坂元裕二が会話で紡ぐ“危うい愛”明後日公演『またここか』10月8日まで


明後日公演 2018『またここか』が、2018年9月28日(金)から10月8日(月・祝)まで東京・DDD青山クロスシアター(DDD AOYAMA CROSS THEATER)にて上演されている。本作は、TVドラマ『カルテット』『それでも行きてゆく』『anone』などで知られる脚本家・坂元裕二が、本公演のために描き下ろしたもの。演出は、俳優の豊原功補が手掛けている。

ガソリンスタンドを舞台に繰り広げられる、男女4人の会話劇。出演者には、吉村界人、岡部たかし、木下あかり、小園茉奈(ナイロン100℃)が名を連ねている。

明後日公演『またここか』舞台写真_2

【あらすじ】
季節は夏。
東京サマーランドにほど近いガソリンスタンドの若い店長・近杉(吉村)と、ろくに働かないバイトの女・宝居(小園)が噛み合わない会話を繰り広げているところへ、中年の男が一人の女を引き連れて訪ねてくる。小説家の根森(岡部)という男は「わたくし、あなたの兄、兄の者でして」と名乗る。連れてきた女は看護師・示野(木下)だという。

二人の父は植物状態で入院中なのだが、医療ミスの噂があり、根森は近杉に“二人で病院を訴えよう”と持ちかけてきたのだ。突然のことながら、「よく来てくださいました」と笑顔でこの兄を受け入れるのだが・・・。

明後日公演『またここか』舞台写真_5

吉村は、これが初舞台となる。映画『モリのいる場所』やTVドラマ『スモーキング』などで見せた独特の存在感を、舞台でもいかんなく発揮。不器用さの中に見え隠れする青年の妄想を、絶妙なバランスでちらつかせた。さらに、岡部の企みを抱えた振る舞いが、兄弟二人のアンバランスさを引き立てる。木下、小園が演じる女たちは身勝手な行動をしているように見えて、その関係性から近杉という青年の像を掘り出していく。

明後日公演『またここか』舞台写真_10

自分の身に起きていることを、分かっているのか、何を考えているのか、いつもヘラヘラと笑っている青年。噛み合わない会話の間に、浮かび上がっては消え、浮かび上がっては消え、消しても消しても浮かび上がってくる狂気。“危うい愛”で紡がれる、物語のその先は―。

明後日公演『またここか』舞台写真_6

明後日公演 2018『またここか』は、10月8日(月・祝)まで東京・DDD青山クロスシアター(DDD AOYAMA CROSS THEATER)にて上演。

なお本作の上演台本が、書籍として10月11日(木)に発売される。

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

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