山沖勇輝が殺人犯の息子役に挑戦『風の音聞こえず、鈴音が落ちる』開幕


2018年10月3日(水)に東京・下北沢 小劇場B1にて、舞台『風の音聞こえず、鈴音が落ちる』が開幕した。本作は役者・演出家・脚本家である新里哲太郎がプロデュースする舞台公演「tetsutaro produce」の第5弾。初日前には公開ゲネプロと囲み会見が行われ、新里のほか、出演者より山沖勇輝、福久あや香、宮下雄也が登壇し、意気込みを語った。

描かれるのは、殺人を犯し死刑執行が直前に迫った父とその二人の息子、そして彼らをとりまく人々の心理に迫る物語。作・演出に加え、犯罪者の息子二人のうち、兄役として出演もする新里は、3年ほど前から裁判物を書いてみたかったとし、「もし“自分が犯罪者だったら”“犯罪者の身内だったら”と真剣に考えるようになった」という。さらに「犯罪に陥ってしまう人の心を分かってあげたいというよりも、『こういうことがあるから犯罪が起こるんじゃないか』というようなことを本気で書きたいと思い、挑戦しました」と本作への思いを吐露。

『風の音聞こえず、鈴音が落ちる』舞台写真_2

弟役の山沖は、リアリティを追求するために実際に死刑執行を待つ人の記事を読んだそうで、「この役をやってみて、改めて生きていくことの大変さを感じ、同時に、自分の中にあるストレスが実は、人生、前に進んでいくために必要なものでもあるんじゃないかと思いました」と語った。さらに「重たいものを背負っている役ですが、背負っているものを舞台上で思いきり出していけるよう、毎日戦いながら、精一杯演じたいです」と強い意欲を見せた。

『風の音聞こえず、鈴音が落ちる』舞台写真_4

その弟に寄り添う恋人役を演じる福久は「犯罪者の息子である彼に対して、どう接していくか。気を遣いすぎてもいけないし、優しさの出し方について考えています。後半はシリアスな部分もあるのですが、前半は恋人をどうやって笑顔にするかということを大事にしたいです。重いテーマですが、私の役はニコニコしていることが多いので、皆さんにひっぱられないようにしたいと思います」と笑顔を浮かべた。

『風の音聞こえず、鈴音が落ちる』舞台写真_5

死刑執行を待つ父役を演じる宮下は「コンプレックスの塊のような役ですが、すごく共感できる台詞があるんです。攻めたテーマ・・・・・・攻めたという言葉は好きではないのですが、この作品がどうお客様に届くか、楽しみです。必ず胸にささるような言葉や仕草があると思います。生身の人間が、熱量出して、ハートで勝負して、舞台の上で生きている、その生き様を見てほしいです」とコメント。

『風の音聞こえず、鈴音が落ちる』舞台写真_6

最後に新里は、重いテーマの作品であるが、笑えるシーンもあるとし、「感情を全部さらけ出して、役者もお客様も一緒に心を動かせる空間にしたいです。一緒に舞台を作りに来ていただけたら」と締めくくった。

このほか、篠原功、田中翔、橋本仁、金子さやか、三本美里、たくぽん、小林宏樹、川崎珠莉が出演。

『風の音聞こえず、鈴音が落ちる』舞台写真_3

【あらすじ】
二人の青年には”殺人者”と呼ばれた父がいた。
15年前。
連続殺人を犯した後に、母への殺人未遂で捕まった父は、間も無く死刑執行を迎えようとしていた。
逮捕後、父の裁判での態度に世間は怒り、死刑執行の日に向けてのカウントダウンに湧く世論。
兄と弟は心に違うことを抱き過ごしていた・・・。

『風の音聞こえず、鈴音が落ちる』は、10月8日(月・祝)まで東京・下北沢 小劇場B1にて上演。

『風の音聞こえず、鈴音が落ちる』舞台写真_7

※川崎珠莉の「崎」は、「大」の部分が「立」が正式表記

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