伊藤健太郎×岡本夏美×栗原類で白井晃演出の『春のめざめ』再演


KAAT神奈川芸術劇場芸術監督の白井晃演出で、2017年春に上演された舞台『春のめざめ』が、新キャストを迎え再演されることが決定した。今回、主人公・メルヒオール役を演じるのは、これが舞台初主演となる伊藤健太郎。ヒロインのヴェントラ役には岡本夏美がオーディションで抜擢され、モーリッツ役は初演より栗原類が続投する。

『春のめざめ』とは、ドイツの作家フランク・ヴェデキントの戯曲。思春期の少年少女たちの性への目覚め、生きることへの葛藤、それに対する大人たちの抑圧などが描かれた作品。そのセンセーショナルな内容から上演禁止の処分を受け、初演されたのは上梓から15年後の1906年だった。初演から100年後の2006年に、ブロードウェイでロックミュージカルとして上演され、2007年の第61回トニー賞では、作品賞を含む8部門を受賞。日本では、2017年5月から6月にかけ、白井晃演出によりストレートプレイとして上演された。

今回、音楽はDragon Ashの降谷建志、振付にダンサーの平原慎太郎と、スタッフ布陣は前作を踏襲しつつ、新たな『春のめざめ』を構築して再演。

このほかの出演は、小川ゲン、中別府葵、古木将也、長友郁真、竹内寿、有川拓也、川添野愛、三田みらの、あめくみちこ、河内大和、那須佐代子、大鷹明良。

再演発表にあたり、白井、伊藤、岡本、栗原よりコメントが届いている。

◆白井晃(演出)
この作品が新しいキャストを迎え再演できることを嬉しく思っています。約130年前に書かれた作品が、今なお社会の軋歴の中で苦悩する若者たちの姿と重なることを感じ、改めてヴェデキントの視線の深さに驚かされました。
若い俳優と向き合うことは、自分自身の演劇への姿勢を問われることでもあります。凛とした居住まいの中に信念を感じさせる伊藤健太郎さんと、優しさの中に芯の強さが溢れ出る岡本夏美さんの二人がメルヒオールとヴェントラを演じることで、初演時モーリッツ役で好演した栗原類くんとの間にどのような関係が生まれるか楽しみにしています。再演とはいえ、改めて新作を作る思いで若い俳優の皆さんと創作していけたらと思っています。

◆伊藤健太郎(メルヒオール役)
今回『春のめざめ』に参加させていただきます伊藤健太郎です。白井さんとは今回初めてご一緒させていただくのですが、役者の先輩方から白井作品に参加したいという話をたくさん耳にしてきたので、ご一緒させていただけてとても光栄です。先日、白井さん演出の舞台『バリーターク』を観劇させていただいて、白井さんの創り上げた世界にグッと引き込まれてゾクゾクしました。今回は再演なので、前回とは違った新しい『春のめざめ』を、白井さん、そして他のキャストの皆さんと創り上げたいと思います!ぜひ楽しみに待っていただけると嬉しいです!

◆岡本夏美(ヴェントラ役)
昨年『春のめざめ』を観劇した際、作品のメッセージとエネルギーに圧倒され、客席で身体が痺れた感覚を今でも覚えています。「この作品に携わりたかった」それがこの作品を観終わったときの想いでした。
ヴェントラ役に決まった時は素直に嬉しかったです。今回、私は初めて白井さんと一対一でお話しして、台本の一部分を演じるというオーディション形式のところからスタートさせていただきました。作品に対する思いを溢れさせて挑んだので、白井さんに少しでも思いが届いたということが光栄でした。それからは、ヴェントラとして早くお芝居がしたくて堪らない日々です。
これから稽古、本番と続きますが、全身全霊この作品に寄り添って体当たりしていきたいと思います。

◆栗原類(モーリッツ役)
このたび再び『春のめざめ』が上演されることになりました。この作品を再び皆様に観ていただけるチャンスが来たことを嬉しく思います。再演ではありますが、スタッフ、キャストが一人でも変われば、それは新作だと僕は感じています。このカンパニーで、この戯曲を作り上げる作業をとても楽しみにしています。初演を観た皆様も、ぜひまた違った『春のめざめ』を体感しに来てください。お待ちしております。

KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『春のめざめ』は、2019年4月13日(土)から4月29日(月・祝)まで神奈川・KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオにて上演される。その後、東広島、兵庫を巡演。日程の詳細は、以下のとおり。チケットは、2月10日(日)より一般発売開始。

【神奈川公演】2019年4月13日(土)~4月29日(月・祝) KAAT神奈川芸術劇場 大スタジオ
【東広島公演】2019年5月6日(月・振休) 東広島芸術文化ホールくらら 大ホール
【兵庫公演】2019年5月11日(土)・5月12日(日) 兵庫・兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール

【あらすじ】
ドイツの中等教育機関“ギムナジウム”で学ぶ優等生のメルヒオール(伊藤)、友人で劣等生のモーリッツ(栗原)、幼馴染のヴェントラ(岡本)。
ある日の帰り道、メルヒオールはモーリッツに、「子どもの作り方」を図解で説明すると約束する。成績のさえないモーリッツは、学校での過度な競争にたえられず、米国への出奔を企てた。しかし、それが果たせなかった彼は、将来を悲観して自殺してしまう。一方、メルヒオールは半ば強姦のように幼馴染のヴェントラと関係を持つ。
やがて自殺したモーリッツの遺品からメルヒオールからのメモが見つかり、モーリッツを自殺に追い込んだとして両親に感化院へと送られるメルヒオール。その後ヴェントラの妊娠が発覚、彼女の両親の知るところになり、ヴェントラは・・・。

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