ミュージカル『刀剣乱舞』 ~三百年の子守唄~開幕!茅野イサム「2019年は刀ミュ“第二章”の始まり」


2019年1月20日(日)に東京・天王洲 銀河劇場にて、ミュージカル『刀剣乱舞』~三百年の子守唄~が開幕した。2017年春に刀ミュシリーズ3作目の再演となる本作。初日前には、公開ゲネプロと囲み会見が行われ、石切丸役の崎山つばさ、にっかり青江役の荒木宏文、千子村正役の太田基裕、蜻蛉切役のspi、物吉貞宗役の横田龍儀、大倶利伽羅役の牧島輝、そして演出の茅野イサムが登壇した。

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昨年2018年末は、第69回NHK紅白歌合戦の企画コーナーに19振りが登場し、ミュージカルの楽曲を披露するなど大きな話題を呼んだ刀ミュ。石切丸役の崎山は「年末はNHK紅白歌合戦への出陣もあり、激動の稽古期間だったのですが、その分いろいろな経験をさせていただきました」と振り返った。

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にっかり青江役の荒木も「年末年始にかけてたくさんの方にミュージカル『刀剣乱舞』を知っていただく機会があり、本作がその後の一発目の作品ということで、とても大きなプレッシャーは感じているのですが、自信を持ってお届けできるものを準備してきました。ぜひ、このミュージカル『刀剣乱舞』がよりたくさんの方に知っていただけると嬉しいです」とコメント。

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千子村正役の太田は「初演から約2年、その間もこの千子村正と向き合う時間が頻繁にあったのですが、その中でいろいろ自分の中で膨れ上がったものを、あえて削ぎ落として、この役とまた向き合っていきたいと思っております」と、良い緊張感を保っている気配を感じさせた。

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「前回より確実に深まった」というのは、蜻蛉切役のspi。「再演ということで、ここにくるまでに皆でいろんな経験をしました。初めて出会った頃の緊張感を大事にしながら、観に来てくだるお客様一人一人の背中を押せるような素敵な作品にできたらと思っています」と太田に同調。

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物吉貞宗役の横田は、本作への出演を経て、自身を取り巻く環境が大きく変わったことだろう。「初演の時は、このミュージカル『刀剣乱舞』が初めての2.5次元ミュージカル作品への出演だったのですが、それから2年。自分の成長を感じながら、毎日稽古してきました。主様たちにも、どれだけ自分が、物吉貞宗として成長できたかを観ていただけたら嬉しいなと思っております。がんばります!」と見せる笑顔は、初演の頃よりもずっと頼もしく見えた。

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大倶利伽羅役の牧島は、これが刀ミュシリーズ初参加となる。「多くの人から、この作品への期待をとても感じていて、それに応えられるようにがんばりたいと思っています。再演ですが、僕自身にとっては初めての出陣となりますので、新鮮な気持ちで演じたいと思います」と真摯に語った。しっかり挨拶を終えた牧島だったが、spiに「緊張してるの?」と聞かれると「・・・はい(笑)」と苦笑いする初々しさを見せる一幕も。牧島が新キャストとして、馴れ合ったり馴れ合わなかったりしながら、座組に新風を吹き込むことを期待したい。

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演出の茅野は、本作について「間違いなく、ミュージカル『刀剣乱舞』のレベルをぐっと押し上げてくれた作品」と位置づけ、「ここにいる出演者個々の舞台俳優としての経験やスキル、また『阿津賀志山異聞』『幕末天狼傳』を経てスタッフ技術が向上したことが、大変大きかった。この作品が、ミュージカル『刀剣乱舞』のハードルを上げ、これを超えていかなければならないというものを設定してくれたことが、その後につながっていると思います」とカンパニーを絶賛。

さらに「2019年は、ミュージカル『刀剣乱舞』第二章の始まりだと思っています。その開幕を飾る作品が『三百年の子守唄』であることが、演出家として大変嬉しく、また彼らはさらにこの作品のハードルを上げてくれることでしょう。ストーリーとしては変わっていませんが、演出は大きく変わっていますし、当然出演者も、それぞれの役をより深めています。観に来てくださる方は、ぜひ楽しみにしていただきたいです」と呼びかけた。

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【あらすじ】
天文11年12月、三河・岡崎城付近。
にっかり青江と大倶利伽羅は、遠征から戻る道中、予期せぬ時間遡行軍の襲撃に遭遇し、城内へと向かった。そこでは、松平軍と時間遡行軍との乱戦が繰り広げており、松平軍の重臣たちが次々と討ち死。瀕死の際にあった松平広忠は、その胸に赤子を抱き、必死に守っていた・・・。
一方、審神者の命で刀剣男士が集められ、石切丸を隊長に、蜻蛉切、物吉貞宗、そして本丸に顕現したばかりの千子村正という編成が組まれた。彼らが命を受け赴く先は、にっかり青江と大倶利伽羅のいる三河・岡崎城。そこで彼らを待ち受けていたものとは―。

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一言で言うならば「熟」。再演の「三百年の子守唄」は、ミュージカルとして、より深く響く物語に進化していた。2年という歳月をかけて成熟したこの作品は、物語としての大局の中で“刀剣男士”という存在の意味をしっかりと描き、提示しているように感じられる。また、2部では新たな楽曲、新たな衣裳、新たなステージングでパワーアップ。エンターテインメントとしても、さらに一段階上げてきた。

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役者陣から感じられたのは「深み」。ゲームのキャラクターとしての個の再現度だけでなく、本当の意味で肉体を得て、血が通ったような印象だ。それは、刀剣男士を演じる役者陣だけでなく、徳川家康役の鷲尾昇、松平信康役の大野瑞生、吾兵役の高根正樹、子役としてWキャストで竹千代を演じる中村琉葦と川尻拓弥も同じ。役者たちが得た役を愛し、追求し続けることで、過去が道になり、未来に可能性が広がるのだと思った。

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紅白への出陣などを経て、普段劇場へ足を運ばない方たちへも「2.5次元」という言葉を伝える代表格となった刀ミュ。「2.5次元」という概念は発展途上だが、日本の演劇として果てしない可能性を秘めているのではないろうか。そして、“今”それを観ている目が、その概念を文化として守り育てていくのではないだろうか。劇場で得るあの感覚を知っている方たちは、観て感じていることを、それぞれの方法で発信していってほしい。誰かに伝えたい、後世に残したいという思いが、いつか“歴史”になるのだと思うから。

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ミュージカル『刀剣乱舞』 三百年の子守唄~(2019)は、1月20日(日)から2月3日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて上演。その後、大阪、京都、東京凱旋公演を行う。日程の詳細は、以下のとおり。上演時間は、1部約2時間10分、休憩20分、2部約35分の計3時間5分を予定。

【東京公演】2019年1月20日(日)~2月3日(日) 天王洲 銀河劇場
【大阪公演】2019年2月8日(金)~2月11日(月・祝) サンケイホールブリーゼ
【京都公演】2019年2月17日(日)~3月3日(日) 京都劇場
【東京凱旋公演】2019年3月15日(金)~3月24日(日) TOKYO DOME CITY HALL

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なお、大千秋楽となる3月24日(日)18:30公演では、全国の映画館でライブビューイングが行われるほか、LIVE配信も決定。また、本作のBlu-ray(8,500円+税)&DVD(7,500円+税)の発売も決定している。劇場、および、通販サイトにて予約受付中。劇場・通販共に予約特典あり。詳細は、公式HPにてご確認を。

【公式HP】https://musical-toukenranbu.jp/
【公式Twitter】@musical_touken

(C)ミュージカル『刀剣乱舞』製作委員会

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

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