上川隆也の刀が唸り!溝端淳平が宙を舞う!『魔界転生』東京公演スタート


福岡・博多座での公演を終えた日本テレビ開局65年記念舞台『魔界転生』。2018年11月3日(土)からは東京・明治座にて東京公演がスタートした。その公開稽古と囲み会見が11月1日(木)に行われ、会見には出演者より上川隆也、溝端淳平、高岡早紀、浅野ゆう子、松平健、演出の堤幸彦が登壇した。

原作は、1967年に「おぼろ忍法帖」として単行本化された山田風太郎の人気伝奇小説。壮大なスケール、雄大な歴史ロマン、そして、奇抜かつ摩訶不思議な展開、時空を超えたアクション・エンターテインメントの最高傑作と云われており、1981年には深作欣二監督により映画化され大ヒット。その後、舞台、漫画・アニメ、ゲームなど、数多くのジャンルでリメイクされているヒット作だ。そんな名作を今回は、脚本をマキノノゾミ、演出を堤幸彦が手掛け、“スペクタクル時代劇”として打ち出している。

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天草四郎没後380年の今年、天草・島原がある九州での約1ヶ月の公演を終え、東京へ。主演の柳生十兵衛を演じる上川は「九州の皆さんに歓迎と暖かい歓待を受け、お喜びいただけたのではないかという実感が持てるような1ヶ月でした」と九州公演を振り返り「その勢いをそのまま東京へと持ち込みつつ、この物語をさらに育んでいきたいです」と東京公演への意気込みを披露。

さらに、本作の見どころについて、上川は「この物語は一見、おどろおどろしいイメージですが、十兵衛をはじめ、決してそれにはとどまらない人間らしさにあふれたキャラクターたちが数多く登場する物語です。そこには笑いもあれば、涙もあるような物語に仕上がっています」とアピールした。

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演出の堤も「博多座において、役者の皆さんが役どころを芯を掴んでくださったことで、非常に楽しく、見応えのある舞台になりました。大きくステップアップした東京バージョンをお届けできると思います」と手応え十分の様子。

映像と舞台の融合により、類を見ない舞台作品を作り上げてきた堤。大迫力のアクション(殺陣)や変幻自在なフライングに、最先端のプロジェクションマッピングや特殊効果を組み合わせた表現を、「映像表現がないのは暗転の時ぐらい。映像を舞台装置の大きな柱として使っています。天草四郎のカツラにセンサーを付けて、四郎の顔の向きに合わせて映像を動かしたり、生身の人間が消失したり、別のものに変わったりといろんなアイデアを駆使しています」と説明した。

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天草四郎のその映像表現は公開稽古でも披露され、天草四郎がフライングで宙を舞いながら唱える「忍法髪切丸」のエフェクトが縦横無尽に敵に襲いかかる迫力あるシーンを生み出していた。その仕上がりに、天草四郎役の溝端は「髪切丸スゲーいいじゃん!」と舞台転換中に声を上げるほど大興奮していた。

その溝端は役の見どころとして「島原の乱を背負って若干16歳で亡くなった天草四郎が現世に甦って復讐を始めるんですが、最終的に四郎が“何を求めていたのか”ということが、この作品のキーポイントになります。そこに、一人の青年としての天草四郎の人となりが出ていて、見どころになっています」と語った。

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柳生十兵衛の父・柳生宗矩役として圧倒的な存在感を見せる松平は「人間と魔界衆の両方をやらせてもらっていますが、人間の時の殺陣と、魔界衆になってからの殺陣にも違いがありますし、そういったところも楽しんでいただけたらと思います」と殺陣の魅力を呼びかけた。

数々の迫力ある殺陣が繰り広げられる本作だが、松平と上川による終盤の殺陣は、淀君役の浅野が「松平さんの美しさに感動してドキドキしちゃいます。そこに立ち向かっていく上川さんには凛々しさとキレの良さがあり、このお二方の殺陣が一番の見どころだと思います」と絶賛するほどで、まさにクライマックスにふさわしいものとなっている。

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続いて、浅野は「淀殿について“化けて出そうなお方”という台詞がありまして、そこで初日から観客の皆様に笑っていただいたんです。まさかそこで笑いが起きるとは思っていなかったのですが、淀殿というより“浅野ゆう子”が化けて出そうとイメージから起きた笑いなのでしょうか(笑)。明治座ではさらにその魔物を極めたいと思います」と意気込み、会場の笑いを誘った。

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その淀殿と、物語に愛と悲しみをもたらすお品を演じる高岡は「博多での1ヶ月という公演を通して、私自身もお品という役に対して試行錯誤しながら成長できたらいいなと思っていました」と振り返った。続けて役の見どころを説明をしようとしたところ、ネタバレをしてしまい、登壇者たちからツッコミを受ける一幕も。会場に笑いを起こしながらも、高岡は「本当に大きな愛が見えればいいなと思っています」と笑顔で語った。

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上川ら登壇者に加え、村井良大、松田凌、玉城裕規、木村達成、猪塚健太、栗山航、丸山敦史ら、気鋭の若手俳優たちも起用。実力と個性が冴え渡った豪華キャストにより新生したスペクタクルエンターテインメント時代劇がついに本州へと上陸した。

舞台『魔界転生』は、11月27日(火)まで東京・明治座にて、12月9日(日)から12月14日(金)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて上演。

(取材・文・撮影/櫻井宏充)

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