『四十七大戦』舞台化に県や県企業が全面協力!平井知事「鳥取が、日本をとっとり!」


2019年秋に舞台化することが発表された『四十七大戦』。2019年2月3日(日)にはその記者発表会が行われた。「四十七大戦」とは、一二三によりWEBコミック誌「コミック アース・スター」(アース・スター エンターテイメント)にて、2016年9月より連載されている作品で、47都道府県の“ご当地神”たちが、次の「首都」を争う都道府県擬人化バトルマンガ。“消滅可能性都市”鳥取県を支えるご当地神「鳥取さん」を中心に、その奮闘の記録を描いている。

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なぜ、鳥取県が主人公なのか?鳥取県は、全国でも人口が最も少なく、過疎化など多くの問題を抱えている。一方で、少子化対策や行政に特色を持つ県でもある。その取り組み姿勢が、「地方創生」にエンターテインメントとして光を当てる上で、“逆境に挑む主人公像”にぴったりだと点から選ばれたという。マンガの中には、「地方の名産」「地方の観光名所」などの“ご当地”ならではのネタが散りばめられており、地方の存在感を再認識する一助となろうという制作意図が見える。作品を評価するファンの熱も高く、WEBマンガNo,1を決める「WEBマンガ総選挙2018」では、総投票数705,716票のうち133,068票を獲得し、見事1位に輝いた。

【「四十七大戦」特設HP】https://comic-earthstar.jp/works/47taisenSP/

今回の舞台化は、タイトルが「首都争奪バトル舞台(ステージ)『四十七大戦』-開戦!鳥取編-」であるように、山陰・山陽を主とした内容になるとのこと。キャラクターは、原作の第1話から第5話に登場する「鳥取さん」「島根さん」「スタべちゃん」「山口さん」「岡山さん」「広島さん」が中心となる。出演者は3月に開催するオーディションで決定。各キャラクターの出身俳優から選出されるとのこと(キャラクターによっては一般を含めたオーディションを行う場合もあり)。

舞台制作を手掛けるのは、『戦国BASARA』などの舞台化で知られるOffice ENDLESS。音楽制作は、昨年の映画界で話題を席巻した『カメラを止めるな!』の劇中曲を手掛けた永井カイルが担当する。脚本、演出は後日発表。10月下旬に新宿FACEで東京公演を行うほか、11月上旬には鳥取公演が鳥取県生涯学習センター県民ふれあい会館(鳥取市)でも上演を予定している。

【新宿FACE】http://shinjuku-face.com/
【鳥取県生涯学習センター県民ふれあい会館】http://fureaikaikan.jp/

公演は、鳥取県をはじめ、飲むコラーゲン「天使のララ」の株式会社エミネット、鳥取県民なら誰もが知る「白バラコーヒー」の大山乳業農業協同組合などが強力バックアップ。東京公演では「四十七大戦応援キャンペーン」として、毎回抽選で1名に松葉ガニのプレゼントや、全来場者から抽選でペア1組に1泊2日の鳥取県温泉旅行がプレゼントされる。

 

記者発表会には、鳥取県知事・平井伸治氏、鳥取県マスコットキャラクター「トリピー」、株式会社エミネット代表取締役社長・内田幸男氏、大山乳業農業共同組合 代表理事組合長・小前孝夫氏、音楽制作担当の永井氏、永井が所属する株式会社ZIPANG ENTART代表取締役・MC STARRING a.k.a NAO-G氏、舞台制作を担当する株式会社Office ENDLESS代表取締役社長・下浦貴敬氏、原作出版社の株式会社アース・スター エンターテイメント広報・吉田沙和香氏、プロデューサーの株式会社クリーク・アンド・リバー社 舞台芸術事業部 川口比呂樹氏が登壇した。

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原作の連載開始当初より応援してきた平井知事は、鳥取県の名産品「松葉ガニ」を携え“鳥取さん”の格好で登場。舞台化について「本当に、感謝の極みでございます。“スタバはないけど、スナバはある。”などと申しておりましたらそれがマンガになり、驚いていましたが、今度は演劇になるという新しい展開になって、私たちもびっくりしております。でも考えてみたら、私ども鳥取県には、大山ルビー豚のような“ぶた”や、日本海の“いか”も名物としてございます。そういう意味で、私たちは“ぶた”“いか”ですから、舞台化大歓迎でございます!」とウィットに富んだコメントで喜びを表現した。

