鼓童の新作公演『巡-MEGURU-』全国ツアースタート!滋賀公演のレポート到着


2018年11月3日(土・祝)に行われた香川公演を皮切りに、太鼓芸能集団・鼓童による新作公演『巡-MEGURU-』の全国ツアーがスタートした。「鼓童」は、新潟・佐渡を拠点に、太鼓を中心とした伝統的な音楽芸能に無限の可能性を見いだし、現代への再創造を試みる集団。世界の主要な国際芸術祭などにも多数参加し、この夏は「FUJI ROCK FESTIVAL’18」のメインステージでパフォーマンスを披露した。

鼓童『巡-MEGURU-』全国ツアー_2

『巡-MEGURU-』の演出を手掛けるのは、鼓童の若手注目株・住吉佑太。これが初演出となる住吉は、2010年の鼓童研修所入所時より、演出として参加していた坂東玉三郎の指導を受け、2013年から鼓童のメンバーとして「大太鼓」やソリストに抜擢された。また、演奏だけではなく作曲やアレンジなどでも才能を発揮し、鼓童のサウンドメーカーと称されている。

鼓童『巡-MEGURU-』全国ツアー_3

本作の楽曲も、すべて新作。住吉が生まれ育った香川に伝わる「獅子舞」や徳島の「阿波踊り」、栃木や群馬に伝わる八木節や岩手に伝わる「鬼剣舞」など、多くの郷土芸能をさりげなく織り込み再創造し、住吉特有の音楽世界を鼓童の太鼓音楽でさらに広げた。

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他にも鼓童が長年演奏してきた「三宅」をさらに昇華させた楽曲や、西洋音楽的なアプローチで作り上げたリズムアンサンブルや即興曲など、今までにない試みが凝縮されており、前作『道』での王道的なものとは一変した、新たな才能が垣間見える作品となっている。

以下、11月23日(金・祝)・11月24日(土)に滋賀で行われた公演のオフィシャルレポートを紹介。

鼓童『巡-MEGURU-』全国ツアー_5

11月3日(土・祝)にスタートした鼓童の最新作『巡-MEGURU-』を、滋賀県大津のびわ湖ホールで観た。今回のほとんどの楽曲の作曲も手がけた鼓童のホープ・住吉佑太の初演出。マリンバという意外な楽器をテーマ曲『巡』に使用し、その耳に残るメロディを随所でリフレインさせながら、個々の太鼓の打ち手にフォーカスした意欲作だ。

特に注目されるのは、鼓童の数十年来の看板演目の大胆なアレンジを試みた『祭宴』(作曲:中込健太)と『天涯』(作曲:大塚勇渡)。前者は、床に置いた宮太鼓を低い姿勢で打ち込む『三宅』のスタイルを踏襲しながら、女性を含めた3人の個性輝く打ち手が、それぞれらしい太鼓の個性をアピールする前半のショー・ストッパー。後者は、大太鼓に真剣に向き合いながら、柔軟にそのさらなる可能性を探ろうとする果敢なチャレンジに見えた。単に目先を変えるような場面など挿入せず、自分たちらしい太鼓音楽を目指して突き進む、若いパフォーマーたち。いよいよ鼓童の新時代がスタートしたようだ。(執筆:伊達なつめ)

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鼓童『巡-MEGURU-』は、以下の日程で上演。

【愛知公演】11月27日(火) 刈谷市総合文化センター
【岐阜公演】11月28日(水) 多治見市文化会館(バロー文化ホール)
【新潟公演】11月30日(金) 新潟県民会館
【長野公演】12月1日(土) 長野市芸術館
【千葉公演】12月7日(金) 船橋市民文化ホール
【神奈川・茅ヶ崎公演】12月8日(土) 茅ケ崎市民文化会館
【埼玉・熊谷公演】12月9日(日) 熊谷文化創造館 さくらめいと
【神奈川・横浜公演】12月11日(火) 神奈川県民ホール
【埼玉・富士見公演】12月13日(木) 富士見市民文化会館 キラリ☆ふじみ
【東京・調布公演】12月15日(土) 調布市グリーンホール
【東京・福生公演】12月16日(日) 福生市民会館 大ホール(もくせいホール)
【東京公演】12月19日(水)~12月23日(日) 文京シビックホール大ホール

【公演特設HP】http://www.kodo.or.jp/meguru
【公式Twitter】@KodoHeartbeat
【公式Facebook】@KodoHeartbeatjp
【公式Instagram】@kodoheartbeat

(写真/岡本隆史)

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