市村正親「ドロ試合をお見せしたい」ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』製作発表


『オペラ座の怪人』を生んだアンドリュー・ロイド=ウェバーが、ファントムの失踪から10年後の世界を描いた、ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』。2010年にロンドンで開幕すると瞬く間に話題を呼び、2014年に日本初演された。その待望の再演が2019年1月に上演が決定。

11月19日(月)には製作発表が行われ、ファントム役の市村正親と石丸幹二、クリスティーヌ役の濱田めぐみと平原綾香、ラウル役の田代万里生と小野田龍之介、メグ・ジリー役の夢咲ねねと咲妃みゆ、マダム・ジリー役の鳳蘭と香寿たつき、グスタフ役の大前優樹と加藤憲史郎と熊谷俊輝が登壇した。

本作は、クリスティーヌの幸せのために一度は身を引き、彼女への狂おしい愛を押し殺し、闇に潜みながら生きてきた怪人が、再びクリスティーヌの前に現れたことから始まる愛の物語。日本初演においてオリジナルキャストを務めた市村が、2014年の日本初演に引き続き、ファントム役を演じる。さらに、1990年に『オペラ座の怪人』のラウル・シャニュイ役でデビューを果たし、本作に深い縁を持つ石丸がWキャストとなる。

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市村は「僕が40歳になる年に『オペラ座の怪人』に出演し、それから30年。同じ日生劇場で(本作を)演じられるとは夢にも思っていませんでした」と挨拶すると、「僕は、この作品の公演中に古稀を迎えます。長く生きてよかったとしみじみ思います。そして、『オペラ座の怪人』でファントムを演じてから『ラブ・ネバー・ダイ』でもファントムを演じたのは世界で僕だけなので、ギネスに登録しようと思ってます」とニヤリ。得意の軽快なトークで会場を沸かせた。

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一方、本作で初めてファントム役に挑戦する石丸は「私は劇団四季にいて、市村さんの背中を見ながら走ってまいりました。ですので今回、市村さんと同じ役を演じるということに不安がいっぱいでした」と心境を吐露するも、「こうして一堂に会していると、そんなことを言ってられない。自分の世界を作って、市村さんの演技を見て歌を聴いて勉強させていただいて、初日を迎えたいと思います」と意気込んだ。

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初演時に続き、クリスティーヌ役を演じる濱田は「恋愛感情一つとっても、いろいろな感情があって、いろいろな表現ができると思いました。人の心が移ろいやすいということ、執着、頼りたい気持ち、共依存など、いろいろなキーワードも見えてきました」と自身の役柄を改めて見つめなおし、「彼女の母性を強く出し、少しでもレベルアップした自分をお届けできたら」と思いを語った。

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本作の初演時がミュージカル初出演だったという平原は「製作発表で『ミュージカルの何が分からないか分かりません』と言ったことを昨日のように思い出します」と感慨深そうに話す。再演にあたっては「落ち着いて、ストーリーも歌も解釈できるようになってきたと思います。この作品は、愛とは何かをファントムが気づく物語。それを伝えていけたら」とコメントを寄せた。

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また、田代は「初演の時は、初めて父親という役どころを演じましたが、この5年間でいろいろな経験をさせてもらい、今回、改めて脚本を読むと全く違う景色が見えてきたので、舞台に立つことを楽しみにしています」、初参加となる小野田は「とても光栄なことで身が引き締まる思いがします。丁寧に演じたいです」と力を込める。

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小野田と同じく、初参加となる夢咲は「今、自分と楽譜と戦っている最中です。『オペラ座の怪人』では描かれなかったメグの心情を掘り下げられれば」、咲妃は「一生懸命心を注いでお稽古を務めさせていただきます」と緊張をのぞかせれる。

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鳳は「この子たちの5年後の成長を楽しみにしております」と笑顔で、同じ宝塚歌劇団出身の“後輩”たちを見つめ、香寿は「(初演時からの)5年でいろいろな経験をして、人間として役者として少しでも進歩していたいなと思っています。重みのある役にしたいです」と続いた。

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そして、大前は「いつも歌っていた曲なので、選ばれて嬉しいです」とにっこり。加藤は「歌もお芝居もとっても難しいですが、自分なりのグスタフを演じられるよう精一杯がんばります」、熊谷は「僕は舞台で演技をするのが初めてなので、素晴らしい共演者の皆さんからいろいろなことを吸収したいです」と力強くコメントした。

会見の最後には、石丸が改めて「これから稽古に突入して、日々課題をクリアしながら本番に向けてスタートします。ご期待以上のものをお見せできるようがんばります。劇場で多くの人が素晴らしかったと思ってもらえるようなパフォーマンスをお届けしたいと思います」とメッセージを送り、市村も「平成最後の年頭のミュージカルなので、多くの方に来ていただいて、盛り上げてくだされば。(ドロドロとした物語が繰り広げられる本作の)“ドロ試合”をお見せしたいと思います」と話して締めくくった。

なお、この日の会見では「君の歌をもう一度」(市村、石丸)、「なつかしい友よ」(濱田、平原、田代、小野田、夢咲、咲妃、鳳、香寿)、「心で見つめて」(大前、加藤、熊谷)、「愛は死なず」(濱田、平原)の4曲が披露された。

ミュージカル『ラブ・ネバー・ダイ』は、2019年1月15日(火)から2月26日(火)まで東京・日生劇場で上演される。

(取材・文・撮影/嶋田真己)

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