また、2.5次元舞台に対しては「まだよく飲み込めてはいないのですが・・・(笑)」と言いながらも、「これから世の中の流れについていきたいと思います。原作には、小さくてもがんばれる、そんな勇気を与えていただきました。(公演が地元に来ることを)地域をあげて歓迎申し上げたいと思いますし、東京公演でのプレゼントのほか、鳥取公演に来られるお客様にも素敵な思い出作りをしていただけるように、一生懸命協力して参りたいと思います」と笑顔で語った。原作の中にも登場している鳥取県のマスコットキャラクター「トリピー」も、舞台化について「楽しみだな~僕も応援しトリピー♪」と舞台化を楽しみにしている様子。

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また当日、記者発表会の前には、原作の公式ファンイベント「『四十七大戦』首都圏会議」が行われており、平井知事はそちらにも参加。ファンの熱を直に感じ「(ファンの皆さんは)都道府県のお国自慢を楽しまれるような、ユーモアのある方々なのではないかと思います。また、原作では最初に鳥取と島根が競り合いますが、その後は対のようになって参ります。公演でも、鳥取だけでなく島根も含めまして、巡り歩いて楽しんでいただけるような仕掛けを考えていきたいと思います」と意欲を見せた。

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舞台公演のメインスポンサーとなったエミネット・内田氏は、プロデューサーの川口氏から本作についての相談をされた際、作品を知らなかったため「最初は何をおっしゃっているのか最初は分からなかったんですが・・・お話が進むに連れてどんどん引き込まれていきまして、『ひょっとしたら、この21世紀に鳥取が首都になるかもしれない』と思い込んで、ついメインスポンサーになってしまいました(笑)。微力ながら尽力していきたいです」と経緯を明かす。大山乳業農業協同組合・小前氏は「鳥取県は小さな県ですが、名所があり、農産物、海産物、とっても美味しいものがあります。鳥取の良さを知ってもらう、礎となるような取り組みだなと思いました」と期待を寄せた。

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この発表と共に公開された告知動画の中では、作品のメインテーマが流れている。担当した永井氏は「原作が壮大だったので、それに恥じない音楽を作ろうと思っています。ご期待ください」と自信を見せる。また、原作者の一二三のコメントが、アース・スター エンターテインメント吉田氏から読み上げられた。

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◆一二三(原作)
たくさんの方の応援のおかげで、ここまでこれたことにありがたい気持ちでいっぱいです。舞台の長所は、上演地域とのつながりを反映できることなので、それぞれの地域に寄り添った、その地域で観るからこそのおもしろさを、ぜひ劇場で発見していただければ嬉しいです。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

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最後に、平井知事は「一二三先生の眼差しの向こう側には、特産品や県民性など各地域には魅力がいっぱいだから、お互い競い合っていい日本を作ってくださいというような、愛情を感じました。だからこそ、私たち鳥取としてもこの作品を応援したい。原作では、順調に日本征服が進んでおりますが、基本的には、お友達、仲間が増えていると思っています。我々としても、0話の予言のように『消滅可能性都市、日本の最果てと言われた鳥取が日本の“首都”になる』ことを目指していきたいと思います。鳥取が、日本をとっとり!」と締めくくった。

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なお、公式ファンイベント「『四十七大戦』首都圏会議」内では朗読劇「鳥取県VS島根県」が行われ、フォトセッションには出演した声優の菊地燎、石井マーク、小野早稀も参加した。

制作側は、本作を“アンテナ型”2.5次元舞台と打ち出している(各地のアンテナショップのように、地域の特色や名産品などのPRと演劇がつながるということ)。演劇は、どうしてもその“場”に行かない限り、MAXの醍醐味は味わえないものだと思う。そんな中で、この取り組みは、大きな作品以外(特に現状の2.5次元舞台は)どうしても大都市に上演場所が集中してしまう演劇作品の可能性を広げるものであり、これまで公演場所を遠いと思っていた人たちにとっての希望や演劇が視野に入らなかった人たちとの出会いとなりうるのではないだろうか。今後、どのような展開をしていくのか、今後も本作の動きに注目していきたいと思う。

【公式HP】http://officeendless.com/sp/47taisen/
【マンガ無料公開中】https://comic-earthstar.jp/detail/taisen/
【特典などの詳細】https://comic-earthstar.jp/works/47taisenSP/

(C)Hifumi 2016

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

 

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