーシェス役の窪寺が「今回、モビルスーツが出ないことで人間ドラマの方がフューチャーされるので、そこで勝負できると思っています」と明かすとおり、TVシリーズにおける名場面にもなっている数々の人間ドラマがより濃く描かれている。特に「戦いを戦いで制する」という信念を持ったガンダムマイスターである刹那、ロックオン、アレルヤ(鮎川)、ティエリア(永田)たち4人の葛藤やキャラクターの心情が丹念に表現されている。

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その4人のドラマについて、橋本も「ド派手な戦闘だけでなく、舞台では人間ドラマに注目してほしいです。特にガンダムマイスター4人の芝居シーンはいろんな案を出しながら、タイトルどおりに破壊して、また再生しての繰り返しにより人間ドラマを深めてきました。ぜひ4人のシーンを観てほしいです」と呼びかけた。

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伊万里は「ロックオンはいつも明るい人物なんですが、家族をテロリストによって失ったことですごく悩んでいるんです。僕も稽古場では明るくしていたんですけど、家に帰ってからはすごく悩んで、夢の中にもガンダムや稽古風景が出てきたり、24時間ガンダム体制というモードでした。考えさせられ、自分が成長できた役どころになっています」と役どころについてコメント。

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鮎川は「昨日の夜中まで、みんなで演技について話し合っていました。本当に新しいものにチャレンジするというのは難しいことです。でも、そこに皆さんの期待があると思うので、全力に応えられるように一生懸命稽古をしてきました」と意気込みを披露した。

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永田は「ティエリアはクールでプライドが高くて、完璧主義で、自分とはかけ離れているんですけど、何かに依存していないと怖いと感じていたり、精神的に未熟な部分があったりと、自分にも共通しているところがあります。舞台上で、ティエリアの成長を等身大で演じられるよう努めてまいります」と意気込んだ。

彼ら4人を取り巻くキャラクターたちも魅力的で、原作デザインを高クオリティで再現した出演者たちのビジュアルと演技が観客を『ガンダム00』の世界に引き込む。

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数々の事件を裏で操るリボンズ役の赤澤は「本来の行動理念とか信念は一緒なんですが、舞台版では新しいリボンズ・アルマークが観られると思います」と自信をのぞかせると、「座長の祥平が『ガンダムという作品に演劇の力で武力介入しましょう!』と言っていて、“武力介入”のところはスベっていたんですけど(笑)、本当にそのとおりだなと思っています。“ガンダム”という強い4文字に立ち向かうには“演劇(えんげき)”という4文字しかないと思っています。演劇の力でガンダムという作品に立ち向かいたいと思います」と力強く宣言した。

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舞台版でも愛を語る名言・迷言がオンパレードのグラハムを演じる前山。原作アニメが大好きで見ていたという前山は「グラハムはガンダムに対する愛を台詞でも表現していますが、僕自身も“愛”がモットーなのでシンパシーを感じています」と笑顔を見せると、続けて「観てくれる人に対する愛もそうですし、共演者やアンサンブルの人も支えてくれていて、それは愛がないと出来ないことだと思っています。舞台化自体も原作が愛されているから舞台化されたわけで、その愛に感謝して臨みたいです」と意気込みを語った。

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刹那と因縁を持つ残忍な男サーシェスを演じる窪寺は「残忍ですが、ある種、真っ直ぐに生きている男。芝居の上でこういう役はあまりないので楽しみです」と語り、「小学校の頃からガンダムシリーズが大好きで、プラモデルも作っていました。ガンダムに出たかったので夢のような舞台です」と喜びを露わにした。

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その他にも、“不死身のコーラサワー”として原作でも人気のコーラサワー(瀬戸祐介)や、冷徹に作戦を遂行するチームトリニティの三兄弟であるヨハン(坂垣怜次)、ミハエル(船木政秀)、ネーナ(伊藤優衣)も登場し、刹那たちと激しい戦いを繰り広げる。加えて、ソレスタルビーイングのスメラギ(立道梨緒奈)たち、ユニオンのビリー(一内侑)、AEUのマネキン(平湯樹里)、人類革新連盟のセルゲイ(加藤靖久)とソーマ(希代彩)といったキャラクターたちのサイドストーリーが刹那たち4人と絡み合うことで物語を高めている。

劇場では橋本、伊万里、鮎川、永田らによって作られたガンプラも展示されており、プレゼントもされるという。そんなガンダム愛あふれる登壇者たちによって、会見は「俺が、俺たちが、ガンダムだ!」の名台詞によって締められた。

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舞台『機動戦士ガンダム00 -破壊による再生-Re:Build』は、2月18日(月)まで東京・日本青年館ホールにて、2月23日(土)・2月24日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて上演。

【DMMにて配信 5/7まで】舞台『機動戦士ガンダム00-破壊による再生-Re:Build』

また、大千秋楽となる2月24日(日)16:30公演ではライブビューイングが開催されるほか、7月26日(金)にはBlu-ray&DVDの発売も決定した。詳細は、以下のとおり。

◆ライブビューイング
【日時】2月24日(日)16:30~
※開場時間は映画館によって異なる
【料金】3,600円(税込/全席指定)
【開催場所】全国の映画館
【受付URL】
ローチケ https://l-tike.com/gundam-lv(PC・携帯)
またはLoppiで直接購入(Lコード:93075)

【公式HP】http://www.gundam00.net/stage/

(C)創通・サンライズ

(取材・文/櫻井宏充、写真/オフィシャル支給)

   

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