『ディペンデントデイ~七人の依存症~』開幕!株元英彰「劇団プレステージとしての初挑戦もたくさん」


劇団プレステージ第13回本公演『ディペンデントデイ~七人の依存症~』が、2018年8月1日(水)に東京・シブゲキCBGK!!にて開幕した。本作は、劇団プレステージ(以下、劇プレ)にとって約1年ぶりとなる本公演で、演出も劇団員である風間由次郎が手掛けている。初日前には、公開ゲネプロと囲み会見が行われ、出演者より株元英彰、石原壮馬、太田将熙、岩田玲が登壇した。

(以下、一部作品内容などに触れています)

劇団プレステージ第13回本公演『ディペンデントデイ~七人の依存症~』舞台写真_2

久しぶりとなった本公演の幕開けについて、石原は「演出も由次郎さんが手掛け、演出補も向野(章太郎)さんがやってくださったので、劇団員で作った公演という気持ちが強いです。その分、劇団としての集中力が問われると思うので、若手でもおもしろい作品が作れるんだぞ、というところをお見せしたいです」と語った。

劇団プレステージ第13回本公演『ディペンデントデイ~七人の依存症~』舞台写真_3

株元も「劇団員全員が揃ったら一番良かったと思うのですが、何人か別の仕事が入っていて出られていません。でも、それはすごく贅沢なことで、劇団として望んできた形でもあると思います」と胸を張る。また今回の役については「個人的にはチャレンジです。僕もできるんだぞっていうところを観てもらいたいです」と意気込んだ。

「本公演が1年も空くことはあまりないんですけど、その分の時間でいろんな仕事をして、劇団に持ち帰ってきていると思うので、これまでの本公演以上のものを出せたらいいなと思います」と岩田。しかし、演出の風間から集中的に指導を受けたそうで「最後の方、ちょっと稽古場に行きたくなかった・・・(笑)」と苦笑い。

劇団プレステージ第13回本公演『ディペンデントデイ~七人の依存症~』舞台写真_5

一方、コメディ要素を多く含む役柄の太田は「稽古場でいろいろ試したんですが、本番では、その時の感情で一番いいものを作れたらと思っています」と目標を掲げた。さらに「(登場人物たちの依存度合いが)深いようで深くなかったり、深くないようで深かったり、いろいろです。僕たちの、この作品にかける熱い思いを観ていただけたらと思っています」とコメント。すると、株元から「将熙のコメントが深いようで深くない(笑)」とツッコミが入り、和やかな笑いが起こった。

タイトルにもあるように、本作の登場人物たちは皆、何かに“依存”している。株元は「依存するものって、やっぱりそのもの自体に魅力がないとならないものだと思うので。僕たちもそういう存在になれたらと思いながら、そのためにもっとおもしろいものを作らなきゃという思いを持ってやってきました」と、稽古を通して抱いた思いを吐露。

最後は「劇団として、初挑戦していることもたくさんある作品になっています。一人一人に見どころがあるので、暑い日が続いていますが、劇場に足を運んでいただけたらと思います。渋谷で待っています!」と締めくくった。

劇団プレステージ第13回本公演『ディペンデントデイ~七人の依存症~』舞台写真_6

【あらすじ】
太平洋に浮かぶ島にある依存症更生施設「そえぎの森」。そこでは、ギャンブル依存症、ゲーム依存症、買い物依存症・・・様々な依存症の人間が、実社会から隔離されながら、更生を目指し生活していた。しかし、彼らの施設が、ある日謎のテロリストによって占拠される。救助の来ない孤島で、テロリストに立ち向かえるのは依存症の人々だけ。彼らに未来はあるのか―?!

出演は、石原、株元、岩田、太田のほか、大村まなる、小池惟紀、向野章太郎、坂田直貴、秀光、園田玲欧奈、高頭祐樹、長尾卓也、原田新平(風間も出演)。

1年という時間が、しっかりと劇団の中に積み上がっているのを感じた。中でも、5次元アイドル応援プロジェクト「ドリフェス!R」のメインキャラクター5名による「DearDream」のメンバーとして切磋琢磨してきた石原と太田は、存在感を着実に増していた。ベストを更新し続ける若さと勢い。二人のコンビネーションも、目を楽しませてくれる。

劇団プレステージ第13回本公演『ディペンデントデイ~七人の依存症~』舞台写真_9

会見では、苦労を匂わせていた岩田だが、作品の中に流れる大きな“感情”を背負い、観客の気持ちをぐっと引き込む。そして株元は、今回は参加していないリーダーの今井隆文や猪塚健太が担っていたような、作品の中心的存在となっている。作品の真ん中に立つ株元の姿は力強く、台頭してきた若手を引っ張っていくような気概がある。株元の成長に、劇プレとしての可能性が広がった感じがした。

劇団プレステージ第13回本公演『ディペンデントデイ~七人の依存症~』舞台写真_7

幕が開いたら、怒涛のように展開するハイスピードアクションコメディ。昨年『オーバーリング・ギフト』にて演出デビューを果たした風間は、劇団にも多くのものを持ち帰っている。こんなにアクションの多い劇プレ作品は初めてかもしれないし、ミュージカル風味も少々。何より、コメディでコーティングしながら、大切な感情のやり取りを、丁寧に作り上げた。

とっても“らしい”んだけど、新しくもある劇プレ。劇団は生き物である。続けていく中でしか生まれないおもしろさが見えてきた。

劇団プレステージ第13回本公演『ディペンデントデイ~七人の依存症~』は、8月1日(水)から8月12日(日)まで東京・シブゲキCBGK!!にて上演。上演時間は休憩なしの約100分を予定。

※高頭祐樹の「高」は「はしごだか」が正式表記

(取材・文・撮影/エンタステージ編集部)

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