『メタルマクベス』disc2 尾上松也×大原櫻子、若きランダムスター夫妻が魅せる! 9月15日開幕


2018年9月15日(土)から東京・IHIステージアラウンド東京にて上演される新感線☆RS『メタルマクベス』disc2。その公開稽古と囲み会見が9月9日(日)に同劇場にて行われ、尾上松也と大原櫻子が登壇した。

本作は2006年に劇団☆新感線と宮藤官九郎が初タッグを組んだシェイクスピア作品。シェイクスピアの『マクベス』の世界観は変えずに、舞台を2218年の戦争で人類が衰退した近未来と、空前のバンドブームに沸く1980年代の日本を二重の構造に置き換え、物語をハードロックとヘヴィメタルの楽曲で煽りまくる。

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この『メタルマクベス』を、360°回転する円形の客席を劇場中央に配置し、その周囲をステージとスクリーンがぐるりと取り囲むという斬新かつ壮大な劇場向けに宮藤自ら脚本を書き直し、いのうえひでのりが演出にアレンジを加え復活。disc1、disc2、disc3とキャストを変えて、3作を連続上演中で、本作はその2作目となる。

disc2の出演は、魔女に予言され王を殺すも次第に罪の意識に苛まれるランダムスター/ヘビーメタルバンド“メタルマクベス”のボーカル・マクベス役に尾上、ランダムスター夫人/ローズ役に大原。さらに、原嘉孝(宇宙Six/ジャニーズJr.)、浅利陽介、岡本健一、木場勝己といった面々が集結。この劇団☆新感線に初参加となるメンバーが多い座組を、高田聖子、河野まさと、村木よし子ら劇団員が支える。

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公開稽古では、第一幕が披露された。先陣をきったdisc1から、ストーリー、客席の回転と効果的に交わる演出やステージ上にバイクを走らせるダイナミックな演出、生バンドによる重厚感ある演奏などはそのままに、新たな『メタルマクベス』が誕生している。歌舞伎俳優である尾上の“にらみ”や殺陣の中で“見得”を切るシーン、歌手としても活躍する大原の歌唱シーンなど二人ならではの魅力や、新感線ならではの笑いの中で見せる新たな魅力が満載となっている。

本作の大きな見どころでもある客席が回転する様々な演出について、尾上は「回転して気づくと後ろの舞台装置が変わっていたり、端から端に歩いている間に舞台機構が移動して、扉が開くとセットが変わったりします。そこに芝居があって、どこでどういう風に客席とリンクしているのかとか、タイミングがここに入ってみないと分からないことがあります」とこの劇場ならではの難しさを説明。

続けて「舞台の裏側が一周250mぐらいあるんですよ。客席が回っている裏で移動する距離は予想以上にハードで、ダッシュで移動しています。走るだけじゃなくて、舞台に出れば殺陣もあるし、お芝居もあるし、そういう意味ではそれぞれがノンストップであるわけですから、なかなか他の劇場では体験できないハードなものがありますね」と明かした。

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この劇場では初となる“音楽劇”である本シリーズ。同じく劇場初の生バンド演奏により、全編を通して彩るハードロックとヘヴィメタルの数々について、尾上は「本当に楽しいですよ。シャウトして、今まで歌ったことないような曲調に乗せて歌うのは気持ちいいです。ロックが好きとか嫌いとか関係なく、この劇場でロックの音楽を聴くとものすごくテンションが上がります。演じている側も、観ているお客様もテンションが上がると思うので、それを共有できたら楽しいでしょうね」とコメント。

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大原は「客席で稽古を観ていると、より音楽が身体で鳴っている感覚を味わえました。これは、この劇場ならでは。メタルロックを聴けるというのはすごく特別なことだと改めて思いました」と生バンドから受ける迫力を語った。

また、disc1との楽曲面の違いについて、尾上が「ランダムスター夫人の歌もテイストが違いますね。それに、冠徹弥さんがdisc1でやっていた王専属のシンガーを、今回は徳永ゆうきくんが演じているんです。冠さんはメタルが本職でしたが、徳永君は演歌の方ですから、disc1とはまったく違う曲調になっているので、disc1を観ていただいた方でも十分に違いを楽しんで頂けます」と解説する点にも注目だ。

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disc1ではランダムスター夫妻を、新感線退団から21年ぶりの古巣への出演となった橋本さとし、ミュージカルの女王・濱田めぐみという実力派が演じていたが、今回は尾上と大原というフレッシュな二人が夫婦役を演じる。

お互いの印象について、尾上は「私が芝居のきっかけを忘れることが多くて、その都度、奥様(大原)がトントンと叩いて教えてくれます。年は10歳下なんですけど、引っ張られています(笑)」と裏話を披露し、さらに「役的にもリードされる感じが強いですね。これは狙ったわけではないんですが、稽古場で、いのうえさんの演出からも自然と出てきています。それはすごく僕にとっては心地いいです」と大原を絶賛。

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そんな尾上に対して、大原は「すごく優しい方です。わざと優しくしていて、探っているのかなと思うときありますね。でも、年上の先輩だから、ワガママにやらせてもらっているんだなと思っています(笑)」と笑顔で答えた。

このほか、エクスプローラー役の岡本は、得意のギター演奏シーンでメタルらしいカッコよさを見せつけながらも、新感線らしい笑いの数々を振りまく。グレコ役の浅利は普段の優しいイメージとは一転した役柄に驚かされるが、その荒々しい役柄を演じきっていた。若き王子レスポールJr./元きよしを演じる原は、悲劇の王子をその若さで熱演し、ジャニーズJr.内ユニット「宇宙Six」として活躍する原らしいキレのあるダンスで観る者を魅了。レスポール王を演じる木場は、深みのある演技で若手の多いdisc2に荘厳さをもたらしていた。

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囲み取材の最後に、尾上は「未来のランダムスターと過去のマクベスと2役を演じさせていただきまして、過去と未来を行き来するというのが、この劇場ならではの特徴とすごく合っています。メタルロックに合わせてシェイクスピアの『マクベス』を作ったのは、世界中を探してもこの作品しかないと、唯一無二の作品として楽しんでいただけるよう、がんばりたいと思います」と意気込んだ。

disc1で同役を演じた濱田から応援メールを受け取り、エネルギーをもらったという大原は「映像も豪華ですし、音楽ももちろんですが、本当に台詞がおもしろいんです。宮藤さんが書かれた脚本の台詞のやり取り一つ一つで、笑って楽しんでいただきたいです」と呼びかけた。

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二人の若きランダムスター夫人が、ここでしか味わうことのできない劇場体験とともに新たに魅せる『メタルマクベス』。開幕が楽しみだ。

ONWARD presents新感線☆RS『メタルマクベス』disc2 Produced by TBSは、9月15日(土)から10月25日(木)まで東京・IHIステージアラウンド東京にて上演。

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(取材・文・撮影/櫻井宏充)

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